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ろうかにて3
そう考えて、熱心な警戒に取り組む史のかたわら、Enterキーを叩いた望月が、こう述べた。
「霊や妖怪……、オカルトな事象に付き物なのが、磁場の乱れという現象なんだって」
「じば?」
手元をのぞき込む三名に見えやすいよう、角度を変えて画面を示す。
そこには、校内の見取り図らしきものが表示されていた。
ちょうど、斜め上方から見下ろす形だろうか。 立体感のある構図だ。
平行に並ぶ三棟の校舎。
体育館にプール。
食堂に部室棟。
正確な位置関係をえがく図の各所に、細かな数値が、様々な数量で付与されている。
「それが、磁場の乱れ具合?」
史による問いかけに、コクリと頷いた望月は、指先で眼鏡を“つい”
「これによると……」
そうして、レンズの表面を並々と照明で満たしながら。
“もっとも数値が跳ね上がっている場所”
それを、まっすぐに指し示した。
「………………」
それは、史の大まかな予見とも、ちょうど合致する場所だった。
先ほど、グラウンドにおいて、何者かの気配を色濃く感じた場所。
「………………」
液晶画面をしばらく見つめた一同は、やがて戸惑い気味な視線を、近くの階段へ向けた。
「二階だな……」
いつになく重々しい口ぶりで、望月が言った。
階段の突き当たりに見える踊場の窓を、折しも降り出した大粒の雨が、そろそろと濡らし始めた。




