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文学少年の恋物語 〜令和版源氏物語〜  作者: AYASAM
1年生1学期
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35/117

前期中間考査 最終日

やっと期末テスト編が終わりです。さあ、どうなるか。

 実技教科のみの四日目が終わり、今日はついにテスト最終日だ。今日頑張ればやっと解放される。家に帰ったらラノベとミステリーを読みまくれる!

残るは英語表現・コミュニケーション英語、音楽、数学Iの三教科。さあ、頑張ろう!


キンコンと始まりの鐘が鳴る。教室は静まり返っている。


「それでは、回答用紙を配ります」


最初は英語表現だ。

この一週間一番時間をかけて勉強した教科。

範囲内の単語・文法を全て頭に詰め込んできた。

テストは初見だが、レベル的には同等の問題が出ると、英語の先生は言っていた。

はてさて、あの発言の真偽はいかに。


「それでは初めてください」


試験官の先生の合図とともに問題を開いた。


===

第1問 次の文章を読み、以下の問い(A・B)に答えよ。

While I was growing up in the small town,Atadoi,I always thought of my neighbor,Mr.Poul,as a strange and somewhat frightening old man. He was always yelling at…

===


文章題が最初に二問あり、文法、語彙の問題は最後の方に何問かあった。

範囲内とはいえ、結構難易度は高めだと思う。対策無しなら赤点間違いなしだったな。


===

第4問 [ ]内の動詞を活用させて、次の文を完成させよ。

(1)I ( ) for him for an hour when he came here.[wait] 

