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騎士団長の誰かが、魔王軍  作者: 自ら


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第七日文書:供述調書

捕虜供述調書(抄) 受領:第七日 五刻 宛:監察官 エリアス・ヴェント殿 発:第九騎士団(尋問記録) 閲:第九騎士団長 モロー

供述者。魔王軍伝令(下士官相当)。第四日、第二騎士団の騎兵斥候により捕捉された者。押収文書(既に訳文回付済み)の運搬者本人である。


一、任務について

「自分は前線諸隊への配布役だった。檄文の束を持ち、隊から隊へ回る。読み書きは達者ではない。運ぶだけだ」


二、王国側の情報について

「王国の動きは、読まれていると感じていた。自分が運ぶ通達に、王国の補給路の変更が載る。翌の週には、巡回の経路がそれに合わせて変わる。前線の兵は『上には良い耳がある』と言っていた。耳の正体は知らない。知る立場にない」


三、魔王国の内情について

「疲れている。それは隠せない。糧の割当は二年で三度減った。氏族の間の話は又聞きだが、老いた氏族は和を言い、若い氏族は勝ちを言う、と聞く。どちらが上かは、時季で変わる」


四、口上について

「檄文とは別に、口上を託されていた。届け先の隊長に必ず伝えよ、と。文言はこうだ。『次の便を待つな。窓が閉じる前に送れ』。窓が何かは知らない。ただ、上は急いでいた。それだけは分かる」

尋問官所見。供述は伝聞を含むが、押収文書の内容および既知の敵情と矛盾しない。二、四の供述は運搬者としての直接知覚に基づくものと認める。

以上

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