第百六話 道がないなら作っちゃえ
グルルルルルル……。
深い霧の向こうから、地の底を震わせるような唸り声が響いていた。
三組の五人は、霊馬の足を止め、目の前に広がる光景を見つめていた。
そこには、巨大な滝が流れ落ちる渓谷があった。
激しい水飛沫が辺り一面に舞い、谷底には青白い霊力が漂っている。
そして、その滝壺の傍ら。
巨大な岩の上に、一体の妖が悠然と身を横たえていた。
《水虎》。
水を纏った巨大な虎の姿をした妖。
その体躯は霊馬の数倍はあろうかというほど大きく、蒼く透き通った毛並みからは、絶えず水が滴り落ちていた。
鋭い牙。
岩をも砕きそうな爪。
そして、こちらを見据える冷たい双眸。
一目見ただけで、下級の物怪とは比較にならない存在であることがわかった。
「…………」
五人は、その場に立ち尽くした。
しかし。
「ほほう……!」
ただ一人。
舞桜だけが、目を輝かせていた。
「なんと見事な妖じゃ!」
「ちょ、ちょっと……!」
上勝田詩織が、そんな舞桜を見て顔を引きつらせた。
「なんで嬉しそうなのよ!?」
「ふふん!」
舞桜は得意げに笑う。
「これほど立派な妖、そうそうお目にかかれるものではないからのう!」
「そういう問題じゃありませんわ!」
麻賀多雛菊が慌てて声を上げた。
「どうするのですか、あんなものが道を塞いでいては!」
「そうよ!」
詩織も頷く。
「流石に正面から行くのは……」
その言葉に、町方智則が口を開いた。
「なぁ、水虎って、縄張りに入らなければ攻撃してこないんだろ?」
「……あぁ」
坂戸夏樹が頷く。
「確か、そうだったはずだ」
「そうなの?」
詩織が少しだけ安心したような顔になる。
しかし。
「……たぶんな」
夏樹が付け加えた。
「たぶんってなんだよ!」
智則が思わず突っ込む。
「いや、俺だって詳しく知ってるわけじゃないからな!」
「そこは自信持ってくれよ!」
「無茶言うな!」
二人のやり取りを聞きながら、雛菊が深いため息をついた。
「まったく……」
そして、改めて前方を見つめる。
水虎のいる滝壺を中心に、霊力の濃い霧が渓谷全体を覆っていた。
その奥に、細い道が続いているのが見える。
どうやら、その道が第五走の続きらしい。
しかし、そこへ向かうには、どうしても水虎のいる場所を通らなければならなかった。
「……困りましたわね」
雛菊が呟く。
「縄張りに入らなければ襲われないとしても、先へ進むには……」
「入るしかない、ということじゃな!」
舞桜が嬉しそうに答えた。
「…………」
雛菊がゆっくりと振り返る。
「……舞桜さん」
「なんじゃ?」
「どうして、そんなに嬉しそうなんですかぁ!」
「はははっ!」
舞桜は豪快に笑った。
「面白そうではないか!」
「面白くありませんわ!」
その横で、詩織も頭を抱えていた。
「もう……!」
そして舞桜へ問いかける。
「それで、どうするのよ?」
「うむ!」
舞桜は大きく頷いた。
「それは、詩織が考えるのじゃ!」
「…………えっ?」
詩織が目を丸くした。
「……私?」
「そうじゃ!」
「なんで!?」
舞桜は不思議そうに首を傾げる。
「そりゃ、そうじゃろう?」
そして、後ろの智則と夏樹を指差した。
「妾と男子二人は、あまりそういうことは得意ではないからのう!」
「おいおい!」
智則が苦笑する。
「勝手に俺たちまで一緒にするなよ!」
「いや……」
夏樹が小さく呟いた。
「否定できないところもあるけどな」
「お前まで!?」
そのやり取りを気にも留めず、舞桜は続けた。
「この五人の中では、詩織が一番頭が切れる!」
「…………」
「ならば、詩織が考えるのが一番じゃろう!」
「そ、それは……」
詩織は言葉に詰まった。
褒められているのはわかる。
しかし。
どう考えても、面倒なことを押し付けられている気がしてならない。
「雛菊!」
今度は舞桜が雛菊へ顔を向けた。
「其方も手伝ってやれよ!」
「……はい?」
