表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者はだれ?  作者: 臥亜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/47

王都の奥に眠る光

王都の地下には、誰も知らない区画がある。


古い石造りの通路。


封印扉。


王家の紋章。


そこに、ひとりの少年が座っていた。


年は十七。


白に近い銀髪。


閉じた目。


両手に、鞘に収まった細身の剣。


彼は眠っている。


いや――


“封じられている”。


地上。


リュカたちが作戦室で報告を受ける。


「王都内部に、未確認の高出力共鳴反応」


ノアが地図を示す。


「しかも中心部……王城の真下です」


ガルドが眉をひそめる。


「そんなの、俺たち知らされてねぇぞ」


その時。


王自らが姿を現す。


重いマント。


冷たい視線。


「当然だ」


王の声は静かだ。


「それは“最後の保険”だからだ」


リュカが睨む。


「共鳴者を隠してたの?」


王は否定しない。


「育てた」


短い答え。


「失敗作の勇者とは違う」


空気が凍る。


レオンのことだ。


王は続ける。


「彼は純粋だ」


「混じり気のない光」


「契約にも染まらない、完全な共鳴体」


ノアが小さく呟く。


「そんな存在が……」


王が振り返る。


「目覚めさせる」


その瞬間。


王城が揺れる。


外壁が爆ぜる。


空が裂ける。


来た。


レオン。


黒い外套。


紫の瞳。


王城の上空に立つ。


「そこにいるな」


低い声。


王が目を細める。


「早いな」


レオンの視線が城を貫く。


「最強を隠すとは、らしいな」


闇が膨れ上がる。


王が叫ぶ。


「封印解除!」


地下。


封印陣が崩れる。


石壁が光る。


少年の瞼が、ゆっくり開く。


その瞬間。


王都全体に光が走る。


圧。


質が違う。


リュカが息を呑む。


「……これ」


聖剣が震える。


共鳴が、歓喜している。


地下から、光柱が立ち上る。


石天井を貫き。


空へ。


闇とぶつかる。


轟音。


空が割れる。


レオンの目が初めて大きく開く。


「……なるほど」


光の中から、少年が現れる。


浮遊する。


足が地面に触れていない。


白銀の瞳。


感情が薄い。


だが、圧倒的。


「名前は?」


レオンが問う。


少年は静かに答える。


「セラフィス」


王が誇る。


「王国最高傑作だ」


リュカの胸がざわつく。


何かが違う。


光が、冷たい。


セラフィスが剣を抜く。


刃は透明。


空気そのものを切り裂く。


レオンが黒剣を構える。


「いい」


「やっと、本物だ」


一瞬。


二人が消える。


次の瞬間。


王城上空で、衝撃波。


衝突。


光と闇が均衡する。


互角。


いや――


押し返したのは、光。


レオンが空中で止まる。


口元が歪む。


「面白い」


セラフィスは無言。


感情がない。


ただ、斬る。


一閃。


闇を裂く。


レオンが初めて防御に回る。


地上で、リュカが叫ぶ。


「違う……!」


あの光。


守る光じゃない。


“選別の光”。


王の思想そのもの。


セラフィスが言う。


「不要な光は排除する」


レオンの瞳が細まる。


「……同類か」


王が微笑む。


「さあ、証明しろ」


「真に強き勇者を」


空が二色に割れる。


王都が再び震える。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