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文学少年の恋物語 〜令和版源氏物語〜  作者: AYASAM
1年生2学期
PR
115/117

文学少年の推し活 その2

 10月18日。火曜日。

文化祭準備初日を終え、そそくさと帰宅する。

夕食を取り終え、自室に戻ってPCを開いた。

メールを確認すると、SNSの各URLとともに、KIRARAのライブイベント告知のメールが届いていた。

YouTubeの公式チャンネルのURLをクリックする。


画面上部左側にKIRARAの顔写真のサムネイルがあり、右側にはチャンネル名である[KIRARA公式チャンネル]が表示される。

下には『新着』『動画』『short』と各タブが並び、初期設定された動画が自動的に流れ始めた。

少し下にスクロールするとおすすめの項目が出てくる。どれも初見動画で、どうやらライブに関する内容のようだ。


俺はチャンネル名のすぐ下部にある概要欄を開いた。


===

YouTube チャンネル登録者数10万人


説明欄

Hello-Kira! It’s KIRARA.

My favorite things are singing, chatting, and talking about my hometown Aino City! ! !

I know everything about Aino City. I stream live once a month, so please come and watch it (^▽^)/

Please subscribe to this channel! I'm also on Instagram and X☆


[Congratulations] Original PV [AI♡KIRA☆ feat.KIRARA] has exceeded 2 million views! It's my first work and the one I'm most confident about.. Please listen to it☆☆


Hello-Kira! KIRARAです!

好きなことは歌うことと、おしゃべりすること。そして、地元:愛野市について語ること!!!

愛野市のことなら何でも知ってます。月1でライブ配信してるので見に来てください(^▽^)/


チャンネル登録よろしくお願いします! Xとインスタグラムもやってます☆


[告知]クリスマスライブやります。YouTube告知動画をチェック!

・クリスマスライブ 告知動画①

https://・・・

・クリスマスライブ 告知動画②

https://・・・


[祝報]オリジナルPV[AI♡KIRA☆(アイキラ) feat.KIRARA]が200万回再生を突破しました! 初作品で一番の自信作です。ぜひ聴いてね☆


204◯.01.01 ☆チャンネル開設☆

204◯.03.14 ☆チャンネル登録者10万人突破☆

===


概要欄に告知の情報が追加されていた。クリスマスライブに関する動画らしい。

クリスマスライブ告知動画①のURLをクリックすると、KIRARAのデビュー曲☆AI♡KIRA☆(☆アイ♡キラ☆)のサビとともに、ライブの詳細情報が表示される。

どれどれ、開催日はいつだろう。


===

開催日:12月25日(日)

会場:17時―

開始:18時

===


開催日は25日。ちょうどクリスマス当日だな。

うまいこと日にちを合わせられたようだ。さすがKIRARAの運営。

ライブのリハーサルを含めると、少なくとも2日。もしかすると3日くらいは押さえているかもしれない。

KIRARAの他にクリスマスライブをするアーティストがいなくてよかった。


有名なアーティストの場合ライブが複数の日に分かれて開催されることがあるが、KIRARAはまだ中堅といったところなのでそこまでではない。

もしもっとコミュニティが大きくなれば、複数日、24、25日とかでやる機会があるかもしれない。場所が同じとは限らないが。


そういえば去年はクリスマスライブはなく、24日にYouTubeでクリスマス配信があったな。

3時間弱の配信ライブで、歌枠と雑談枠が半分ずつあり、歌枠では豪華なセットでCGを活かしながらMVを再現していたっけ。

豪華な配信ライブだったが、今回は生ライブだ。

配信と違って編集で準備時間をカットできないので、多少テンポが悪くなるあるのは仕方ない。

同じ会場にいる臨場感を楽しむのだ。もちろんKIRARAの生声と衣装姿も必見だ。


さて、開催日はいいとして次は会場だ。どこでやるかは非常に重要だ。移動費はできるだけ少ない方がよいからな。

日帰りできない場合宿を取る必要があるので、尻込みしてしまうだろう。

ライブ映像を収録したデータを購入するといういつもの流れも検討する必要が出てくるかもしれない。


場所の予想としては、それほど遠くにはならないのではないだろうか。

KIRARAは地元である愛野市を中心に活動している。

傾向としてこれまでの正月、新春、サマーライブなどはお隣の愛華町や美海栄町の大きな会場で行われた。

どれもニ千人ほどが収容できる中規模の会場だ。リピート、もしくは似たような会場が選ばれる可能性は高いだろう。


個人的には我が故郷である愛野市愛野町でライブを開催してほしいところ。

愛野町シティホールであるとか、愛野町文化ホールとか。文化ホールはピアノの発表会で何度も行ったことがある。

この二か所が候補として挙がるだろう。


さて、結果合わせといこう。


===

会場:○○県愛野市愛野町文化ホール

住所:・・・

===


ななな、なんと! 愛野町キター! マジか、マジですか!