「二人で考えれば、よい策も浮かぶじゃろう!」
「なんなんですか、もうっ!」
雛菊が頬を膨らませた。
「結局、わたくしたちに丸投げではありませんか!」
「そうよ!」
詩織も声を上げた。
「舞桜! 少しは自分でも考えなさいよ!」
「む?」
舞桜はしばらく考えるような仕草をした。
そして。
「……正面突破じゃな!」
「却下!!」
詩織と雛菊の声が、見事に重なった。
「はははっ!」
舞桜は楽しそうに笑った。
「ならば、やはり二人に任せるのじゃ!」
「もうっ!!」
詩織が額を押さえた。
その隣で、雛菊もため息をつく。
「……さて、どうしましょう」
「本当に、どうしましょうね……」
二人は改めて水虎へ視線を向けた。
水虎は、こちらをじっと見つめている。
しかし、今のところ襲いかかってくる様子はない。
やはり縄張りへ踏み込まない限り、積極的に攻撃してくることはないのかもしれない。
だが、ここで立ち止まっていては、ほかの組に追い抜かれてしまう。
「……迂回できないかしら?」
詩織が周囲を見渡した。
しかし、左右には切り立った崖が続いている。
「難しそうですわね」
雛菊が答えた。
「それに、仮に崖を登れたとしても、霊馬を五頭とも連れて行くのは……」
「そうよね……」
智則も腕を組んだ。
「なら、あいつの気を引いている間に、ほかの四人が通り抜けるってのはどうだ?」
「誰が気を引くの?」
詩織が尋ねる。
「…………」
智則は黙った。
そして、舞桜を見た。
「……妾か?」
舞桜が嬉しそうに笑う。
「よいぞ!」
「よくないわよ!!」
詩織が即座に叫んだ。
そんな仲間たちを見ながら、夏樹がぼそりと呟いた。
「……あいつ、絶対に戦い始めるだろ」
「でしょうね……」
雛菊が力なく頷いた。
こうして。
三組の五人は、水虎の縄張りの手前で立ち止まり、あれこれと策を巡らせていた。
その間も。
グルルルルル……。
水虎の低い唸り声が、渓谷に響き続けていた。
◇◇◇
一方、その頃。
「……もうっ!」
鬱蒼とした森の中に、凛の声が響いた。
「この道、いつまで続くのよ!」
一組の第五走班。
凛、紅葉、小夜、豪太、刀也の五人は、門をくぐってからというもの、延々と続く森の中を走り続けていた。
しかも。
その道は、決して真っ直ぐではなかった。
右へ曲がったかと思えば、今度は左。
坂を登ったと思えば、また下り。
時には大きく迂回し、進んできた方向へ戻っているのではないかと思えるほどだった。
「……これは」
紅葉が呆れたように呟く。
「絶対に遠回りですわね!」
「がははっ!」
豪太が豪快に笑った。
「そうだな!」
「笑い事じゃありませんわ!」
「いや、でもよ!」
豪太は周囲を見渡した。
「ここまで来たら、笑うしかねぇだろ!」
「それはそうですけど……!」
その時。
小夜が、手元の地図へ目を落とした。
「……あの」
「どうしたの、小夜ちゃん?」
凛が尋ねる。
小夜は地図と周囲の地形を見比べながら、困ったように答えた。
「この道……おそらく、ゴールがある方向とは反対へ向かっています」
「…………」
四人が固まった。
「……えっ?」
凛が聞き返す。
「反対って……?」
「はい」
小夜は地図の一点を指差した。
「地形から考えると、ゴールはあちらの方角だと思うのですが……」
そして、今進んでいる道を見た。
「私たちは、そちらから遠ざかっているような……」
「…………」
数秒の沈黙。
そして。
「なんでよぉぉぉ!!」
凛の叫びが、森中に響き渡った。
「なんでわざわざ反対に進まなきゃいけないのよ!」
「……完全に外れを引きましたわね」
紅葉がため息をつく。
「くそぉ……」
刀也が苦笑した。
「やっぱり、真ん中は駄目だったか……」
「誰のせいだと思ってるのよ!」
凛が振り返る。
「……俺です」
刀也は素直に答えた。
「わかってるならいいけど!」
「いいのかよ!」
豪太が笑った。
そんな時だった。
ガサガサガサッ!
