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文学少年の恋物語 〜令和版源氏物語〜  作者: AYASAM
1年生1学期
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16/117

閑話 文学少年のたわいない休日

日常回です。

 五月中旬。とある休日の朝。


目覚ましが鳴り、いつものように七時に起きた。

妹と朝食をサッと済ませて部屋に戻った。


まず一番最初に行うのはネットでラノベ新刊のチェックだ。そして次はミステリー小説新作のチェック。からの新作アニメのチェック。三段攻撃!


それが終わると家を出て、二十分ほどランニングをする。中学校からの名残で、朝ランは日課になっていた。家を出た少し先にある交差点を曲がり、商店街の方に走っていく。晴れていて、風が心地よかった。


家に帰って、再びネットを開き、俺の一番お気に入りである歌手『Kirara』の最新情報を集め始める。ツイッターやユーチューブの動画、彼女のブログなどを確認する。


よし、一通り調べ終えた。

ヘッドフォンを装着して、再生ボタンを押す。


<足元を見てばかりじゃなくて

ほら、空を見上げてごーらん♪>


感慨に浸って午前を過ごした。



 昼食は外食をすることにした。明里は午後から用事があるらしく、出かけていってしまった。

どこに行こうか少し悩んだが、結局マクドに行くことにした。

自転車を北東に走らせる。商店街を通り過ぎ、すぐにマクドについた。家から十分かかっていない。


窓際の席に座り、街の風景を見る。

今日の登場人物は、はしゃぐ子供にメッと叱る母親と、その傍で、ははっと笑う父親。

手を繋いで歩くラブラブなカップル。

足元のおぼつかない老人。


バリエーションに富んでいた。特に何も起きない日常風景だ。

適当なバーガーを二つとフライドポテト、ドリンクを平らげたあと、俺は立ち上がった。


ショッピング、娯楽、観光。この街には本当に何でもある。とはいえまだまだ発展途上だ。

都会は店の数も人の量もここより格段に多い。


マクドから南東に自転車を漕いで十数分。

大通りを超えて少し進んだところにある大型ショッピングモール『LUCUA(ルクア)』に到着した。

地下の駐輪場で自転車を止める。


ここは、地下一階から地上三階まであり、買い物、食事、娯楽と、すべてが勢揃いの万能建築物。一生暮らせそうな建物である。

家、マクドのやたら高い看板、LUCUAの位置を繋ぐと正三角形になるので、いつも方角の目印にしている。


俺はよくここ、LUCUAの本屋に来る。モールの二階の一角に位置するこの本屋は、とても広く、品揃えも豊富だ。

新刊のラノベや、ミステリー本が出ていないかを見るために、基本は週一で通っている。


入り口付近にレジがある。

そこから、児童文庫、ライトノベル……ミステリーや純文学という感じで、ジャンルごとに本が並べられている。

いつものごとく、キョロキョロしながら本屋の奥に進んでいく。


ラノベやミステリー以外にも面白そうな本があれば手にとって、あまり時間をかけずにぱっと見をする。

そこで、これ面白いな、もっと知りたいなというものがあったなら、俺は本の購入を惜しまない。

そのせいで俺の部屋の半分ほどは、本で占領されている。

電子書籍も活用してはいるが、ものによっては紙で持っておきたいものがあるため、常にスペースが圧迫されているのが最近の悩みと言える。



 数十分後。


ピッピッ。購入する本のバーコードを店員さんが読み取っている。


「3,030円になります」

「eマネーで。ポイントも使います」

「はい。いつもありがとうございます」


大学生の店員さんが笑顔でレシートを渡してくれる。週一で通っているので、顔は完全に覚えられている。


「こちらこそ」


俺は笑い返してそれを受け取り、店を後にした。


ラノベの新刊を三冊、ミステリーものをニ冊、計五冊買った。早く読みたくて、体がうずうずする。

購入した本をしまったマイバッグを籠に入れて、家へと自転車を走らせた。もちろん全速力で。


***


 ガチャッと玄関の扉を勢いよく開けて、帰宅。ダッシュでリビングへと向かう。


「ただいまー」

「お帰りなさい」


リビングに入ると、妹はソファーでお茶を飲みながらくつろいでいた。


「ラノベの新刊を買ってきたぞ。後で読むか?」

「はい」

「じゃあぱっぱと読むわ」


俺は自分の部屋にダッシュし、椅子に座った。そして、異世界へ冒険に出かけた。


〜〜〜〜〜〜〜〜


 目が覚めると、見慣れた草原が広がった。

大木の根元に横たわっていた俺は、さっと立ち上がって、人差し指と中指をそろえて上から下に振った。


ウィンと自動ドアが開くような効果音が聞こえ、ゲームのメニュー・ウィンドウが開いた。


【レベル】  55 

【職業】  冒険者 

      

【装備】

【武器】 聖剣デュランダル

     光剣クラレント

【防具】 純白のコート(魔法耐性、物理攻撃耐性)

     

【スキル】

ハンドレッド・ソード

ライトニング・ソード

バーニング・スラッシュ

ウィンド・クロス

ブースト(敏捷性/攻撃力 上昇)