クリスマスにKIRARAに会える! すばらしい!


飛び上がって喜ぶ。いやー最高に嬉しい。

まさかお隣を差し置いて愛野町に来てくれるなんて思わなかった。

これは嬉しい。絶対に行く。意地でも行くぞ!


俺は歓喜しながら場所の詳細を見る。


愛野町文化ホールの大会場か。馴染みのある会場だ。

小中大と会場があるなか、最大2,000人が動員できる大会場今回選ばれたわけだ。

前回のサマーライブは美海栄町シティホールで3,000人規模のライブだったが、今回は少し縮小しているな。

まあ予算や時期とかいろいろ事情があるだろうから、全然おかしくはないな。


文化ホールの場所は家から北東の方角に5km程度行ったところにある。自転車で行ける距離だ。

Kiraraのライブとなればなんとかして親に移動費をせびるところだが、それがただとは儲けもの。

今回はなんとしてもチケットを手に入れる必要がある。


会場はわかった。今度はチケットの先行販売日だ。

ブラウザページをスクロールする。


~~~~~~~~~~~~~

チケット先行販売:10月25日ー10月31日

先行指定席\7,000


※会員ランクに応じて指定できる座席が変わります。


チケット一般販売:11月1日ー12月25日

一般指定席\8,000


※会員ランクにかかわらず座席指定できます。

~~~~~~~~~~~~~


事前のファンクラブでの告知通り、10月25日からチケット先攻販売が開始とのことだ。

先行指定席の方が1,000円安いのは、会員と一般客を差別化しているからだろう。

注意書きにあるように、先行販売の座席指定は会員ランクが高いほど良い席を指定できるようだ。

先行指定席の販売期間は1週間。あまり長くない。

これも早めに指定しないと良い席がすぐ埋まってしまいそうだ。


一人で行く……それか、他に誰か誘ってみるか。

ふと頭をよぎるのはナノハだ。九月のMioの引退ライブではお世話になった。

ならば、今回はお返しする番ではないか。

クリスマスだから、予定が入っているかもしれないが、誘ってみるか。

最悪当たらなくても、オンラインで見れるしな。


彼女を誘うなら早めの方がいいだろう。


先行予約の場合、応募できるチケットの枚数は基本1名。たまに、2枚がデフォルトで予約できる場合もあった気がするな。

今回はどうだろうか。予約ページも確認しよう。


ーーどうやら、今回は2枚がデフォルトのようだ。これはラッキーだ。


よし、その他の情報は……。


次々と他の情報を確認し、サイトやXをざっと見終える。ライブ情報はあらかた収集できただろう。

PCから目を離し、宙を見る。


今回のライブはどんなプログラムだろうか。コンサートと違いあらかじめプログラムは発表されることはない。

何の曲をやるかわからないが、それがライブの醍醐味だ。

KIRARAのバックには優秀なライブ運営がついているので、これまですべてのライブで素晴らしい成功を収めてきた。そのプロデュース能力は非常に高いと言える。

最初は知名度の高い曲で盛り上げていき、中盤ではトークやゲーム、宣伝などを挟みながら、観客が飽きることはない。

そして終盤は緩急をつけながら、マンネリ化しないようなラインナップでクライマックスとなる。


俺は過去のライブ映像DVDはすべて網羅しているので、ライブの流れは把握している。

しかしどの楽曲が組み込まれるかの予想はなかなか難しい。

まあ、一般的なライブのテンプレートや過去のライブ実績なんかを考慮すれば、ある程度の見当をつけることは可能だろう。

ライブのコンセプトに関連した楽曲は使用される可能性が非常に高いので、クリスマスに関連する楽曲が使われやすいというのは誰もが予想可能だろう。


試しにプログラムを予想してみることにする。まずライブの構成からだ。


前例を基にすると、KIRARAのライブは大抵2時間程度で、アンコールは1曲のみ。

半分が演奏タイム、半分がトーク&動画視聴タイムといった振り分けだろう。

初盤はMCを入れながら曲をやり、中盤トークタイムや動画を挟みつつ、後半は曲やパフォーマンスで盛り上げるといった感じだろうか。


トーク&タイムは前例を基にすると、他の歌手やインフルエンサーをゲストとして呼んで会話をすることが多い。

もちろん観客との絡みもあり、舞台に観客を招いて並んで歌ったり、クイズしたり、楽器を演奏したり、あとはSNSのアンケートで一般募集した企画をやったりした。

動画視聴タイムは他のアーティストの挨拶や紹介、KIRARAがSNSで流行りの企画をやってみるなどだ。また、地元である愛野市の食べ物や話題について解説することもある。