「……っ!」
小夜が顔を上げた。
「来ます!」
茂みの奥から、黒い影が飛び出した。
ギィィィッ!!
現れたのは、獣のような姿をした下級の物怪だった。
それも、一匹ではない。
次々と茂みから姿を現し、五人の進路を塞いでいく。
「またぁ!?」
凛が声を上げた。
しかし、すぐに札を取り出す。
「もうっ! 邪魔しないでよ!」
札に霊力が流れ込む。
「火球!」
ボウッ!!
凛の前方に火球が生まれ、物怪へ向かって飛んでいった。
ドォン!!
火球が命中し、物怪が霊力の粒子となって消えていく。
「よし!」
しかし。
ギィィィッ!!
今度は別の物怪が、横から飛びかかってきた。
「おっと!」
刀也が霊馬の背から身を乗り出した。
手にしているのは、霊木で作られた木刀。
一見すれば、ごく普通の稽古用の木刀に見える。
だが。
その刀身には、刀也の霊力が流れ込んでいた。
「邪魔だ!」
シュバッ!!
鋭い一閃。
霊力を纏った木刀が物怪を斬り裂き、その姿を霧散させた。
「ふぅ……」
刀也は木刀を肩に担いだ。
「まったく、次から次へと……」
「もうこれで何匹目よ!」
凛が呆れたように言った。
「いやぁ……」
刀也が苦笑する。
「数えるの、途中で諦めたわ」
「私もですわ……」
紅葉が肩を落とした。
「本当に、きりがありませんね」
小夜も頷いた。
「この森には、かなり多くの物怪が棲んでいるようです」
「それに……」
凛は、前方へ続く曲がりくねった道を睨んだ。
「このままじゃ、どんどん遅れちゃうわ!」
その言葉に、紅葉と小夜が頷く。
「そうですわね」
「はい。物怪に足止めされるたびに、時間を失っています」
「うーん……」
豪太も、さすがに困ったような顔になった。
「こりゃ、ちょっとやべぇな」
そして、ふと思いついたように言った。
「晴真みたいに、空飛んでいくか?」
「無理だよ!」
凛が即答した。
「晴真君じゃあるまいし!」
「がははっ! だよな!」
豪太は笑った。
「そもそも、俺たち全員の霊馬を飛ばすなんて、どうやりゃいいんだ!」
「そうですわね……」
紅葉も苦笑した。
「晴真君が、どれほど無茶なことをしていたのか、改めてわかりますわ」
「ふふっ」
小夜が小さく笑った。
「でも……晴真君なら、こういう時、なんて言うでしょうね?」
「えっ?」
凛が首を傾げる。
小夜は少し考えた後、楽しそうに言った。
「きっと……」
そして、晴真の口調を真似るように続けた。
「道がなければ、作ればいいんじゃん!」
「…………」
一瞬。
四人が黙り込んだ。
そして。
「あはははっ!」
凛が笑い出した。
「言いそう!」
「間違いなく言いますわね!」
紅葉も笑う。
「がはははっ!」
豪太が豪快に笑った。
「あいつなら、絶対そう言うな!」
「ですよね!」
小夜も嬉しそうに頷いた。
晴真なら、きっと本当に道を作ろうとするだろう。
何しろ、普通なら思いつかないような発想を、平然と実行してしまう少年なのだから。
しかし。
その時。
「……道がなけりゃ、作ればいい……か」
刀也が、ぽつりと呟いた。
「……ん?」
凛が振り返る。
「刀也?」
「…………」
刀也は、手に持った霊木の木刀へ視線を落としていた。
そして、周囲の森を見渡す。
