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何者でしょう?
「……うう。こ、怖いよ?」
「ぅ? なに怖がってんだよ珠衣! やっとお化けに会えるんだぜー? もっと喜べよ! 喜べよ!」
恐々と階段を踏みしめる二名のやり取り聞きながら、史はもう一度、気配の正体を探ることにした。
豊かな経験則から精製された、あらゆる可能性を下敷きとする。
そうして、静謐な夜陰の袂に、漠然と蔓延る気配の是非を、丹念に突き詰めてゆく。
“人間ではないもの”
憂慮すべき邪悪な気は、特に感じられない。
ちょうど、昨日の昼休み、学校裏の路地で見えた少女と、似たり寄ったりか。
人間に牙をむく可能性のある者は、もっと殺伐とした気配・存在感を発しているものだ。
「………………」
目前に控える二階部・廊下の奥から、うっすらと棚引いてくる気配には、それがない。
そういう意味では、昨日の少女と同様。 一応は“安全”という太鼓判を捺してしまっても、特に問題はないのかも知れない。
いや、それどころか───