とまあいろいろな選択肢があるので、内容の予想は無理そうだ。これは深く考えず楽しみとして取っておこう。


次は曲の話だ。どれくらいやるだろうか。

平均楽曲時間は3.5分、曲間が0.5分と考えると、一曲当たり賞味4分なので、一時間で15曲演奏できることになる。

理論上はそうだが、頑張ってせいぜい12曲ぐらいじゃなかろうか。トークがメインの場合、もっと少ないかもしれない。

KIRARAが発表した楽曲はこれまで31曲だ。もしすべてオリジナル楽曲をやるとすると、3分の1程度の楽曲が聴けることになる。

だが、そんなにオリジナル楽曲は聴けないだろう。最近の傾向として、最近はやっている楽曲を何曲か取り入れるというものがある。

KIRARAはYouTuberとして活動しているので、様々なアーティストの曲をチェックしているはずだ。メジャーマイナーを問わずだ。

彼女は配信の歌枠で有名なJ-POP、ボカロ曲、洋楽とジャンルを問わず歌っている。英語も流暢にできるようで、カバーできる楽曲のジャンルはかなり広いだろう。

今までの生ライブでは人気アイドルの曲、流行ったアニメの曲、大バズリしたVtuberのテーマ曲など多くのジャンルの曲をカバーしている。

あまり古い曲や、カラオケ定番の曲はあまりやらず、2年以内に流行った曲をやる傾向が強い。最先端を取り入れるのが好きなのだろう。

おそらく2、3曲はカバー曲をやるのではなかろうか。具体的な楽曲を予想するのは少し難易度が高い。


カバー曲は置いておくとして、オリジナル曲は7、8曲はできることになるな。これは曲のテーマや季節感を考慮すると結構絞れる気がする。


定番の楽曲から考えよう。

KIRARAのライブを分析した結果、毎回使用されている曲が存在した。

代表曲である☆AI♡KIRA☆(☆アイ♡キラ☆)、そしてKiralaki・Kirapika・Kirarunrun(キララキ・キラピカ・キラルンルン!)の二曲だ。


まず、YouTube告知動画のBGMとして使用されていた☆AI♡KIRA☆(☆アイ♡キラ☆)は、KIRARAのデビュー曲であり最大のヒット曲だ。

この楽曲はKIRARAが活動を開始した処女作で、YouTubeにてMVが投稿された。

曲の内容は彼女の自己紹介や経歴を素直にそのまま歌詞に落とし込んだ曲だ。

映像や絵のクオリティはまあまあだが、ポップで明るい曲調が流行りの傾向を捉えており、彼女の性格や趣味嗜好などを言葉巧みに表現している点が好印象を抱かせた。

若者を中心にし、男女問わず人気のある楽曲だ。

予想としてはライブ中盤あたりで使用されるのではなかろうか。


次にKiralaki・Kirapika・Kirarunrun(キララキ・キラピカ・キラルンルン!)だが、これはこの楽曲はKIRARAの活動二年目、おととしの秋にリリースした、キリの良い15曲目の楽曲だ。KIRARAの挨拶やリアクション、名言をテーマとしている。

「Kiralaki」は嬉しい時、「Kirapika」は何かひらめいた時、「Kirarunrun」は期待に満ち溢れている時の口癖だ。

これらの他にも挨拶の際の「Hello-Kira(ハロ キラ)」など数々の言葉があるが、それらを総称したKIRARA語が歌詞にふんだんに使われ、非常に明るい曲となっている。

MVでフリフリの衣装を身に着けたKIRARAが目まぐるしく表情を変化させ、可愛い仕草の振り付けで踊っている。奇想天外な歌詞もそうだが、バリエーションに富んだボディーランゲージが非常に魅力的だ。YouTube short動画の再生回数が1か月で70万回と大バズリしており、雑多な切り抜き動画も登場したかなり話題になっていた。この曲は若年層、とりわけ小中学生からの人気が高く、一時期は道行く子供たちがKIRARAの真似をしている光景をちらほら見かけたほどだ。


