26 おてんば娘『ハミングバードⅥ号機パイロット証言_ハートフォード療養施設にて』
『ハミングバードⅥ号機パイロット ルネ・マクレイン氏証言_ハートフォード療養施設にて』〔公開指定:MR-325〕
アネニス東部フーソー州、ハートフォード軍療養施設。
牧草地と果樹園に囲まれた、のどかな土地だ。施設の庭には手入れされた花壇があり、そこを見れば戦場を生き延びた兵士たちが静かに時を過ごす場所として理想的な環境にみえる。
だがこの施設は高い壁でその敷地を囲まれており、主要な幹線道路から外れ車で半日かかる距離にあった。
連絡先も一般に公開されておらず、私が彼との面会にこぎつけたのは先の軍用装備横流し事件の報道で知り合った議員の伝手を頼ることができたからである。
案内された部屋の窓際に彼は座っていた。支給品らしい白いシャツ。足を悪くしたと聞くが、丈夫な杖がそばに置かれており、血色は良く肩幅のある体格は健在だった。
それは映画でみたままの飄々として屈託のない姿のままであった。
それがルネ・マクレイン氏であった。
(私が贈ったおもちゃのハミングバードⅥ号機を手にしながら)
ははっ、これレアもんじゃないか。Ⅵ号機は金型が破損したせいで、後のロットじゃ俺の自慢の一本角が二本になってるんだよな。
(彼の髪に向ける私の視線に気づいて)
ああ、この髪と目の色かい? 生粋のリュミアンだとよく言われるがね、実際のところは曽祖父がリュミエから一旗上げようってアネニスにやってきた食い詰め野郎だっただけさ。
ハミングバード隊は一応西州全域から集まったって建前だからな、一番リュミエ顔だった俺が選ばれたってワケ。実際のところ俺が使えるリュミエ語なんて「キミ可愛いね」「俺と愛を交わそう」「さよなら」この三つだけさ。
(しばし西州を転身していた頃の現地女性とのロマンスを語る)
――――――ハミングバードはジャック隊長とフィオーラ副隊長の二人が開発したとされていますが、本当にマジョーレ社に伝わる零れ種を動力としていたのでしょうか?
フィオーラ姐さんのラクリマ・チェーリのことか? あれならレーチェ嬢ちゃんが14歳のときに譲り渡されてたぜ。さて、それじゃあハミングバードがどうやって動いてたかなんて難しいことは俺には分からんね。動力ユニットは触るな、開けるな、って言われてたんでね。バーのツケみたいなもんさ。あることは知ってたが無いものとして振る舞えば酒が飲める。それがマナーってもんだ。
まあ少なくともジャックの叔父貴とフィオーラ姐さんが開発したってこたねえよ。アネニスから来てた何ダースの技術者が弄くり回した結果さ。
だけど確かに叔父貴がいなきゃできなかったのはその通りだ。叔父貴は皆が絶対できっこないって言うと、肩をつかんで目を合わせてきて言うんだ『お前ならできる、やれ』って。そいつが本心から言ってることが分かるから、技術者だってスクラップからハミングバードを作り上げるのさ。
俺だってそうだ。叔父貴がお前を信じてるって言うからスクリューポップ飛行を物にした。そいつは隊で出来るのは俺以外にもう一人だけさ。
叔父貴にはそういうロックガレ(当時の密造酒)みたいな力があるんだ。そいつを喰らうと身体がガッって熱くなって、どんな不可能だって何てことないって思えちまうんだ。
フィオーラ姐さんはもっと酷かった。まかりなりにも航空機メーカーの跡取りを名乗ってたくせに、機械なんて尻を蹴飛ばしゃ言うことをきくもんだって思ってた人だからな。だけどこいつも不思議なことに姐さんの蹴りを喰らったらどんだけへたれたエンジンだってたちまち唸りだしたもんさ。
