表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新訳 太閤記 ~ 転生 豊臣秀吉、未来を識る僕は史実の道を静かに歩む 〜  作者: 条文小説


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/153

1-91 魔王の御前、三時の誓い

挿絵(By みてみん)


 『太閤記たいこうき』は、豊臣秀吉の伝記に用いられる題名。太閤は摂政・関白経験者で、その子が同様に摂関となった者が称する号であるが、ここでは秀吉を指す。秀吉の伝記・一代記の総称として用いられるが、小瀬甫庵の著作である『太閤記』を指すこともある。秀吉を中心とした人物を描いた戯曲作品は特に太閤記物という。

 『絵本太閤記』(えほん たいこうき、旧字体:繪本〜)は、江戸時代中期に書かれた読本よみほん。豊臣秀吉の生涯を描いた講談をもとに、武内確斎が文を著し、岡田玉山が挿絵を入れた。全7編84冊。出典:Wikipedia

 戦国という途方もない時代を駆け抜ける僕の物語は、もはや誰にも止められない速度で、歴史の特異点シンギュラリティへと突入していく。


 ――明朝未明、和田山わだやま箕作みつくりの二城を同時に踏み潰す。


 信長のその苛烈な下知が下された直後、僕は再び進み出て、軍議の場にさらなる爆弾サプライズを投げ込んだ。


「信長様。両城の攻略、明子みょうねの刻(深夜)より攻め懸かり、卯の刻(6時頃)には終わらせてご覧に入れます。……三時みときの間に、必ずや攻め抜いてみせましょう」


「……三時みときだと?」


 諸将の間から、どよめきが上がった。三時みときといえば、現代の感覚で言えばわずか六時間程度。一国を揺るがすほどの堅固な要塞を、たったそれだけの時間で落とすというのだ。常識的に考えれば、大言壮語も甚だしい。


 だが、僕には勝算があった。力押しではなく、人間の「心」と「肉体」の限界を突く盤面ゲームの描き方が、すでに脳内で完璧に仕上がっていた。


 そんな時。先ほど僕の策を完璧な論理ロジックで後押しした新参の狼――明智十兵衛光秀が、静かに平伏したまま声を上げた。


「信長様。先鋒に加えていただいたご恩がありながら、この戦で何一つ功を立てられぬままでは、あまりにも心残りでございます」


 光秀はスッと顔を上げ、その冷たく澄んだ瞳で僕を見た。


「どうか、この両城を木下殿と某の二人に命じてはいただけませぬか。互いに軍を率い、三時を限りに『どちらが早く城を攻め落とすか』……競い合ってごらんにいれます」


 僕は内心で舌打ちをした。ここでしゃしゃり出てくるか、明智光秀。僕が立てた作戦の「おいしいところ」を半分掠め取り、あわよくば僕以上の成果を出して、織田家中での自身の地位ポジションを一気に確立しようという腹だ。


 信長は、僕と光秀の顔を交互に見比べ、ニヤリと猛禽類のような笑みを浮かべた。配下同士の競争心ライバルを煽り、極限の成果を引き出す。信長が最も好むマネジメント手法である。


「面白い。その願い、許す!」


 信長は軍配でパンッと膝を叩いた。


「和田山は藤吉郎! 箕作は光秀! おのおの、三時を限りに必ず攻め落としてみせよ!」


「「ははっ!!」」


 僕と光秀は、同時に深く頭を下げた。こうして、南近江の喉首を巡る戦いは、織田家が誇る二つの異能――「猿」と「狼」による、前代未聞のタイムアタック攻城戦へと変貌を遂げた。


 だが、この競争レースは、最初から極めて不公平なものだった。軍議が終わり、いざ出陣の用意を始める段になって、織田家中のドロドロとした「政治」が牙を剥く。


「明智殿!我らも貴殿の助太刀に参ろう!」


 そう言って光秀の陣営に堂々と合流してきたのは、織田家の筆頭家老である柴田勝家しばたかついえと、佐久間信盛さくまのぶもりの両名。


 光秀は越前から来たばかりの新参者であり、自前の手勢リソースを持たない。そのため、信長は光秀に直轄軍から5,000人の兵を与えていたのだが、そこに柴田と佐久間が自らの軍勢を率いて加勢に入った。


