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文学少年の恋物語 〜令和版源氏物語〜  作者: AYASAM
1年生1学期
17/51

体育祭前日(体育祭 その2)

体育祭前日はクラスみんながワクワクしていたのを覚えています。


 体育祭前日の放課後。


俺は琴吹さんと一緒に部室へ向かった。


「琴吹さんは何の競技に出るんですか?」

「えっと、徒競走、パン食い競争、二人三脚です」


琴吹さんと二人三脚のペアになった奴が本当に羨ましい。次回に期待だ。


「パン食い競争なんてのもあるんだね」


あまり詳しく見てなかったな。後で詳しく見てみよう。もしかしてまだチャンスがあるかもしれないしな。


「ほかにもたくさん競技があって、迷いました」

「そうみたいだね。この学校って体育祭にかなり力入れてるよね」

「そうですね」


そんなふうに話をしていたら、いつしか部室の前に着いていた。


「こんにちは」

「こんにちは」


先輩たちはすでに部室に来ていた。


「先輩は何の競技に出るんですか?」

「私はそうね……、二人三脚、障害物、〇×クイズリレーってところね」

「へー、クイズリレーなんていうのもあるんですね」

「ええ。単なる徒競走ではないから、私にも十分勝ち目があるわ」

「先輩はクイズは得意ですか?」

「まあ、得意分野よ」


博識っぽいなと思っていたが、イメージ通りだったわけだ。いつかクイズ勝負しましょうね。


「活躍できる場面が少ないから、クイズリレーは是非とも一位を取りたいところね」

「頑張ってください。応援してます」



今日の部活は特に何をするでもなく、先輩たちと駄弁り、話題が尽きてからは読書をし始めた。


それから数十分後。


「あ、もう良い時間ですね。じゃ今日はこのくらいにしましょうか」

「はい」


時計を見ると六時を回っていた。本読みにかなり集中していたな。

みんなが先に部室を出て、俺はその後に続いた。


「俺ちょっと職員室に用事あるんで、鍵返しますよ」

「あら、そうなの? じゃあお願いするわ」

「はい。さようなら」

「さようなら」




 野暮用を済ませた後、俺は職員室を出た。

もう周りは暗くなっていて、校舎にいる人はほんの僅かだ。

明日の体育祭に闘志を燃やして練習に励む声や、体育祭の前日だというのに休日の無い吹奏楽部の合奏は聞こえなかった。昇降口付近には動きやすそうな服装の生徒が数人いた。どこかの運動部が練習を終えたのだろう。


1Bの下駄箱に辿り着くと、そこには、日代さんがいた。

彼女はこちらの存在に気づき、ニコッと笑った。


「古暮君、今帰り?」

「うん、そうだけど……」 

「私も部活終わり」

「奇遇だね」


彼女はコミュ力が高く、クラスの皆に分け隔てなく話しかける人だ。ほんの数回しか話したことがなかったため、多少焦りながらも返答をした。


「明日から体育祭だね」

「うん」

「リレー頑張ろうね」

「うん。頑張ります」


俺が敬語になったのは気にせず、彼女はニコッと笑った。


「じゃあ、また明日!」

「また明日」


俺は彼女を見送った後、自転車置き場に向かった。



 夜。


俺はベットに寝転がりながら明日のことを考えた。


明日から体育祭だ。北高校の体育祭はどんな感じなのだろう。

どれくらい盛り上がるのだろうか。とても楽しみだな。

そうこう考えているうちに、俺は夢の中へと引き込まれて行った。



次は体育祭1日目です。

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