俺達だって何度蹴飛ばされたことか。ネーデルン連邦でヴァルデンのファルケー数十機に囲まれてガス欠になりかけたときなんて、さすがにもうだめだって諦めてたんだが、姐さんが俺の機体の尻に尾翼をぶつけてきたんだ。『さあラストダンスだよ』って。そしたら俺達はきゃんとひと鳴きさ。俺もエンジンもとび起きてファルケー共をザノバダンスで振り回して見事に脱出ってワケ。
――――――ライトニング作戦のことを聞かせてください
オーケー、話してやろう。あんたがこっから無事に抜け出して、一緒に自殺してもいいっていう新聞社が見つかるかは分からんが、まああの作戦よりかは可能性は高いだろう。
そもそもだ、あの巨大なアンタイオス――――まあグレンデルやスルトよりかはマシな大きさだったが――――そいつをハチドリで狩ろうってのは無理がある。
たしかに最初の頃は戦闘機から軍船から補給基地まで狩り放題だったけどな、ヴァルデンだって馬鹿じゃない。ハミングバードの稼働時間の短さって弱点はとっくにばれていた。最初は30分ちょい、電池の改良で1時間半まで伸びたが、それじゃあバーで女の子を口説いて後はおあずけだ。
おまけに鳥の巣(西州でのハミングバードの活動拠点となった船)が警戒されてたから目的地まで行くだけで時間を食う。戻ることを考えると、ひどいときは5分でおさらばしなきゃいけなかった。
ヴァルデンも時間稼ぎに徹するから後の方じゃ大した戦果は上げられてなかった。スクリューポップ飛行を街の上空で披露してファンサービスするくらいがせきのやまさ。
――――――ですがあなたたちはグレンデルを落としました。
おいおい、あんた本当にジャーナリストか? アルパス・プレッセの挿絵(当時エストリアの新聞に掲載された1号機の鉤爪がグレンデルを引き裂くイラスト)を信じてんのか? あいつを落としたのはバカでかいミサイルだ。俺達が務めたのは囮と目つぶしだ。
たしかに役目は果たした。ケーニッヒとマルトはそのために死んだ。ギリギリでスモークを炊いてケツを振って奴らを指定ポイントまで誘い込んだ。HVR-1を直撃させたのは二人の戦果だ。
だがな、あれはグレンデルが余裕こいてホームグラウンドから出てきたからだ。アンタイオスは違う。ヴァルデンに一年間閉じこもって天空宮に喰らいつくときを熊みたいに執念深くを待ち構えていた。
最初に命じられた作戦じゃ、そいつの上昇に合わせて俺達に突っ込めって話だった。そんなのうまくいきっこねえのは素人にだって分かる。スルトやファルケーⅡがうようよ待ち構えてる空にだぞ?
――――――実際の作戦ではアネニスと西州各国の支援がありました。
そうだ。イルミアがすっぱ抜いてヴァルデンの計画は知れ渡ってた。なのにどいつもこいつも国を負ってヴァルデンと戦う気概なんてもってなかった。
だから叔父貴は西州を回って阻止を訴えた。演説して、握手して、空を一周したらまた次の国へ。
そこで殺された。地上で。Ⅰ号機と一緒に爆破された。
(しばらく沈黙)
叔父貴が死ぬのは仕方ない。軍人で海賊を名乗ってたんだから。だけどな、それが地上でってのだけはだめだ。
ジャック叔父貴は空の男だ。不意を付くんでも集団で襲いかかるんでもいい。空で勝負を挑まれてその末に落とされるんなら叔父貴は笑って死ねる男だ。
なのにヴァルデンの奴らは最もしちゃいけねえやり方で空の男を汚したんだ!
