大規模襲撃の影響
今日起こった事案に対して一般市民にも被害が出たため、警察が事情聴取に来ることになった。何しろ敵は小火器だけでなく、簡易的な飛び道具も持っていたからだ。うちの事業所に命中しなかった一発は民家に命中し、死者は出なかったものの火事を起こしてかなりの損傷を負っていた。そんな中、俺は戦闘における消耗品リストを作成していた。パソコンデスクにはコーヒーカップが置かれていた。桃香が労いの気持ちを込めてインスタントコーヒーを用意してくれたのだ。長時間の銭湯で疲れていた俺にとってはかなりありがたかった。それを飲みながら表にまとめた結果、全体で使った弾薬は5.56mm NATO弾380発4.6mm弾80発9mm弾180発というもので、施設に備蓄していたものの七割を使い切っていた。さらに虹香と佐和子は二つづつ、閃光手榴弾を使っていた。表計算ソフトに弾薬の使用量を打ち込んでいって補充するための金額を算出した。その結果、完全に補完するのに必要な経費は五十万円ほどだと算出されていた。その話を険しい表情で小林と斎藤に説明すると、二人とも安堵の表情を浮かべて深く息を吐いた。「なんでそんなに笑えるんですか!大事ですよ」俺はそういって堪忍袋の緒が切れそうになったが、俺の言葉に対して小林が逆質問をしてきた。「お金を出し渋って利用者や支援者に被害が出てもいいと言っているの?それに比べたら、多額の出費なんて些細な問題じゃないかしら?」改めて、表を確認すると拳銃弾は五百発以上の余りがあったが、ライフルとPDWの弾薬はほぼ使い切っていた。
そんな会話を繰り広げながらも、警察が到着するのを待った。理由は激戦の中でなんとか近接戦闘術を用いて拘束に成功した数人は迫撃弾を市街地で使用した、器物破損の罪で刑事裁判にかけられるからだ。その間、輪番制で彼らを監視する事になった。虹香と鈴木の番から交代するべく俺と佐和子は待機部屋へと向かった。引き継ぎを終えると、犯人たちは俺が車椅子ユーザーだと知るや否やこちらに対して罵声を浴びせ始めた。
お読みいただきありがとうございました。もし面白ければいいねや、ポイント、ブックマーク登録をお願いします。感想をいただけると筆者の励みになります。
次回の投稿予定は8月20日です。




