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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
35/1823

あさおきて3

「うん……」


ともあれ。 まずは“日課”がある。


身体を(ひね)り、枕元を確認する。 時刻は、現在でちょうど午前7時。


それを見届けても尚、ベッドを離れることをしない。


つま先を床に下ろし、じっと待機に徹する。 もう、そろそろの(はず)だった。


「朝ですよー?」


果たして、ドアの向こうから声がした。


聞き慣れた家族の声だ。


「あいよー……」


眠たげな声で応じ、ようやくベッドから腰を上げる。


数歩の距離をペタペタと踏んで、北側に設けられたドアを開く。


すると、白々しい廊下の明かりが、薄暗い自室を()き清めてくれた。


それは、すっかり陰翳(いんえい)に馴染んだ眼には辛かったけれど、瞳を細め、事なきを得る。


そんな、茫洋たる明かりを後光とするかのように、開かれたドアの向こうには、見慣れた姿があった。


「おはようございます!」


「ぃ。 おはよー」


豊かな黒髪がさらりと揺れて、細流に揺蕩(たゆた)銀砂子(ぎんすなご)の美感に寄った。


「いいお天気ですよー? 今日は!」


「なぁ? 珍しいな?」


「うん! 久しぶり!」


瞳を柔らかな形に曲げて。 その身には、女子学生服の半袖、夏服をまとっている。

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