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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
100/1823

ろうかにて2


結果から言って、なにも起きなかった。


「んーむ……」


二階へ通じる階段の下部。


適度なスペースが確保されたその場所で、おのおの身を寄せ合い、いったん一塊(ひとかたまり)となる。


そんな中、小難しい表情の望月が、(たずさ)えていたノートパソコンを開いてみせた。


液晶に視線を落とし、キーボードに指先を走らせ始める。 



先ほど、生徒会室の前では、随分と時間を費やした。


窓から内部も確認した。


お隣の校長室。 そこに連なる職員室の様子も、丹念に(うかが)ってみた。


そのどれもが、まったくの空振りだった。


そういった事実が、望月の苦い表情には、よく表れていた。


あるいは、いよいよ本調子を取り戻し始めた珠衣と幸介の様子が、何より雄弁に物語っていた。


もっとも、何事も起こらなかったのは、史とて実に喜ばしく思う。


取り越し苦労に終わる懸念ほど、めでたいものは無い。


しかし───


「………………」


感知網を波紋状に発信し、周縁の気配を入念に探る。


この校舎内に、相変わらず不可解な気配があることはたしかだった。


それは、自分たちの他に、誰かがいるということ。


それは、委託会社の警備員ではなく。


宿直の教師でもなく。 居残った生徒でもなく。


それ以前に、広義でいうところの生物ですらない。


だとすると、いまだに気を抜くことなど出来ない。

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