天高く伸びた巨木。
絡み合う枝。
行く手を塞ぐ深い茂み。
さらに、その奥へと続く山の稜線。
「…………」
刀也は、何かを考えるように黙り込んだ。
そして。
「あっ!」
突然、顔を上げた。
「……そうだ!」
「えっ?」
凛が目を丸くする。
刀也は、にやりと笑った。
「なぁ、みんな!」
「どうした?」
豪太が尋ねる。
「いいこと思いついたぜ!」
「……いいこと?」
紅葉が怪訝そうに刀也を見る。
「さっきみたいなことではありませんわよね?」
「違ぇよ!」
刀也が笑う。
「今度は、ちゃんと考えたんだって!」
「本当でしょうね……」
凛が疑わしそうな目を向ける。
「まぁ、聞いてくれよ!」
刀也は小夜の持つ地図を指差した。
「小夜。ゴールって、あっちの方角なんだよな?」
「はい」
小夜が頷く。
「正確な位置まではわかりませんが、おそらく間違いありません」
「じゃあさ!」
刀也は、前方に広がる森を見据えた。
「この曲がりくねった道、走る必要なくねぇか?」
「……えっ?」
「だってよ!」
刀也は木刀を軽く振った。
「俺たちが行きたいのは、あっちなんだろ?」
そして、木々の向こうを指差す。
「だったら、真っ直ぐ行けばいいじゃねぇか!」
「…………」
凛が目を丸くした。
「……真っ直ぐって」
「だからさ!」
刀也は笑った。
「この森、俺が斬り拓いてやるよ!」
「…………えっ?」
四人が一斉に刀也を見た。
「斬り拓くって……」
紅葉が聞き返す。
「まさか、その木刀で?」
「おう!」
刀也は頷いた。
「邪魔な木も茂みも、まとめて斬り払ってやる!」
そして、前方の森へ木刀を向けた。
「俺が道を作るから、みんなはそこを真っ直ぐ走ればいいんだ!」
「えええっ!?」
凛が驚きの声を上げた。
「確かに、それなら遠回りしなくて済むけど……!」
「がはははっ!」
豪太が大笑いした。
「いいじゃねぇか!」
そして、刀也の背中を叩く。
「面白ぇこと考えるな、お前!」
「だろ?」
刀也が得意げに笑う。
「なるほど……」
紅葉も、改めて前方の森を見渡した。
「確かに、このまま遠回りを続けるよりは、いいかもしれませんね」
「ただ……」
小夜が少し心配そうな顔をした。
「それだけのことをするとなると、霊力の消費が半端ではないと思います」
「そうよ!」
凛も頷いた。
「普通の斬撃じゃ、こんな森に道なんて作れないでしょ?」
「わかってるって!」
刀也は笑った。
「だから、思いっきり霊力を込めるんだよ!」
「……でも」
小夜は心配そうに続けた。
「この森には、かなり大きな木もあります。それに、どこまで森が続いているのかもわかりません」
「そうですわね」
紅葉も頷く。
「たとえ一度の斬撃で道を作れたとしても、それがどこまで届くか……」
「大丈夫だって!」
刀也は自信満々に答えた。
「クシナダ様に、散々鍛えてもらってるからな!」
「……クシナダ様?」
凛が聞き返した。
「おう!」
刀也は頷く。
「霊力をただ力任せに放つんじゃなくて、刃に集めて、一気に解き放つ」
そう言いながら、木刀を握り直す。
「何度も何度も、叩き込まれたんだぜ!」
脳裏に浮かぶのは、合同合宿での修練だった。
眷属クシナダによる、容赦のない指導。