リカバリー(小回復)

ルミナス(光量:大)



ここはMMORPG  『Sword Busters』の中の、『アードケス』という村の大草原だ。

ゲームログイン時に必ずこのアードケスの村の大草原から始まるので、大した驚きはない。


さっと周りを見て誰もいないことを確認し、左腰につけている白銀の鞘から、聖剣デュランダルを抜いた。


ギラリ


銀色の刃が太陽光を反射した。




 俺たちは牛魔王ギルファングに挑んでいた。

「ユウ、俺はもう動けねぇ……」

ケントが防御姿勢をとりながら、後ろに下がって言った。

「わかった、後ろで待ってろ!」

俺はケントにそう叫び、前に出た。牛魔王の体力ゲージはあとほんのわずかだ。かなり苦戦したが、あと少しで倒せそうだ。


「ユメ、とどめを!」


「うん、行くよ……スイッチ!」


シャキーン


ユメの一閃が牛魔王の脇腹を貫いた。


ドーーーン!


「っしゃー! やっと倒したぞ!」


「やりましたね!」


俺たちはついに、ギルファングを倒したと喜んだ。しかし……


「ん? おい、ちょっと待て!」


後ろで待機していたケントが声を上げた。


ヒュー、ピカーン


突然牛魔王の体が漆黒の波動に包まれ、ドスッドスッと鈍い音を立てながら、ゆっくりと立ち上がる。


「何! 体力はすべて削り取ったはずだが?」 

見ると、牛魔王の体力ゲージはモヤのようなものに覆われている。一体どうなっているのだ。


シュキーン


「あいつ、あんな武器もってたっけ?」

牛魔王はその手に、影の大斧(シャドー・アックス)を手にしていた。

 

ドン!


牛魔王が思い切り地面を蹴って、瞬時に間合いを詰めてきた。

「うそ? 移動速度が倍近くになってる。どうして!?」


「くそー、三人で勝てるわけないよ。こんなの」


「やばい、来るよ!」


ギィーン!


あり得ない程素早くて重い一撃を、俺は何とか防ぎきり、咄嗟に魔王から離れた。

くそ、このままじゃまずい。俺は体力が三分の一くらい、ユメは五分の一くらい、そしてユウはほぼゼロ状態だ。俺はまだ一撃は耐えられるかもしれないが、他の二人はおそらく耐えられないだろう。


もうこうなったら、俺が戦っているうちに二人に逃げてもらうしかないなーーそう思ったとき、


ピカーーーン、ドーーーン


一瞬周りが光に包まれ、周りが見えなくなった。



恐る恐る目を開けると、なんと牛魔王が倒れていた。


「な、何が起こったんだ……?」


俺たちが唖然としていると、覆面をした男が、何の気配も感じさせず、俺たちの近くに現れた。


「回復薬だ。使え」


そして、赤い液体が入った瓶をニ本、青い液体が入った瓶を一本、懐から取り出して、俺に投げて渡よこした。


「……危ないところを助けていただいて、ありがとうございます。あなたは?」


「名乗るほどのものではない。さらばだ」


彼は漆黒のマントを翻して、風のように去っていった。

何のオーラも感じない影のような人。彼は変異してしまった魔物を一瞬で葬ってしまった。

レベル60前後の者が四人でパーティーを組んでも倒せなかった、あの牛魔王をだ。


彼は一体誰なのか、それはわからない。ただ言えるのは、光魔法を使うことができる強者ということだけだ。


俺はケントとユメに回復薬を使い、消え入りゆく牛魔王の(しかばね)を眺めた。


「帰ろう」


「うん」


牛魔王の亡骸が消え入るのを見届けたあとで、俺たちは戦場を立ち去った。


 ーー続ーー


~~~~~~~~~~~


最後まで読んで、本を閉じた。

いやー、今回もいい出来だったな。特に、ボスとの戦闘シーンはもうだめかと思ったけど、まさか助けてもらうとはな。

ラノベの感想をレビューに書いておくことにしよう。評価はもちろん★5だ。



 一息吐いて時計を見ると、もうすでに七時になっていた。

妹にご飯だと言われたので、リビングに向かった。


「今日はハンバーグとサラダです」

「美味しそう。いただきます」

「はい。どうぞ召し上がれ」


夕飯を終えた後、自室へ戻った。

掛時計を見ると時刻は八時を回っていた。


俺はパソコンを開いて、ネットサーフィンを始めた。


最近のニュース、来週発売のゲームソフト、最新音楽ランキング……。


一時間ほど経つと眠気が襲ってきたので、着替えを済ませてベッドに入った。


よし、今度はあの曲をフルコンするぞ!

あれ、もうスタミナがない。ならばハートを消費しよう、ってハートもないのか!?

そうだ、昨日新年ガチャ回して爆死したんだった……。はぁ、一休みしよう。


コンプリートまでの道のりは長いです。これからもリズムゲームを頑張りたいと思います。

もちろん執筆も頑張りますよ。

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