 理由は単純明快だ。彼ら譜代の老臣たちは、農民上がりの僕がこれ以上才略を振るい、出世していくのが我慢ならなかったのだろう。


 だからこそ、新参者で名門出身の光秀に力を貸し、僕の勢いを削ごうと目論んだ。光秀に勝たせることで「やはり藤吉郎の小手先の知恵など、正統な武将の力には及ばぬ」と証明し、以後は僕が軍議で出しゃばれないように封じ込めるための、陰湿な派閥争いだった。


「……ふん。勝家たちも、随分と暇なことだ」


 僕は自陣の幕舎で、弟の小一郎からの報告を聞き、鼻で笑った。


「兄者、笑い事ではありませんぞ!明智殿の箕作攻めには、柴田様たちの精鋭が加わって圧倒的な大軍。対して我ら和田山攻めの兵力は、総勢で3,500。これではいくらなんでも分が悪すぎます!」


「小一郎。いくさは、兵の数だけで決まるものじゃない。……むしろ、連中が光秀の監視プレッシャーに回ってくれたおかげで、僕は心置きなく『汚い手』を使える」


 僕は、卓の上に広げた和田山城の絵図面に、小石をいくつか配置した。真正面から力押しで城を落とすなら、三時(6時間)では到底足りない。必要なのは、相手の体力を奪うことではない。相手の「精神メンタル」をへし折ることだ。


加次田隼人かじたはやと、いるか!」


「はっ」


堀尾茂助ほりおもすけ!」


「ここにおります!」


 僕の呼びかけに、かつて稲葉山城の裏口から共に潜入した決死隊の面々が、頼もしい顔つきで並んだ。


 飯田大炊いいだおおい青山新七あおやましんしち青山新介あおやましんすけ長江半之丞ながえはんのじょう河口久助かわぐちきゅうすけ。彼ら七人を大将とし、僕が日頃から金を使って手なずけていた、山の地形を知り尽くした野武士ゲリラの集団、500人を預ける。


「500の別働隊は、夜の闇に紛れて和田山の険阻な山道を伝い、城の搦手バックドアの山へ回って。そして、僕が合図をするまで、息を潜めて『あるもの』を準備するんだ」


 僕は彼らに、悪魔のような計略を耳打ちした。茂助たちは一瞬驚いた顔をしたが、すぐにニヤリと悪党の笑みを浮かべて頷いた。


「さあ、夜這いの時間だ。六角の連中に、一睡もさせない地獄を見せてやろう」


 子の刻(深夜0時)。秋の冷たい夜風が吹き抜ける中、僕が率いる3,000の主力部隊は、和田山城の大手センターゲートへと静かに進軍を開始した。


 和田山城の城主・山中山城守やまなかやましろのかみは、堅物で知られる歴戦の将である。彼は織田の襲来に備え、城の防衛ラインに大木や大石をびっしりと積み重ね、「敵が近づけば一網打尽にしてくれる」と、固唾を飲んで待ち構えていた。


「よし。撃て!」


 僕の号令と共に、夜の静寂を切り裂いて、凄まじいときの声が上がった。


「「「うおおおおおおおッ!!」」」


 ダダダダダダンッ!!


