攻撃の影響
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その翌日、管理者の小林から通達があった。その内容は外出レクの無期限休止というものだった。スタッフや、身内の表情からそのことを察したのか、楽しみの一つがなくなったことで、利用者たちの表情は沈んでいた。俺が勉強を教えていた西本くんもその一人だった。外出の件が彼に伝わってから、何かが取り憑いたかのように勉強に取り組んでいた。側から見るとやる気スイッチが入ったようだったが、俺にはただ、問題を解く達成感で不自由な生活を紛らわせているようにしか見えなかった。休憩する時間を惜しみ出してでも彼が勉強を続けようとしたため、同じ境遇を持つ人としてやんわりと指導した。すると彼は反論した。「僕は社会を変えたいんだ!今は守られてばかりの状態だけど、障害の有無に関わらず、評価される土台はまだ残っている。それがまだあるうちに成果を出して分断を修復したいんだ」その言葉にはかなりの焦りと決意が詰まっていると俺には感じた。青少年の理想論ではあったが、それを聞いた俺はこれまでに培った経験と知識を、心血を注いで授けようと決意させるほどの迫力があった。「わかった。俺にできる限りのことは手伝おう。ただ、体調管理も重要なことだ。メリハリをつけて頑張っていこう」「うん、やっと本音を誰かに打ち明けることが出来た。理解してくれてありがとう。」そう感謝を述べる彼の目には涙が映っていた。彼が車椅子に乗って勉強をしている間はできるだけそばに付くように心がけた。「先生、改めて約束して欲しいお願いがあります。先生がいる時だけでいいから、僕に勉強を教えてください。」「分かった。約束はできないけどできる限り付き合ってあげよう。」俺はそう答えた。
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次回の投稿予定は6月18日です。