 彼がここに来たとき、私は一時間彼を待っていた。

~~~


えっと、まず現在進行形で、be waiting でしょ。次に現在完了で have been waiting か。

「待っていた」ならhad been waiting だな。よし、完璧だ。


その後も俺は一問一問慎重に回答した。


文章題はかなりできたが、語彙の問題で覚えていない問題が何問か出たので、相棒のシャイニング・アンサーを使う羽目になった。


「はい、そこまで。ペンを置いてください」


終わりの合図がなされ、回答用紙が回収される。

対策をしていたので、大体の問題は解くことができた。

次のコミュニケーション英語もこの調子でいこう。


***

「それでは、解答用紙を配布します」


 次は音楽だ。この教科に関しては問題ないだろう。

音楽家の家系だから、何をせずとも音楽の知識が入っている。

よって勉強せずともいい点数が取れる自信があるのだ。


「はい、始めてください」


先生の指示で回答を始めた。


かなり小さい頃からピアノを習っている俺は、楽譜は読めて当然だ。

一時期音ゲーにハマってはいたこともあるので、リズム感も相当鍛えられているはず。


楽譜を見て曲名を答える問題があったが、クラシックの有名どころばかりで、何の気無しに即答した。

頭の中でメロディーを思い浮かべるまでもなかった。


次に、楽器の名前や記号の名前が出題されたが、余裕で瞬殺した。

素人にとっては難しい問題も、俺にとっては朝飯前だ。


 数十分後。

全ての問題を解き終わり、見直しをした。

時間が余ったので、たわいないことを考えていた。


俺はピアノのほかにもいろいろ演奏できる楽器がある。


小学校の時、マーチングバンドがあり、俺はパーカッション、つまりはリズム隊に興味を持った。

バスドラム、スネアドラム、マルチタム、グロッケン、シロフォン、シンバル……。

様々な楽器があり、どれにするか迷った。

いろいろ触ってみて、散々悩んだ結果、スネアドラムを叩くことにした。


マーチングバンドで演奏した曲はマーチ、つまりは行進曲がメインなので、あまり複雑なリズムは登場しないわけないだが、パーカッションの花形とも言えるスネアドラムを演奏したことで、リズム感は相当身についたと思う。


なので俺はパーカスの楽器はたいてい演奏できるのだ。ギターやドラムは触る機会がこれまでなかったので、演奏はできないが、やろうと思えば素人よりかは何倍も早く習得できると思う。いずれ機会があれば挑戦したい。


そして、打楽器以外で何か演奏できるかというと、フルート、トロンボーンの二つが演奏できる。

どうしてこれらの楽器ができるかというと、父に教わったからだ。


サックス、フルート、トランペット、バイオリン、ギター……というように、父はほぼ全ての楽器に手を付けていて、今具体的に列挙したものなら、父はどれも一人前に演奏できる。


父がジャズバンドで主に演奏するのは木管楽器で、メインはアルトサックスなのだが、曲によっては他の楽器を掛け持ちすることがあるので、複数楽器ができるからといってそれほど驚くことではない。

とはいへ、すべてのジャンルの楽器を演奏できるというのは業界の中でもかなり稀なので、すごい人なのだと思う。


キンコン。もう終了時間か。


「そこまで。ペンを置いてください」


いろいろ思い出しているうちに、テスト中であることを忘れていた。

用紙を回収して席に戻る時、皆の様子を伺うと、その多くが苦い顔をしていた。

音楽の経験がない人達には少し難易度高めの問題だったなと、心の中で優越感に浸った。



***

 次の数学Iが終われば、テストも全部終了だ。

俺はテスト範囲にある公式のまとめを今一度俯瞰し、しっかり脳裏に焼き付けて、カバンにしまった。

問題用紙と解答用紙が配られる。


「そんじゃ、始め!」


先生の合図とともに、みんなが一斉に紙をめくった。

とりあえず全部の問題をサッと見てから、最初の問題に戻る。


===

1 (1)次の整式を[ ]内の文字について降べきの順に整理し、[ ]内の文字に着目した時の時数と定数項を答えよ。

===


うん、これは楽勝だ。……はい完答。


===

2 次の式を因数分解せよ。

===


まあ、いける。因数分解は結構やってきた。


===

3 2次関数y=-3x-2x+1の軸と頂点を求めよ。

===


おっと、だんだん難しくなってきた。まずは平方完成だな……。


 その後も、計算ミスをしないよう慎重かつ迅速に計算し、回答をした。

全て解答とはいかなかったけれど、対策した甲斐は存分にあった。

全体的に問題の難易度はそれほど高くなかったように感じた。


「はい、そこまで。一番後ろの人、その列の答案用紙を回収してください」


用紙を回収して、監督の先生に提出する。

一週間にわたるテストがついに終わりを迎え、開放感が押し寄せてきた。


ざわざわ、がやがや。


机に突っ伏しているもの。気持ちよさそうに背伸びをしているもの。

皆、テストを終えて安心しているようだ。

安心した表情のライトにテストの手応えを聞くと、


「ああ、結構解けたぜ。ざっと九割五分くらい」


と、笑顔で返答された。


「それはすごい」

「あとは計算ミスがないよう祈るだけだな」

「うん」


完璧に見直しはできなかったので、切実に祈るのみだ。


***

 そしてついに、放課後になった。テストから解放され、


「俺は部活あっから、じゃーな」

「うん、じゃーね」


ライトは今日から早速部活再開のようで、早足に教室から出て行った。それを見送ってから、俺は琴吹さんに話しかけた。


「今日は部活なしですよね?」

「はい」


来週からは心機一転して創作に励むことにしよう。


「じゃ、また」

「はい、さようなら」


一緒に帰ろうと誘ったが予定があると断られたので、俺は一人寂しく教室から出た。


 昇降口を出て、校門の方に向かう。

その途中、帰宅する生徒の中に知り合いの姿が見えた。


「おーい」


俺は駆け足で彼女の元に向かった。


「春百、今帰り?」

「そ」


春百は振り向いて、子どもっぽい口調で応えた。


「なら、一緒に帰ろう」

「うん」


考える暇もなく、彼女は快諾した。


「テスト、どうだった?」


期限の良さそうな春百に、早速テストの手応えを訊いてみる。

すると彼女はニヤリと口角を上げた。

その表所はテストがうまくいった喜びによるものか、テスト勉強から解放される喜びによるよものか。

前者の可能性が高いと見た。


「まあまあかな。でも、思ってたよりはだいぶ解けたよ。そっちは?」


「いい感じ。数学もばっちり」

「ほんと? 良かったー。教えた甲斐があったよ」


おかげさまで解くことができた。


「マジで助かった」

「どういたしまして」


春百は手を大きく振りかざして紳士にお辞儀する。


「それで、俺が教えた国語どうだったん? 書き下し文の問題とか、もろ予想したやつだったけど」


漢文で出題されそうな文章を何個かピックアップしていた。

見事予想が的中し、完璧な解答を作ることができた。


「うん、それなりには。半分は超えててほしいなー」


祈るように春百は応えた。


「最後のごつい記述問題は?」

「あれかー。……時間なくてあんまり考えれなかったけど、なんかそれっぽく書いといた」

「ほう。お前はたぶん空白だろうなと思ってたけど、そこはちゃんと埋めたんだな。偉いじゃん」


難易度の高い問いにもしっかり解答した姿勢に感心し、彼女を褒め称える。


「うん。和人が解き方を丁寧に教えてくれたおかげだね。ありがと」

「いえいえ。こちらこそありがとう」


これぞウィンウィンの関係。これからも続けていきたいものだ。


その後もテストや学校の話をしながら歩いた。

百春の家は何度か遊びに行ったことがある。よって俺は彼女を家まで送り届けた。



***

 夜、俺はベットの端に座りながら、一息ついた。

はー、本当に疲れた。全力を出せたので、後は結果を待つのみだ。


よし、今までお預けだったラノベやミステリー、読みまくるぞ!

俺は張り切って立ち上がり、本棚を漁り出した。


これからも頑張ります。どうぞよろしくお願いします。

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