――――――ジャック氏の死を悼み、西州全域とアネニスが一つにまとまりました。
……………………葬式でフィオーラ姐さんがな、軍のお偉いさんも政治家も外交官も全員捕まえて、問答無用でロックガレを飲ませたんだ。護衛なんてお構いないしにだ。
で、飲み干した奴から順番にケツを蹴っ飛ばす。将軍だろうが大臣だろうが関係ない。『いつまでしょぼくれてんだ』って。
『あの人はあんた達なら出来るって言ってたんだよ、アンタイオスを止めるんだよ、さあおやり!』って。
そしたらな、身体が熱くなってくるんだよ。気づいたら俺も含めて全員叫んで拳をあげていた。
ああ、これだ、って思った。叔父貴のロックガレを姐さんが引き継いでるんだって。
ヴァルデンをぶっ壊す。アンタイオスを撃墜する。全員がそういう気持ちになった。
それで作戦が始まったんだ。
ヴァルデンに天空宮がやってきた日。
大統領が最後通牒を突きつけた。拒絶された。オルスを掲げる教会屋が連名で勧告した。ヴァルノー本教会が雲が取り払われたのは神が門を開いた証だと突っぱねた。
ヴァルデンの軍の動きを見ればそう答えるのは分かりきっていたことだった。
HVR-2が国境沿いに展開する。アネニスと西州各国の戦闘機がヴァルデンに迫る。
エルベ平原の上空でファルケーⅡが迎撃に出てくる。無線から聞こえてくる怒鳴り声の報告と悲鳴、指揮官の短い指令と静寂。戦場は緊迫していた。
空が煙で覆われるようになったころ、俺たちハミングバード隊も加わった。C-3輸送機が垂らしたチェーンに牽引されながら。ブリキのⅥ号機のおまけについてた鉤爪ワイヤーにひっかける救難ボート、あれの逆をしたってわけだ。積み込んだ電池を全てヴァルデンの上空で使えるように。
戦闘空域で俺達は浮かび上がった。辺りのファルケーと高射砲が集中する中、ハミングバード隊お得意の星散航法で最初の防衛網を突破した。
視界の奥にアンタイオスが浮かび上がっているのが見えた。だが当然守りは一番固い。地上からは高射砲が、空にはヴァルデンの戦闘機がうようよと。そしてその上からはスルトが下の仲間に当たっても構わないとばかりに主砲をバンバンと撃ちまくっていた。
俺達は直上してスルトに向かった。ここでハミングバード隊最後のレインボースモークだ。フィオーラ姐さんが紫色と赤色を焚き上げてスルトの視界を奪った。
奴らはグレンデルで学習したから下手に動こうとはしなかった。代わりに見えないならとばかりに滅茶苦茶なめくら撃ちをしてきた。たまらず俺達は逃げ出し――――はできない。姐さんがスルトの真下から動かなかったから。HVRの新型は電波で誘導することができた。姐さんは目標ドンピシャでここに当てなって叫んでるワケだ。
当然砲撃の的になるから、俺達は久しぶりに鉤爪をぶん回して砲撃手を煽ったよ。おらこっちを狙ってみなって、相手の顔が覗けるくらいに近づいてな。
そこでケリーが接近しすぎてやられちまった。
だがⅢ号機の爆炎を割って飛び上がってきた物があった。HVR-2だ。音を置き去りに、横を影がすり抜けたって思った瞬間にスルトの下腹にズドンッ、だ。
爆風で俺達は吹き飛ばされた。
スルトの下方に展開されていた魚網と、散弾投射機で距離がある状態で爆発したせいで、こっちの天空要塞は真っ二つってわけにはいかなかった。浮力は失っていなかった。
だが追撃を恐れてか速度を上げて移動した。砲撃も軽くなったからダメージを負ったのは間違いなかった。
俺達は後は友軍にまかせてアンタイオスに向かった。
すでにスルト以上の高度に達していた。
情報通りにレーションに付いてる固形燃料の上に円盤が乗ってるような形だった。だが魚網も散弾投射機も用意されてるようには見えなかった。てっきり境界ぎりぎりで捨て去るのかと思いきや、最初から装備してなかったんだ。
