まったり4 飯飯編
お食事
それは生きるための大切な行為であり、この世界の人々にとって楽しみの一つでもあった。
暖かく美味しいご飯。
ちょっとしたお話をしながら家族のだんらんを楽しむ。
そんな感じでとても大切な時間であった。
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
ただ今はそのだんらんと言うモノがなく、ただ黙々と食べているが。
言っておくがシオウやシェミ達人族がいるから、周りの獣人達が苛立ってこんな静まった空気になっている訳ではない。
元々トウカの家では黙食が普通であった。
食べている時はおしゃべりなどせず、食に専念する事。
と言った感じであり、ヒノエ達はそんなトウカ達の家訓を重んじて付き合っているだけに過ぎない。
「ガツガツガツガツガツガツガツッ!ごくん!ガツガツガツガツガツガツガツガツッ!ごくん!ん!・・・ガツガツガツガツガツガツッ!ごくん!ガツガツガツガツッ!」
『シオウお水飲みなさいね』
「ぅ・・・ゴクゴクゴクゴクッ、ぷはぁっ!ガツガツガツガツガツガツッ!」
まぁそんな空気の中シオウは気にすることなく、食べたいものを食べたいように食べたいだけ食べていた。
口に詰め込めるだけ詰め込み口を高速に動かし、遠慮することなく音を立てて飲み込む。
更に柔らかハンドで人をダメにするクッションらしきものを作り上げ、その上に座りながら食べているのだ。
お代わりを所望する時なども、クーお姉さんが柔らかハンドを操ってすぐ隣に置かれている窯からお米をよそっている。
おしゃべりなど一切していないので黙食ではあるのだが、なんかこれは違うだろと思う。
「「「「・・・・・・・・・・・」」」」
当然そんなシオウの行いに面白くない視線を向ける者がいる。
厳格を売りにしているトウカの父だ。(己が厳格だと本人だけが思っています)
今にも兎さんが不満だと言うように、床をダンダンッ!と踏み鳴らしそうだ。
「ぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんぶんっ」
「・・・・ちら・・・・ちらちら」
「じ~~~~~~」
ちなみに柔らかハンドの上でポニョポニョしながら食べているシオウを見て、子供ノア達が興味を惹かれない訳もなく、ノアもシェミもトウカもそわそわしながら柔らかハンドに視線を向けていた。
ある者は大きな尻尾をブンブンと振り、ある者はせわしなく長い耳を動かし、ある者は食事をしているが視線を向け続けている。
これは食べ終わったらすぐにでも突撃しそうな勢いだ。
「ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ「おい、きさ」ふぃ~。ごっとさん」
一言言ってやろうとしたブラウンは立ち上がりかけるも、その前にシオウの食事は終わってしまった。
更にお食事が終わったら次はまったりモードに入ってしまい、全身の力を抜きながら、外の世界から隔絶するように、柔らかハンドで全身を包みこみ、ぐで~と横になる。
周りが何か言いたげな視線を向けてくるが、いつもの事ながらシオウは気にすることはなかった。
「ご馳走様でした」
「とても美味しかったです」
「それはようございました」
そうしている間に特に気にすることなく、いや、気にしていても食事を続けていたお母様方は食事を終える。
「ノア。お食事の手が止まっていますよ。遊びたいなら早くお食事をすませてしまいなさい」
「妾はご飯じゃなくてお菓子が・・・・・なんでもないのじゃ」
「シェミもシオウ君と遊びたいなら早く食べちゃおうね。じゃないとお母さんだけでシオウ君と遊んじゃうから」
「!? ぱくぱくぱくっ!」
「トウカちゃんはゆっくり食べましょうね。急がなくていいのよ」
「・・ちゃんは止めてよ。まま」
そして己の可愛い娘達(一名男の子)の世話を焼くのだった。
ブラウンはそんな和やかな空気を察して、ただ黙して食べ始め、シオウはただごろりと横になり、横目でその光景を眺めていた。
羨ましいという気持ちは・・・何故だろう。あまり浮かんでくることはなかった。