 無数の鉄砲の銃撃音が響き渡り、火縄の光が闇夜を赤く染める。城内は一気に緊張状態レッドゾーンに達した。


「敵襲だ!織田が来たぞ!弓構えろ!石を落とす準備をしろ!」


 山中山城守の怒号が飛び交い、守備兵たちは極度の緊張の中、武器を構えて暗闇の斜面を睨みつけた。


 ――しかし。


 待てど暮らせど、織田の兵は一騎たりとも斜面を登ってこないのだ。


「……?どうした?敵はどこだ?」


「分かりませぬ! 喚声と鉄砲の音はするのですが、姿が見えませぬ!」


 無理もない。僕たちが撃っているのは、弾の入っていない「空鉄砲からでっぽう」なのだから。


 城から絶妙に離れた安全圏に陣取り、ただひたすらに大声を上げ、空に向けて鉄砲を撃ち鳴らす。あたかも今すぐ全軍で突撃するかのように見せかける「陽動フェイント」だ。


「騙されるな!敵の罠だ、油断するな!」


 山城守は部下たちを叱咤し、防御の姿勢を崩させなかった。それが、僕の狙いだった。人間は、極度の緊張状態を長時間維持することはできない。


 深夜0時から明け方近くまで、断続的に鳴り響く銃声と怒号。そのたびに「来るか!?」と武器を構え、暗闇を凝視する守備兵たち。


 攻めてこない敵を待ち続けるという行為は、肉体以上に精神メンタルをゴリゴリと削っていく。うしの刻、とらの刻……。


 夜半から明け方に近づく頃には、城中の兵たちは極度の睡眠不足と神経の摩耗により、ほとんど疲労困憊となっていた。彼らの眼は虚ろになり、武器を握る手は垂れ下がり、「もう、いつ攻めてきてもいいから早く終わってくれ」という絶望的な草臥くたびれに支配されていた。完全に勇気がたゆみ、防衛のシステムが形骸化した瞬間。


「……そろそろ、良い具合に焼き上がった頃合いだな」


 僕は白み始めた空を見上げ、ニヤリと笑った。そして、手にした軍配を、城の背後の山へ向けてスッと振り下ろした。


「今だ! 撃ち下ろせェッ!!」


 城の搦手バックドアのさらに後方。和田山城を見下ろす三カ所の高い峰から、加次田や堀尾茂助たちが率いる500の別働隊が、一斉に牙を剥いた。


 彼らは夜の間に、山の上に「井楼せいろう」と呼ばれる木組みの簡易監視塔を急造していたのだ。そこから見下ろせば、城の内部(内郭)は完全に丸見えだ。


 ズドドドドンッ!! ヒュルルル……ドカンッ!!


 空高くから、凄まじい数の鉄砲の鉛玉と、火矢ひやが、まるで豪雨のように城内へと降り注いだ。


「な、なんだ!?上から撃たれているぞ!!」


「搦手だ!後ろの山に敵がいる!!」


 城内は、文字通りかなえの沸くような大パニックに陥った。城側も500人の兵を搦手の防衛に置いていたが、まさか自分たちよりさらに高い山の頂から、重力を味方につけた射撃を浴びるとは夢にも思っていなかった。


 放たれた火矢が役所や陣所に突き刺さり、またたく間に猛烈な火の手が上がる。逃げ惑う人馬が次々と上方からの銃弾に撃ち抜かれ、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。


「よし!完全に陣形フォーメーションが崩れた! 全軍、本当に突撃を開始しろ!!」


 僕は刀を抜き放ち、大手センターゲートで待機していた3,000の主力部隊に号令をかけた。空砲ではなく、本物の殺意を持った突撃。一晩中空砲に悩まされ、精神が限界に達していたところに、背後からの火災と上方からの狙撃。そして正面から雪崩れ込んでくる怒涛の大軍。もはや、和田山城の防衛システムは完全に崩壊していた。


「逃げろ! 二の丸へ退けェッ!」


 守備兵たちは、大木や大石を落とすといった本来の防戦用意をすべて放り出し、ただ我先にと奥の曲輪くるわへと逃げ込んでいく。僕が率いる大手と、加次田が率いる搦手の両部隊が、雪崩を打って城内へと突入した。真っ直ぐ本丸へと迫る。もはや二の丸すら持ち堪えられないことは、誰の目にも明らかだった。


「……勝負あり、だ」


 僕は刀の血糊を払い、静かに息を吐いた。無駄な殺戮を続ける必要はない。僕はすぐさま、城主である山中山城守の元へ降伏勧告の使者を走らせた。


『もはや戦局は覆りませぬ。城兵の命と引き換えに、開城なされよ』


 事ここに至り、徹底抗戦を誓っていた山城守も、己の敗北を認めるしかなかった。彼は自らを縄で縛り、降人こうじんとして僕の前に膝を屈したのである。僕は即座に城内を鎮圧し、燃え広がる火を消し止めさせた。


 勝鬨かちどきが秋の空に響き渡る。時計の針は、いまだ辰の上刻(午前8時前)。僕が信長に約束した「三時」の期限を、まだ一時ふたときも残した状態での、完璧なスピードクリアであった。


「見事だ、藤吉郎! あの堅城を、一兵の無駄な被害も出さずに落とすとは!」


 麓の本陣へ帰還した僕を、信長は手放しで賞賛した。正面からの陽動による精神的疲労と、背後の高所からの立体的な物理攻撃。未来知識と戦国の泥臭さを融合させた、僕ならではの戦術ロジックの完全勝利だった。


