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『私は美しいのだから仕方ないじゃないか』とかっこつけるぼんくら王子と姉をこんやくはきさせたいわたし。  作者: 六


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ニナのモノローグ的な回なのでちょっと短かめです。

「もお〜!!十二さいのリオンてあんっなに可愛いかったんだ!?

 なんでまえのわたしは、あの可愛いさに気づかなかったの?!ばかばか!

 カッコイイひとは小さいころは可愛いんだって世界のしんりなのに!」

 自室に戻されたニナは、フッカフカのベッドにごろごろ転がりながら、前世での婚約者であるリオンの十三歳時の可愛さに悶えていた。


「あ、のんきにもだえてる場合じゃないわ」


 ベッドから滑り降り肘掛け椅子に移動して、座面によじ登るとニナは腕を組んで考えた。

 サーシャがクリフォードとの婚約に、難色を示してくれた。

 大変良いことだと思う。

 だが。

 一度目の時サーシャが園遊会で婚約破棄をされたなんて、ニナは聞いたことがなかった。

 自分がたった四歳の時の出来事だとしても、世間を騒がせただろう話は、何年たとうが『親切な』知人の口から伝わるものだから、隠されていたと言うことはあり得ない。

 

「て、ことはかこが変わってる……?」


 そんなことあるのだろうか?

 とは言え、現に自分が一度目の記憶を持って、ふたたび四歳のニナ・フォワードとしてこの場に在る以上、『ない』とは言い切れない。

 

「でも良いことではあるわよね……?」

 一度目の時は、クリフォードに対して家族全員が婿にふさわしくないと考えてはいたものの、当のサーシャが『当主の仕事にしゃしゃり出てくるほうの無能ではないから』『変に優秀な他人に私の愛するフォワード領を、変に弄くられたりしたくない』と、頑なにクリフォードとの婚約を解消しなかった。


「せっかくセンがお姉さまに求婚してくれたのに」


 クリフォードの側近をしていたセン・マイルズは彼の側近を辞めさせられた時(一度目でもクリフォードは自分の優秀な側近三人を解任するという大ポカをやらかした)、『もう義理立てする必要はないから』と、フォワード邸を訪れサーシャに求婚した。


 その時サーシャが彼と交わした会話や態度から、センのことを好いているような雰囲気だった。

 ニナは意地悪ばかりする大嫌いなクリフォードより、自分に目線を合わせ『お姉さんとお話しをさせて貰ってもいいか』と聞いてくれたセンのほうが(初対面だったけど)好きだった。


 だけどサーシャは、センの求婚を断った。

『貴方には私よりもっと相応しい相手がいる』と。

 サーシャの言葉に唇を引き結んだセンは、未練を口に出したりすることなく、頭を軽く下げフォワード邸から辞した。


 幼児だったニナから見ても、サーシャは無理をしているようにしか見えなかった。

 しかしサーシャはその場にいた者全てに、センからの求婚の話をけして口外しないよう言いつけた。

 だからセンがサーシャに求婚していたことは、両親は知らない(リオンもだ)。


 あそこでセンの求婚を受けていれば、サーシャはもっと楽に生きられたんじゃないかと思うし、ニナもクリフォードに殺されなくて、すんだのじゃないかとも思わずにはいられない。


 だけど一度目とは違い、今日サーシャはクリフォードを結婚前に見限った。

 クリフォードがフォワード家に婿として迎えられないのなら、両親も流行り病で亡くなる確率も低くなるはずだ。

 ─なぜならあのぼんくらから感染した流行り病で、二人は命を落としたのだから。


「もし本当に過去が変わっていたとしても、今のところ良い未来にしか向かってないようだし、あまり気にしなくてもいい……のかしら」

 ニナは腕組みして考えようとした。


 が。


 目を擦りどうにか思考を続けようと頑張るが、悲しいことに四歳児の身体は眠気に勝てず、ぐらぐらと傾き肘掛け椅子の背もたれに寄りかかると、すうすうと寝息を立て始めた。

明日も20:00〜に投稿します。

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