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6誰かいませんか?
「……おかしい」
いくら歩き回っても、目的の人物どころか誰も見かけない。
貧民街には当然、貧民たちが住んでいるはずだ。ジエダスはこの穏やかな空間を作るために、もといた住人を追い出してしまったのだろうか。
それともみんな、ここにある何か、あるいは魔術に巻き込まれるのを恐れて逃げた?
ホーカーは危険じゃないことをやたら強調していたが、本当に危険じゃないとは言い切れない。
というか、ホーカーが襲ってくるかもしれない時点で、全然安全じゃない。
あえて魔力のなさそうなヴァルやスワローではなくホーカーが任命されたということは、隊長は魔力があったほうが有利だと考えたのでは?
ホーカーは人脈が広い。任務ではなく、誰かに頼まれた?
道中、なんとはなしに隠したがっている様子があったから、タウベは深く聞かなかった。
が、それは失敗だったかもしれない。多少強引にでも、もっと詳しく聞いておけばよかった。と、タウベは少し後悔した。
「誰かいませんかー!?」
しびれを切らして大声を出してみたが、返ってくるのは甘い花蜜の香りだけだった。