 一方、もう一つの戦場である箕作みつくり城では、全く異なる光景が繰り広げられていた。明智光秀は、僕のような絡め手を使わず、正統な軍学に則って箕作城へ猛烈な攻撃を仕掛けていた。


 だが、城代である吉田出雲守よしだいずものかみの采配は堅実であり、鉄砲と矢石を雨のように降らせて、光秀の軍勢を斜面に釘付けにした。


「ええい、怯むな! 押し通れ!」


 光秀が焦燥の声を上げる中、城門がギギギと重い音を立てて開いた。


「江州無双の武、とくと味わえェッ!!」


 中から飛び出してきたのは、江州で最強と謳われる物頭・建部源八郎たけべげんぱちろうが率いる500の決死隊だ。


 建部源八郎たけべげんぱちろうらは獣のような咆哮を上げながら、斜面を登りかけていた明智方の兵士たちに猛然と斬り込んだ。地の利を得た猛将の突撃の前に、さすがの光秀の精鋭たちも散々に突き立てられ、ついに痛手を負ってズルズルと麓まで引き退くことになった。


 城主の吉田出雲守は、深追いはせず、鐘を鳴らして源八郎の部隊を整然と城内へ引き上げさせた。完璧な防衛戦。明智光秀の、完全なる敗北だった。


 ――僕と光秀。


 二つの城を巡るタイムアタックは、こうして残酷なまでの明暗を分ける結果となった。


「……木下殿。見事な手際でしたな」


 軍議の席に戻った光秀は、泥に汚れた顔のまま、僕に向かって静かに頭を下げた。その顔に表情はなかったが、僕は見逃さなかった。


 彼の白魚のように美しい手が、袴の膝をギリッと血が滲むほどに強く握りしめていたのを。


 論理ロジックだけでは勝てない戦場がある。外寛内急の狼が、己のプライドを粉々に砕かれた瞬間だった。


「明智殿、勝負は時の運です。……次は、共に観音寺城を落としましょう」


 僕はあくまで飄々と、猿のような笑みを浮かべて返した。


 信長の上洛戦は、まだ始まったばかりだ。でもこの日、織田家中の序列とパワーバランスにおいて、僕が決定的な一歩を踏み出したことは間違いなかった。




【繪本太閤記 作:武内確斎 絵:岡田玉山 寛政9年】




木下藤吉きのしたとうきち和田山わだやましろ


ときに木下藤吉郎きのしたとうきちらう和田山わだやま箕作みづくり両城りやうじやうとも、明子みやうねこくより攻め懸り、こくに至り、三時みときが間に攻め抜くべきよし言上ごんじやうに及びければ、明智光秀あけちみつひで謹んで申し上げけるは、「それがしきみ御恵おんメぐみもつて先手の中へ加へられ、今度手合の合戦かつせん勤功きんこうなきも口惜くチしく候へば、両城りやうじやう木下きのしたそれがし両人に命ぜられ、攻戦こうせんゆるたまはば、たがひ三時みときを限り攻め落しまうすべし」と願ひければ、信長その旨に任せられ、「和田山は藤吉郎、箕作は光秀、おのおのの三時みときを限りに攻め落すべし」と仰せ渡され、両人畏り座を立つて用意よういをなす。光秀も新参しんざんなれば手勢てぜい等もこれなきにより、信長卿のぶながきやうより五千人を與給ひ、就中なかムづく柴田、佐久間の輩、かねがね藤吉が才略さいりやく勝れしを偏執へんしふしければ、新参しんざん光秀みつひでに力をへ、藤吉が勢をくじき、已後差出ざる様に計らはんと、柴田、佐久間の両人とも、光秀の加勢かせいとなり、箕作みづくりおもむける。さるほどに藤吉郎は和田山わだやまへ向ひ、加次田隼人、飯田大炊、青山新七、同新介、長江半之丞、河口久助、堀尾茂助七人を大将として、野武士の輩五百人、和田山の嶮岨けんそつたひ、城の搦手からめてへ廻らしめ、はかりごとを行はしむ。その身は惣勢そうぜい三千餘騎、子の刻より大手おほテの方へ攻めかかり、ときの聲を発し空鐵砲からでつぽうはなち、徒に攻上るべき勢をなし、しかも輕々(かるがる)しくは攻寄せず。