霊力を練り上げること。
全身の力と霊力を一致させること。
そして、斬撃の瞬間に、その力を一点へ集中させること。
何度も失敗し、何度も地面に叩き伏せられた。
だが、その修練によって、刀也の霊力操作は以前とは比べものにならないほど磨かれていた。
「……ふっ!」
刀也が笑みを浮かべた。
「今なら、できる気がするんだよな!」
「……気がするって」
凛が苦笑する。
「そこは、できるって言い切ってよ!」
「はははっ!」
刀也は笑った。
「じゃあ、できる!」
「もうっ!」
凛も思わず笑ってしまった。
しかし。
すぐに表情を引き締める。
「……刀也」
「ん?」
「任せていいのね?」
刀也は、凛を真っ直ぐに見た。
そして。
「おう!」
力強く頷いた。
「任せろ!」
その瞳には、先ほど門を誤って開いてしまった時のような迷いはなかった。
「俺のせいで、こんな道に来ちまったんだ!」
刀也は木刀を構える。
「だったら、俺が取り返さなきゃな!」
「……刀也」
凛は少し驚いたように彼を見た。
そして。
ふっと笑った。
「……そうだね!」
手綱を握り直す。
「じゃあ、お願い!」
「おう!」
豪太も笑った。
「がははっ! 派手にやってくれよ!」
「期待していますわよ!」
紅葉が微笑む。
小夜も頷いた。
「私が地図で方角を確認します。刀也君は、そちらへ向けてお願いします!」
「頼むぜ、小夜!」
刀也は木刀を握り直した。
そして、霊馬からひらりと飛び降りる。
目の前には、深い森が広がっていた。
幾重にも重なる巨木。
地面を這う太い根。
道を塞ぐ、無数の枝葉。
普通ならば、到底真っ直ぐ進むことなどできない。
だが。
「……へへっ」
刀也は楽しそうに笑った。
「晴真の奴にゃ、負けてらんねぇからな!」
そして。
ゆっくりと木刀を構えた。
「……ふぅ」
大きく息を吐く。
次の瞬間。
ゴウッ!!
刀也の全身から、強烈な霊力が立ち昇った。
「……っ!」
凛が目を見開く。
「すごい……!」
霊力が刀也の両腕を巡り、握り締めた木刀へと流れ込んでいく。
木刀の表面に、淡い光が宿った。
それは、次第に密度を増し、鋭い刀身を形作るように伸びていく。
「……なるほど」
紅葉が小さく呟いた。
「霊力を、刃へ集中させているんですね」
「おお……!」
豪太も感心したように声を漏らす。
「こりゃ、すげぇな!」
小夜は地図を確認し、前方を指差した。
「刀也君! 方角は、あちらです!」
「おう!」
刀也は、その方角へ視線を向けた。
そして。
にやりと笑った。
「……よっしゃ!」
両足を大きく開き、腰を落とす。
「いくぜ……!」
霊力が、さらに膨れ上がる。
周囲の落ち葉が舞い上がり、足元の草が激しく揺れた。
刀也は、木刀をゆっくりと引いた。
その姿を見つめながら、凛が小さく呟く。
「……本当に」
そして、思わず笑みを浮かべた。
「晴真君みたいなこと、考えるんだから!」
次の瞬間。
刀也の足元で、地面が小さく震えた。
「……さぁ!」
刀也が、木刀を握る手に力を込める。
「道がねぇなら――」
その瞳が、鋭く光った。
「俺が作ってやるよ!!」
深い森の中。
立身刀也の渾身の一撃が、今まさに放たれようとしていた。




