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勇者はだれ?  作者: 臥亜


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29/47

全員覚悟 ――背中を預けろ――

王と魔王。


二柱の魔力が、同時にリュカへ収束する。


黄金と黒。


光と闇。


圧だけで地面が沈む。


リュカの膝が折れかける。


視界が白くなる。


終わる。


――そう思った瞬間。


横から、炎が割り込んだ。


爆ぜる。


黄金の圧を押し返す。


「ひとりで格好つけんな!」


ミラが立っていた。


震えている。


でも、目は笑っていない。


本気だ。


続けて、地面が隆起する。


土と石の壁が黒い魔力を受け止める。


「無茶する時はなぁ!」


ガルドが吠える。


「全員まとめてだろ!」


さらに。


氷の結界が展開する。


空間を歪ませ、圧を分散。


ノアの額から血が流れる。


「理論上は無理でも……」


息を吐く。


「実証してみせる」


そして最後に。


アルヴァンがリュカの隣へ立つ。


契約痕が赤く燃える。


「王にも魔王にも」


低い声。


「もう縛られない」


五人。


横一列。


背中合わせ。


王が静かに言う。


「愚かだ」


魔王が楽しげに呟く。


「面白い」


二柱の力が、同時に落ちる。


世界が、砕ける。


光と闇が衝突。


爆発。


王都の瓦礫が空へ舞う。


だが――


中心に、五つの魔力が絡み合う。


炎。


氷。


土。


契約の炎。


そして、リュカの光。


単体では弱い。


だが。


重なる。


共鳴する。


リュカの胸が熱くなる。


ひとりじゃない。


恐怖が、消える。


「行くぞ!」


叫び。


五人同時に踏み込む。


アルヴァンが黒い圧を斬り裂く。


ガルドが黄金の波を弾く。


ミラとノアが軌道を逸らす。


リュカが、その中心へ跳ぶ。


王と魔王のちょうど中間。


剣を掲げる。


「クロス――」


息を吸う。


仲間の魔力が流れ込む。


「ユナイト・スラッシュ!!」


五色の光が螺旋を描く。


黄金と黒の衝突点へ直撃。


世界が止まる。


一瞬。


本当に一瞬。


二柱の力が、押し返される。


王が目を見開く。


魔王が笑みを深める。


衝撃波。


空が割れる。


だが、今度は王都は消えない。


衝撃は上空へ抜ける。


雲が吹き飛ぶ。


空に巨大な十字の軌跡が残る。


静寂。


リュカたちは、立っている。


満身創痍。


だが、立っている。


王が低く呟く。


「単体では届かぬが……」


魔王が続ける。


「群れれば牙になる、か」


王都の民が、初めて歓声を上げる。


小さく。


震えながら。


王が宣言する。


「次の侵攻で証明せよ」


魔王が嗤う。


「その時は、本気で壊す」


二柱の姿が、同時に消える。


空が戻る。


静寂。


リュカは、その場に崩れ落ちる。


だが笑っている。


「……勝ってねぇけど」


アルヴァンが肩を貸す。


「ああ」


ガルドが空を見上げる。


「でも止めた」


ミラが涙を拭く。


ノアが小さく笑う。


「均衡、乱れましたね」


王都は半壊。


だが消えていない。


そして何より――


王も魔王も。


“勇者候補”を無視できなくなった。

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