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文学少年の恋物語 〜令和版源氏物語〜  作者: AYASAM
1年生2学期
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96/117

夏の自由研究 万和人編パート6 支えられて

 9月17日の土曜日。午後。

俺はまた市立図書館に来ていた。


席に座って課題の問題集を開いてはみるものの、手はあまり進んでいない。

数問解いて、少し考えて、また止まる。

……思ったより、難しいな。


やり方を決めて、環境も整えた。

学習を改善しつつあるけれど、すぐに結果が出るわけじゃないらしい。


ふっと小さく息を吐いたところで、


「マナトさん」


聞き慣れた声がして、顔を上げる。ミサキちゃんがカバンを持ってこちらに近づいてくる。

俺は笑顔で軽く手を上げる。


「やあ、ミサキちゃん。こんにちは」

「こんちには」


彼女は柔らかく微笑んだ。


「自由研究は進んでますか?」

「うん。それなりに」


曖昧に答えると、ミサキちゃんは俺の手元のノートをちらりと見た。


「前よりちゃんと整理されてますね」

「そう?」

「はい。何をやっているのか、すごく分かりやすいです」


そう言って、にこっと笑う。

日代さんのノート術はかなり有用だ。


「研究仲間から教わった手法なんだけど」


少しだけ言葉を選んでから続ける。


「なんか他の二人がしっかりしすぎてて、俺がちゃんと役に立ててるのかときどき不安になるんだよね」


深刻さを感じさせないような口調を心がける。

すると、ミサキちゃんは一拍間を置き、静かに口を開いた。


「私から見たら、マナトさんはちゃんと取り組んでるように見えますけど……違うんですか?」


ミサキちゃんが、少しだけ首を傾げながら聞いてくる。


「いや、やってはいるよ……」


苦笑しながら答える。


「あの、研究って役割分担とかありますよね?」

「うん。調べる内容は分けてる」


俺が答えると、ミサキちゃんは納得したように小さく頷いた。


「なら、無理に比べなくてもいいんじゃないですか?」


やわらかい口調で言う。その言葉に、ふっと肩の力が抜けた。

そうだった。あくまで研究仲間で、競争しているわけではない。

ミサキちゃんは、そのまま続ける。


「悩みながらでも、ちゃんと続けてますし」


言われてみれば、確かにやめてはいない。

むしろ前よりは、ちゃんと向き合えている気もする。


「今のままで大丈夫だと思います」


そう励まされ、心が温まるのを感じた。


「ありがとう」


短く礼を言うと、ミサキちゃんは微笑んだ。


「研究成果、楽しみにしてますね」

「任せて」


そう意気込み、ふっと笑みを見せる。

そして、視線をノートに戻す。


さっきよりも、思考がはっきりしている。

とりあえず、もう一問。

俺はペンを持ち直して、問題に向き合った。

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