「デデーオー」+「イタズラ」
まさかの場所で、大富豪の三男を発見。
チャーリーのお手柄だが、なぜ三男が留置所にいるのか?
すぐに調べるデデーオー。
「端的に言うと、『食い逃げ』だね」
そっちの事件が発生したのは、さかのぼること八時間前。
路地裏の大衆食堂で、三男は食事をした。
で、完食した直後だ。
隣のテーブルにいた一人客が、いきなり席から立ち上がる。
そして、店の外に走り出したらしい。
三男は瞬時に思った。これは『食い逃げ』だぞ、と。
で、自分も便乗する。すぐさま席を立つと、店の外に走り出したのだ。
勝算はあった。
三男はこの時、役作りのため、警察官のコスプレをしていたのだ。
だから、警察官が『食い逃げ犯』を追いかけている、そんな感じに見えるはず。
「三男にとって不幸だったのは、店員の足が速かったことだね。すごいよ、大学の陸上記録保持者で、次のオリンピックでメダルが狙えるレベル」
その店員に三男はつかまり、本物の警察官を呼ばれて、留置所にぶち込まれたらしい。警察官のコスプレ衣装は没収だ。
「自業自得だな」
ベイカーが呆れている。
なお、先に逃げた『食い逃げ犯』の方は、まんまと逃走に成功。
「そいつもメダル候補だったら、この国の未来は明るいな♪」
チャーリーがにやにやしている。
「まったくだ」
アーノルドはそこで話題を変える。
「ところでチャーリー、質問だ。正直に答えてくれ。何をするつもりで、留置所に行ったんだ?」
「いい質問だな」
はっきり言うと、ひまつぶし。
二つのアイデアがあって、どっちにしようか迷っていたという。
「『助けに来たぞ!』とか言って、檻の鍵を開けるふりをする。中の連中は期待するが、こっちは鍵を開けずに、心の中でにやにやする」
「へー、楽しそう。僕も今度やってみようかな(チャーリーのお面をかぶってだけど)」
ベイカーがため息をつきながら、
「もう一つのアイデアは?」
「そっちもいいぞ。留置所に『ねずみ花火』を差し入れする。もちろん、火を点けた状態で」
明るい笑顔で語るチャーリー。
「絶対にやるなよ。この警察署の評判が悪くなる」
「ベイカー、そこを逆に考えるんだ。留置所にぶち込まれるような連中だぞ。豪華なおもてなし・気配りの行き届いたサービス、そんなことで評判になったら、ホテル代わりに使う奴らが出るだろ。毎日が満員御礼だ。そうならないように、このチャーリー、マイナスのサービスをがんばっている♪」
で、二つのイタズラの内、「ねずみ花火」の方に決めたらしい。
チャーリーは留置所に着くとすぐさま、「ねずみ花火」に火を点けた。
こんなこともあろうかと、前に『道化師王』の店で買っておいた特別製だ。そんじょそこらの「ねずみ花火」とは、パワーと持続力が違う。
それを檻の中に投げ入れようとして、三男がいるのを発見した。
「じゃあ、『ねずみ花火』は投げ入れなかったの?」
「それは別腹」
投げ入れたようだ。
そのあとの光景を想像するアーノルド。
ふうと息を吐くと、
「これから三男の『取り調べ』をするが、チャーリーは同席させない方がいいな。ベイカー、手伝ってくれ。デデーオーはチャーリーのおもりを頼む」




