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騎士団長の誰かが、魔王軍  作者: 自ら


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第八日文書:定時報告

第九騎士団長 定時報告(写し) 受領:第八日 七刻二十分 (文書課注記。同報告、五刻の提出なく、催促の伝令を発したるところ、第七騎士団の朝の哨戒より原本の回収あり。原本より写して回付する。第九騎士団長の消息に係る詳報は、追って回付する) 宛:監察官 エリアス・ヴェント殿 発:前線司令部 文書課


――以下、原本の写し。

第九騎士団長 ガーヴィン・モロー 定時報告 第八日 表紙記載。全七枚。


一、経路の再検討について

当職はこの数日、漏洩経路の再検討を行った。手順と所見を、順を追って記す。

回覧記録一年分を照合した。作戦系文書の回覧は、記載の順路に破れなし。受領印の欠落なし、順序の逆転なし。回覧の順路そのものは、健全である。

写しの管守についても検した。各団の保管に緩みはあるが、外に出た形跡を持つものはない。

出所不明の紙片二葉についても、当職の検討に係る。保全記録の通り、同筆。ただし筆の主は、順路の内には見当たらない。


二、所見

以上より、当職は次の所見に至る。漏洩は、記録される経路の上では起きていない。記録の外で起きている。

文書は、回覧の順路だけを通るのではない。文書は運ばれる。荷と共に、馬と共に、人と共に。

経路は回覧に非ず。物流と共に在り。即ち

(原本、此処にて絶ゆ)

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