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あさおきて3
「うん……」
ともあれ。 まずは“日課”がある。
身体を捻り、枕元を確認する。 時刻は、現在でちょうど午前7時。
それを見届けても尚、ベッドを離れることをしない。
つま先を床に下ろし、じっと待機に徹する。 もう、そろそろの筈だった。
「朝ですよー?」
果たして、ドアの向こうから声がした。
聞き慣れた家族の声だ。
「あいよー……」
眠たげな声で応じ、ようやくベッドから腰を上げる。
数歩の距離をペタペタと踏んで、北側に設けられたドアを開く。
すると、白々しい廊下の明かりが、薄暗い自室を掃き清めてくれた。
それは、すっかり陰翳に馴染んだ眼には辛かったけれど、瞳を細め、事なきを得る。
そんな、茫洋たる明かりを後光とするかのように、開かれたドアの向こうには、見慣れた姿があった。
「おはようございます!」
「ぃ。 おはよー」
豊かな黒髪がさらりと揺れて、細流に揺蕩う銀砂子の美感に寄った。
「いいお天気ですよー? 今日は!」
「なぁ? 珍しいな?」
「うん! 久しぶり!」
瞳を柔らかな形に曲げて。 その身には、女子学生服の半袖、夏服をまとっている。