いまさら聖人ぶって本当に武器は持たないようだった。
こいつはチャンスだと思った。HVRを当てさえすればこいつはお陀仏だって。
だけどフィオーラ姐さんが時間切れだと言った。
エストリアからの距離、射角、アンタイオスの移動速度。HVRを何発撃とうと当たりっこないと。
フィオーラ姐さんが東洋の計算尺を握りつぶす音が聞こえた。
作戦は第二段階に移った。
(咳き込み、茶を飲んでしばし沈黙する)
――――――作戦の第二段階。それはハミングバードによる特攻攻撃でしょうか。
ああ、だが俺達は爆弾なんて抱えちゃいなかった。積載量の全てを機関銃につぎこんで、それもほとんど使い切ってようやくスルトを抑えてアンタイオスにまでたどり着いたんだからな。
軽いハミングバードじゃ要塞のどこにぶつけようと効果があるはずなかった。
だから来てしまったんだ。
最新型の双発爆撃機XB-9。
コンドル隊の精鋭を護衛に戦場に飛び込んできたそいつは爆弾倉を開いた。
だが落としたのは爆弾じゃなかった。
一回り小さなハミングバード。
0号機、俺達が立体飛行を掴むのに使っていた練習機だ。
そいつがくるくると錐揉みしながら落ちて――――――浮かび上がった。
戦場に陽気な甲高い声が響いた。
『来たよみんな!』って。
レーチェだ。ジャック隊長の一人娘、レーチェの声だった。
そんで『見てて』とか言いながら群がってくるファルケーを蹴散らした。パイロットの眼前に飛び出て失速させ、次の機体には衝突軌道に寄せたと思わせて無理やりな回避行動をとらせて。機関銃どころか照明弾すら持たない0号機で敵を無理矢理に追い払ったんだ。
そして俺達のところまで上昇してきて、くるりと機体をひとロールさせた。スカートをひるがえしてくるんと。そんな娘っこみたいな振る舞いを戦場の空で。
レーチェはまさに空の申し子だった。
何せおむつが取れたばかりの頃から叔父貴に飛行機に乗せられてキャッキャと喜んでたような子だ。10歳で勝手に乗り込んだハミングバードを浮かび上がらせて、12歳の頃には0号機でスクリューポップ飛行をモノにした。俺のⅥ号機の動きを数回見ただけで操作法を逆算して再現したんだ。
だから皆はレーチェが0号機を自分の物だって決めつけてへたくそな向日葵をペイントしても文句は言わなかった。
武器を装備することだけは姐さんが許さなかったが、実のところいくつかの作戦には参加して補給や撹乱で腕前を証明していたんだ。
あの作戦にも軍に自分を売り込んで参加していた。
後からそれを知ったフィオーラ姐さんはそれはもうぶちキレた。
だけどレーチェはどれだけはっ倒されても引かなかった。最後にレーチェは言った。『私はパパの娘でママの娘なんだから!』と。
レーチェはジャック叔父貴の先妻の子だったけど、あまりに気性がおんなじで、誰もがフィオーラ姐さんの産んだ子だって信じてた。きっと五つも歳を重ねれば俺達の尻を蹴飛ばすに違いないって。
だからその言葉に誰もが納得させられちまった。叔父貴や姐さんが同じ立場だったらきっと同じことをするはずだ。そう言われればそれはあまりに確かなことだったから、姐さんもついには根負けした。
だけど姐さんは条件はつけた。参戦は最後の最後、俺達がアンタイオスに追いつけなかったときだけ。それと技術者たちに耐圧用のプレッシャースーツと高高度用のパラシュートを用意させた。
それがあれば0号機を突っ込ませてもレーチェは脱出できるようにと。
レーチェはまっしぐらにアンタイオスに向かっていった。
それを阻止しようとファルケーも突っ込んでくる。
すでに高度七千近くだ。
