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逆さの世界で、初めて見た空と海  作者: でこぽん
第一章 逆さの世界

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5/6

5 夜を待ちながら

ーーガチャ

無機質なドアを開けた。明るい部屋。


左腕のデバイスを確認する。

【時刻:21時】

【夜残高:5.5時間】


「休みが近いけど、遺物もあるし今日は3時間買っちゃお。遺物が見付かるなら食料1日分買ってればよかったな…」

半日分の食料しか買わなかった事を後悔しつつ、ドア付近の端末を操作する。


《本日の夜は3時から6時ですね。デバイスをかざしてください。》

久しぶりの夜の長さに少し浮かれながらデバイスをかざす。


ーーピ

【夜残高:5.5時間→2.5時間】

目元のシワを触りながらデバイスを確認した。


「お腹空いたな…」

そう呟きながら棚を漁り買いだめしておいた食料を取り出し、口の中に流し込む。


「逆歴前って、食料も違ってたのかな?って、なに考えてるんだろ。昔の事なんて考えても意味ない。」

思考を辞めて、シャワーを浴びた。


左腕のデバイスを確認する。

【時刻:22時】

【夜残高:2.5時間】


「夜まで時間あるな…」

髪の毛をタオルで拭きながら、机へ向かう。

腕のデバイスからマップを引き出し、机のスクリーンとリンクさせる。

遺物を見つけた場所等をまとめていく。


「重力変動発生場所がここ。ボール?だっけ、見付けたのがここ。あ、その後にここら辺で、また重力変動。だから、明日は…」

マップに情報を追加していた手が止まる。


「また明日………

ダメだ。気が散る…」

早々に作業を切り上げた。


椅子から立ち上がり、汚れた衣服を集め部屋を出た。

居住区近くの“生活所”へ歩いていく。


服のマークがある建物に入る。

広くはない室内に端末がいくつか設置された台がある。


台の上に汚れた衣服を置き、端末を操作する。

【作業着:3、部屋着:3】

入力が終わると台が開き、汚れた衣服が飲み込まれ綺麗な衣服が現れる。


衣服を取り建物を後にする。

帰り道見上げたマントルは、変わらず赤い。


部屋に着き、衣服を片付ける。

翌朝着る作業着の上に白い玉を置く。


デバイスを確認するとまだ1時。


「まだ夜じゃないけど…いっか。」

ベッドに横たわる。目を閉じても明るさが伝わってくる。

ふと目を開けると白い玉が視界に入った。


“また明日”

その言葉が頭をよぎり、ギュッと強く目を閉じた。


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