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文学少年の恋物語 〜令和版源氏物語〜  作者: AYASAM
1年生2学期
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自分磨き その0 事前調査

 9月10日土曜日の夜、自室のデスクに座り、ノートパソコンを開く。調べ物の時間だ。


先日中虫壁さんから相談を受け、ひとまず自信をつけるためのアドバイスをした。

しかし、意中の人に堂々と告白できる状態になるには、自己肯定感を上げる他にもいろいろと改善していかなくてはならないだろう。


検索ブラウザを開き、AIチャットを起動する。少し考えてから文字を打ち込んだ。


「高校生の自分磨きについて、どんな要素があるか大きくジャンル分けしてください」


すぐに画面が動き、回答が表示される。外見、美容、健康、メンタル、コミュニケーション、生活習慣。いくつかの項目が並び、それぞれ簡単な説明が添えられていた。


画面を眺めながら、内容を整理していく。中虫壁さんに必要なものは何か。現実的に手をつけられるものはどれか。


まず外見や美容、そして健康。これは一番変化が分かりやすく出る分野だ。

服装や髪型、体型。食事と生活のリズム。これらは良くも悪くも結果が目に見えてしまう。

だからこそ、やり方を間違えてはならない。


次はやはりメンタルだろう。自信の持ち方や、緊張との付き合い方。彼女は不器用で、どこか卑下してしまうところがある。ここは時間がかかるだろうが、避けては通れない。


そしてもう一つは、コミュニケーション。会話の流れや距離感、相手への伝え方。告白以前に、人と自然に話す力が必要になる。予想では、これは一番時間がかからなさそうだ。


勉強も候補には入ったが、これは日常的に継続していくものだ。

そういえばちょうど考査が近いな。彼女を自由研究に巻き込んでみるのが良いだろうか。

いや、表立って研究に参加させる必要はないか。ノウハウだけ教えて、裏で試験対象になってもらうのが良いな。あとで彼女に情報を共有しておこう。


結論として、今すぐ取り組むべきなのは三つ。

①外見・美容/健康

②メンタル

③コミュニケーション


方針が決まったので、次に考えるのは協力者だ。俺一人で全部抱え込むのは無理があるからな。

特に外見・美容に関しては素人なので、第三者の目がなければズレる。


男子の知り合いを考えようとして、すぐに止めた。中虫壁さんには意中の人がいるんだった。

異性を絡めることで余計なノイズが入り込む余地は避けるべきだろう。


女子の知人を思い浮かべる。


最初に浮かんだのは、栄子だ。モデル並みの容姿で、ときどき部室でファッション雑誌を広げている。

体型改善については俺も中学で調べたので結構知識があるが、それ意外はまるでダメだ。外見プロデュースを任せるなら、彼女が適任と言えるのではないか。

次に、みどり先輩。生活力が高く、健康や食事、生活習慣の面で大いに頼れそうだ。普通、上級生に頼みごとをするとなると億劫だが、先輩は器が大きいので臆することはない。

最後に春百。陽気な性格で、感性が鋭い。メンタルやコミュニケーションの面では力になってくれそうだ。彼女なら気軽に紹介できるな。


いずれ全員に関わってもらう可能性が高いだろう。ならば、優先順位は慎重に考えなくてはならない。

まずは……外見か。場合によっては結果が出るまでに相当時間がかかるかもしれない。

メンタルもそこそこ時間を要しそう気はするが、外見の方が重要度は高いか。


そう考えると、①外見、②メンタル、③コミュニケーションの順だろう。

まず紹介するのは栄子からだ。彼女をなんとか説得し、外見プロデュースを頼み込む。外見磨きが軌道に乗れば、きっと自信もつくだろうし、モチベーションを上げながら次のステップに進んでいけるだろう。


来週は考査一週間前なので、放課後に声を掛けるのは野暮だろう。顔合わせするなら昼休みだな。

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