かくれんぼう
薄暗くて狭い。
そんな所にシオウと兎人族の男の子は隠れている。
少し前まではお城の中で遊びたい放題、やりたい放題していたと言うのに、今は薄暗い蔵の、その蔵の中に置かれている大きな籠の中に入り込み、息を潜めていた。
「・・・ママとパパとおしゃべりしたい」
「し~、見つかっちゃうだろ。おばか」
「シオウさ~ん! でてきなさ~い! ちゃんと出てきてごめんなさいしなさ~~~いっ!!」
「・・・・・・・・・・・」
なぜこんなところで隠れているのか、その理由はシェミ達一行が現れたからだ。
いや、厳密に言うとちょっと怒った感じのヒノエが現れたから隠れているのだ。
シェミ達一家が見つかったのは嬉しい。
ノア達一家も無事だったから嬉しい。
嬉しいけれど・・・・なぜか怒っているから怒られたくなくて隠れているのだ。
「・・・いい加減観念する」
「やだよ。怒られるもん」
「・・・びびってる」
「・・・うるさい」
最近遠慮が無くなってきている兎人族の男の子。
初めの頃はこんな風に言ってこなかったのになぁ・・・・・なんかムカつく。
「・・・てい」
「むいっ!?・・・・冷たい」
なのでシオウは柔らかハンドの水を兎人族の男の子の顔に向けてかけた。
まあかけたといっても数滴程度だが。
「・・・・冷たいのしないで」
「・・・・・ふい」
「むい~・・・・・けし」
「うっ!? 蹴らないでよ! このっ!」
「むいっ!? 冷たいのしないでよ! けしっ!」
「うっ!? このっ!」
「むいっ!? けしっ!」
「このっ!」
「けしっ!」
「このっ!」
「けしっ!」
そうしたちょっとしたきっかけで、二人は喧嘩を始めた。
勿論マジの喧嘩をしてしまえば一瞬でシオウが勝利するだろうが、今回はどっちが先に音を上げるかと言う感じの喧嘩になっているので、互いに怪我をする事はないだろう。
「このこのこのこのっ!!」
「けしけしけしけしっ!!」
「いったい貴方達は何をやっているのですか?」
「「!?・・・あっ」」
そしてそれだけ騒げばシオウ達を探していたヒノエや兵士達が気付かない訳もなく、最終的には二人共ヒノエに捕まるのだった。