互いにまともな操縦なんてできやしない。閉め切ったはずの機体内部には霜がついて手がかじかんで動かない。低温で猛烈に消耗していく電池は暖房に回す余裕なんてなかった。おまけに弾切れ。
あっちもフラップから凍りついてただろう。細かい照準合わせなんて芸当はできやしない。
見習い同士みたいなぶざまなドッグファイトをしながらアンタイオスを追っていった。
そんな高度でレーチェだけが平然とまっすぐに上昇し、アンタイオスを捕らえた。
0号機唯一の武装、鉤爪を垂らして機体をロールさせた。鉤爪は特製のチェーンで機体と結ばれていて、そいつをぶん回しながらアンタイオスの横腹に喰らいついた。
勢いで回転するチェーンが0号機とアンタイオスに絡みついて鉤爪ががっしりと喰い込んだ。
惚れ惚れしたよ。あの高度で、すさまじい風圧のなか、高速で動くアンタイオスの隙間に入り込んで機体を固定させるなんて芸当。あれはまさにレーチェにしかできなかったろう。
俺達は歓声をあげた。
作戦は成功したと。
0号機には火薬が積まれていた。
といっても俺達のハミングバードよりも一回り小さな0号機だ。持ち込めた火薬の量じゃとても天空要塞を落とすことなんてできない。
だが代わりに精霊が反応する。
アンタイオスが火薬を抱えて天空宮に近づけば精霊が撃ち落としてくれる。
それが作戦の第二段階、避雷針作戦だった。
『ほらお転婆! さっさと家に帰るよ!』
姐さんの怒鳴り声が響いた。
後はレーチェが0号機を脱出するだけだった。
俺達はじゃじゃ馬を回収するために必死にそこまで喰らいついてきたんだ。
だけどレーチェの応答はなかった。
まさか衝撃で頭でもうったのか。
俺達は肝を冷やして必死にレーチェの名前を呼んだ。
やがて無線機が反応した。
レーチェが言った。
『だめ、アンタイオスはこれじゃ止まらない』
いったいどういうことなのか分からなかった。
何かがあって作戦が失敗したというのか。でももうそれでもよかった。
高度はすでに8千まで目前だった。
いつ精霊に攻撃されるか分からなかった。
俺達はひたすらさっさと脱出しろと叫んだ。
レーチェはとぼけた声を返してきた。
『ママ、ちょっと行ってくるね』
はっ? と声が出たよ。
格納庫に入っていた0号機が突然動き出したとき以来、何度となくレーチェに食らわされてきた心臓撃ちだった。
状況を理解する前に嬢ちゃんがやらかしたって確信だけで心臓が止まっちまうんだ。
程なくして意味が分かった。
アンタイオスの上昇が止まり、細かく震えだしたんだ。
そして上の平鍋の部分が分離した。
平鍋だけが上昇を再開した。
0号機が絡みついた胴体部分を残して。
それは俺達がC-3輸送機でヴァルデンまで来たのと同じことだった。
奴らは輸送機と突貫機とに分かれていたんだ。
何のことはない。アンタイオスがどうやって高度八千の門をクリアするかが疑問だったが、奴ららしい卑怯な手口だったわけだ。
ガソリンと発電機というこれまで通りの仕組みでここまで昇って、武器なんてもってませんよって見てくれだけを整えた詐欺師が精霊の門を突破する。
だが実際に精霊は平鍋を通過させた。
ふわふわと浮いていた十数機のポッドが平鍋に寄ってきたがそのまま一緒に上昇していってしまった。
『レーチェ、レーチェ! ああっ、このバカ娘が! あんたはたしかにあたしの娘だよ!』
置いてかれたアンタイオスの下半分に接近した姐さんが叫んだ。
0号機の非常ドアが空いていた。
レーチェは飛び降りるんじゃなくて昇る方を選んだんだ。アンタイオスが神様の宮殿で暴れるのを止めるために。
レーチェを乗せた平鍋は天空宮へ近づいていった。
俺達はただ呆然とそいつを見上げるしかなかった。