この曲は予想として、最初に来るのではなかろうか。曲の冒頭が「みんなー、Hello-Kira!」と挨拶で始まるので、曲としてはもってこいだろう。

過去ライブでは何度も最初に来ているので、今回もそうなる可能性は高い。


定番の2曲はほぼ確定ではなかろうか。俺がライブのプロデューサーだったら間違いなくやるからな。


カバー3曲、定番2曲として、5曲。あとは6、7曲ぐらいだろう。


あ、そうだ。生ライブで新曲を発表する可能性が高いな。

KIRARAは毎年8曲、二か月に1、2曲のペースで楽曲を発表してきた。

そして各イベントの際は毎回新曲を発表している。

今年はまだ7曲しか発表していないが、例年通りいけば、11、12月のどちらかで一曲発表されるだろう。

今回はクリスマスライブがあるので、そこで新曲を発表する可能性は非常に高いだろう。

となると、1曲は新曲ということになる。


あとは5、6曲だろうか。クリスマスというテーマに沿った曲や、冬を連想させる曲が選ばれるだろう。

関連する楽曲を思い浮かべてみる。


KIRARA Santa Samba (キララ・サンタ・サンバ)

Mandarin + Kotatsu = Kirarunrun☆ (ミカン+こたつ=キラルンルン☆)

I scream "Please Ice cream!" (アイ・スクリーム・プリーズ・アイスクリーム!)


ざっと思い浮かぶのはこの3曲ぐらいだ。すべて冬に関連する曲なので、これらは組み込まれる可能性が非常に高いだろう。


というわけで、残りの数曲だ。これは予想が困難といえる。

冬関連テーマにした曲は先に挙げた3曲しかない。

その他となると、歌っても不自然ではないような無難な曲が採用される可能性が高い。

恋愛、応援、感謝、お遊びなど様々なテーマがある。


どれが選出されるかは予想不能だろう。個人的に聞きたい曲を挙げてみることにする。


一つ目はKirapika Sunny Girl (キラピカ・サニー・ガール)。

この曲は応援ソングで、悩める学生や会社員たちに慰労と応援の言葉をくれる歌だ。

MVでは特に映像に力を入れており、フリフリの衣装を着たKIRARAがチアリーダーを勤め、バックダンサーであるチアガールたちを率いて、公園や広場、観光スポットなど様々な場所で踊るのだ。

撮影はドローンをふんだんに使っており、立体的で解像度がかなり高い。

そして、歌詞もなかなかいい。日々勉強やら部活で消耗した精神をクリーンにキャッシュクリアしてくれるのだ。

字幕は日本語、英語は当然として、約20か国語の言語が用意されている。

映像といい字幕といい、かなりお金をかけた作品だ。

作詞、編曲、映像、そして字幕。俺的総合ランキングでは上位5位には入る曲だ。

とまあ、是非とも聴きたい曲だが、衣装の恰好的には夏関連なので、採用されるかどうかは怪しいところがある。これはサマーライブにやるのが一番ふさわしいか。


そして二つ目はKira Pick Apple Party (キラピカップル・パーティ)。

この曲ではAppleすなわちリンゴがテーマとなっている。

KIRARAの好きな食べ物は果物全般だが、とりわけ好きなものが三つある。イチゴ、プルーン、アップルである。

この三つで思い至ることーーそれは、KIRARA公式ファンクラブの会員ランクだろう。

お気に入り度とランクが連動しており、アップルが最上、プレーンが二番目、イチゴが三番目といった感じだ。

最初KIRARAがリンゴ好きというのを知ったときは、もはや運命を感じた。もしお話できる機会があれば、リンゴの魅力について語り合いたいものだ。

とまあ同じ食べ物が好きな同士として、ここはKira Pick Apple Party (キラピカップル・パーティ)が採用されることを強く希望したい。

しかし、アップルの他にも、プルーン、ストロベリー、メロン、マスカットなどと、果物の歌は他にも多い。

現にミカンの歌であるMandarin + Kotatsu = Kirarunrun☆ (ミカン+こたつ=キラルンルン☆)は先に考えたとおり、使われることが濃厚だ。

果物の歌は頑張っても2曲なので、アップルの歌が使われるかどうかは運営次第だろう。

アップルをコンセプトにした衣装姿を見たいところだが、神頼みしかない。


とまあ、こんなところだろうか。

プログラムの内容を予想してみたが、完璧に予想することはできなかった。

トーク&動画視聴タイムはお楽しみ。

曲に関しては半分ぐらいの楽曲は予想できたが、後の半分は不確定要素が多い。

カバー曲に関しては1曲も予想できなかった。今後11-12月の間で流行った曲が選ばれる可能性もあるわけで、無理な話だった。

ヒットチャートは一応確認してはいるが、ざっとしか見ていないので、あとでじっくり見てみることにする。KIRARAのピックアップしそうな曲をリスト化してみるか。


そろそろ眠くなってきた。今日はもう寝るか。

ラインでナノハにライブの誘い文だけ送っておくか。


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