表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者はだれ?  作者: 臥亜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/47

不純なる光

王城上空。


光と闇が激突する。


セラフィスの刃が空間を切り裂き、

レオンの黒剣がそれを受け止める。


轟音。


衝撃波が王都を揺らす。


だが――


セラフィスの視線が、ふと下へ落ちる。


リュカを見た。


一瞬で。


聖剣が、強く共鳴する。


リュカの胸が締め付けられる。


「……?」


セラフィスが、空中で止まる。


レオンを無視して。


白銀の瞳が、真っ直ぐリュカを射抜く。


「検出」


冷たい声。


「異物混在」


空気が凍る。


リュカが眉をひそめる。


「何?」


セラフィスがゆっくりと降下する。


王都中央広場へ。


着地。


地面が光で焼ける。


レオンは空中から静観している。


興味深そうに。


セラフィスが、リュカの前に立つ。


近い。


圧倒的な光圧。


呼吸が重い。


「君は共鳴している」


「だが、純度が低い」


ノアが叫ぶ。


「何を基準に――!」


セラフィスは無視する。


リュカの胸元――聖剣に触れようとする。


光がぶつかる。


反発。


セラフィスの瞳がわずかに細まる。


「感情混入」


「他者依存率、高」


「闇との接触履歴あり」


レオンとの戦闘。


共鳴の揺らぎ。


すべて解析されている。


セラフィスが告げる。


「不純」


その一言。


リュカの心臓が強く打つ。


ガルドが前に出る。


「てめぇ――」


光の圧で弾かれる。


ノアの術式も展開不能。


セラフィスの周囲は、絶対領域。


王が上空から見下ろす。


「選別せよ」


短い命令。


セラフィスが剣を構える。


「純粋な光のみが、世界を導く」


リュカの手が震える。


怖い。


でも。


目は逸らさない。


「それ、誰が決めたの?」


セラフィスが一瞬止まる。


「合理的判断」


「混濁した光は、いずれ闇へ堕ちる」


レオンが空中で笑う。


「言うじゃないか」


「俺を見て、なお言うか?」


セラフィスは振り向かない。


「堕ちた光は、切除対象」


レオンの瞳がわずかに鋭くなる。


だが口元は笑っている。


リュカが叫ぶ。


「光は、混ざるから強いんだ!」


胸が熱い。


怒り。


悔しさ。


仲間。


迷い。


全部ある。


「私は完璧じゃない!」


「怖いし、迷うし、揺れる!」


聖剣が震える。


光が広がる。


「でも!」


「だから、誰かと一緒に立てるんだ!!」


光が爆発する。


セラフィスの白銀の瞳が揺れる。


初めて。


揺らぎ。


だが、次の瞬間。


剣が振り下ろされる。


「排除」


光の斬撃。


王都を裂く軌道。


その瞬間。


黒い刃が割り込む。


激突。


闇と光がぶつかる。


レオン。


リュカの前に立っている。


「……面白いな」


低く呟く。


「不純、か」


セラフィスが淡々と告げる。


「君も同様だ」


レオンが笑う。


「だろうな」


だが、剣は下げない。


リュカを庇う位置。


リュカが息を呑む。


「レオン……?」


レオンは振り返らない。


「勘違いするな」


「俺は選別される側じゃない」


闇が膨れ上がる。


セラフィスの光が応じる。


王都の中心で。


光と闇。


そして“不純”と断じられた勇者。


三者の力が、均衡する。


王が静かに呟く。


「……やはり、混ざり物は危険だ」


空が軋む。


世界が、選別を迫られている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