城中は山中山城守、きびしく防禦ばうぎよの備をなし、大木大石を積み重ね、敵近寄らば打かけんと、固唾を呑んで待ちけるに、ただ鯨波とき、鐵砲の音のみ凄まじく、敢て一騎も近寄らず、夜半より明け近きころまで、氣を張り心を配り、城中ほとんどつかれ草臥、勇氣たゆんで見えにけり。搦手へ廻りたる加次田、稲田いなだが勢五百餘人、後の山三箇所に井樓せいろうを築揚げ城中を眼下がんカに見下ろし、鐵砲火矢ひやを射ることが雨よりも繁し。城中かねて五百人の勢を以て搦手をかためたりけるに、思ひもよらず、中天より凄まじき矢玉やだま降り來り、幾許の人馬を打殺し、役所陣所に火燃えで、城中鼎かなへの湧くがごとし。大手おほテの方の寄手これを見て、一時に閧を作り、どつと喚いて攻めのぼる。城中前後の敵に度を失ひ、かねてそなえし防戰ばうせんの用意も徒に捨て置いて、二の丸さして逃げ入りたり。木下が大手、搦手からめての両勢、一度に城中へ倫れ入り、當るを幸いつて廻るほどこそあれ、今は二の丸も堪へかねて見えにける。藤吉、城主山中山城守へ使者を差し越し、利害を説いて降參かうさんを勧めければ、山城守やましろのかみその下知げぢしたがひ、自縛じばクして降人に出ぬれば、木下即時に城中を鎮め、勝閧を揚げて麓に下り、本陣へこそは歸りける。このときいまだ辰の上刻に一時いつとき餘りに、和田山の城落著しければ、信長卿その功を稱し給ふ。このとき明智十兵衛光秀あけちじふべゑみつひでは、箕作みづくりの城へ押寄せ、閧をつくつて攻めかかれば、城代吉田出雲守、鐵砲矢石しせきを打出し、きびしく防ぎたたかひ、明智が勢進みかねて見えたるところに、物頭建部源八郎たけべげんぱちらう江州がうしう無雙がうしうムサう勇力ゆうりきなるが、五百餘人城戸を開討出で、散々に突き立てければ、明智方の兵士、いたり負けて引退く。城主吉田出雲守、かねらしていくさをまとめ、徐々と引取りける。

〜参考文献〜

太閤記 底本:『史籍集覧』第6冊,近藤出版部 - Wikisource

https://share.google/AxQqE2xRgf0LcmxAN

絵本太閤記 武内確斎 著 夕陽亭馬齡 編

夕陽亭文庫 Amazon Kindle https://x.com/bpaaw700


〜 投稿31日目UU累計5,000人達成!御礼投稿 1/10話 〜

 ランキング露出が無いのに、昔からの愛読者様にはご覧頂けて順調にUUが右肩上がりの1ヶ月を過ごす事ができました。本当にありがとうございます。心からの感謝を込めて少しですがまとめて投稿させて頂きます。是非お時間のある時にお楽しみ下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新訳 太閤記 ~ 転生 豊臣秀吉、未来を識る僕は史実の道を静かに歩む 〜
新訳 三河物語 〜 徳川家康と家臣団の戦国サバイバル 〜 with 逆行転生犬シロ
新訳 北条五代記 〜 近所の隠居が書いたメモがガチの戦記だった件〜
美しき女帝 北条政子 〜 婚約破棄どころか強制結婚!? 平家のエリートに嫁がされそうになったので、豪雨の山を越えて愛する無職の元へ走ってみた 〜
新訳 曽我物語 〜 復讐系なろうの原点、父を殺された兄弟の二十年の復讐譚〜
箴言・格言・名言集 〜頑張るあなたへ、今日を乗り越えるための一言〜
拝啓、愛読者様。― 想いを少しだけ 謹呈 条文小説
六道輪廻抄 〜 戦国転生記 〜
コミックス「六道輪廻抄〜戦国転生記〜」
動画生成AIが作成したイメージビデオ
動画生成AIが作成したなろう小説イメージビデオ
動画生成AIが作成したなろう小説イメージビデオ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