第十日文書:調査中間報
憲兵隊調査中間報(抄)および監査提出書類の整理について 受領:第十日 五刻 宛:監察官 エリアス・ヴェント殿 発:前線司令部 文書課
一、第四騎士団鹵獲庫に係る調査中間報(抄)
監察官所見の続報に基づき、憲兵隊は第四騎士団鹵獲庫の仮出し三点につき調査に着手した。現況を左に記す。
欠品明細。彎弓一張、八二-三一七。矢束一つ、八二-三二〇。短剣一振、八三-〇五五。
搬出票三葉、いずれも名目は修繕。搬出人欄、三葉とも記載なし。庫の慣行として、修繕搬出の票は品番と日付のみを要し、搬出人の記名は省かれることが常態であった。
票の日付は、三葉とも同日。監査実施通達の発出に先立つこと二日、すなわち監査実施の内示が各団に達した当日である。
鍛冶場受入簿を対照したところ、当該三点に対応する受け入れの記載なし。
現場遺留品との照合。矢束(八二-三二〇)のみ照合可能。彎弓および短剣は、現場より未発見。
第四騎士団長より事情聴取を行った。同団長は管理上の不正を認めず。聴取は事情確認に留まり、身柄の措置なし。調査は継続する。
二、監査提出書類の整理について
第三騎士団提出分のうち、目録外の綴り二点につき内訳を確認した。一点は工房の作業帳。一点は私的な借用の記録であり、監査の対象外に付き、返却の要否を伺う。
借用記録の概要。貸主の記載なし。金額、三口。返済期日、いずれも経過。
なお、返済の原資に当たるものは、提出書類中に見当たらない。
返済の原資、不明。
以上




