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逆さの世界で、初めて見た空と海  作者: でこぽん
第一章 逆さの世界

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4 帰還

澪空(みそら)碧翔(あおと)は、最終便乗り場に向かって走る。


少しずつ碧翔が離れていく。

やっぱり若いっていいな…

そんなことを考えていると


ーメキ…

澪空の近くの建材が崩れ始めた。


「おい!大丈夫か!?」

碧翔はそう言って振り返り、澪空の手を掴み引っ張るように、また走り出した。


置いていってくれていいのに…

そう思いつつも、久しぶりの人の温もりになんとも言えない気持ちになった。



ーーーー

なんとか2人して、最終便に飛び乗れた。


「さっきは驚いたな。大丈夫だったか?」

心配そうに澪空を見つめる。


「うん。ほら、ちゃんとポケットに入れてたよ」

そう言って、ポケットの中の白い玉をチラッと見せた。


「いや、あんたの事だよ!怪我とか!というか、名前聞いてもいい?」

碧翔のその言葉に、名前も教えてなかったことに気がついた。


「怪我してない。名前は澪空(みそら)。」

人に心配される事が久しぶり過ぎて、ついぶっきらぼうに答えてしまう。


「みそらか~。いい名前だね!改めてよろしくな!」

屈託のない笑顔で右手を差し出す。


「え?この手は何?」

戸惑う澪空の右手を碧翔が掴む。


「“あくしゅ”って言って、これからよろしくって時にするんだ!」

そう言って、また屈託のない笑顔で澪空を見つめる。


「あ、あくしゅね。よろしく。でも、何でそんなに色々知ってるの?」

そう言いながら、サッと手を離した。

距離感が近いのは苦手だなと再認識させられた。


「野球ボールとか握手のこと?俺、遺物や逆歴前の資料とかが好きなんだ!知らないことがいっぱいでさ!」

「へ~そうなんだ。さっき言ってた“遊び”っていうのも、資料にあるの?」

「んー、それは資料じゃないけど資料みたいなのに載ってて…」


《居住区に到着。一日お疲れ様でした。》

話しているうちに居住区に着いてしまった。

いつもならもっと長く感じる移動なのに不思議だった。


「あ、着いたな!明日会ったら話すよ!お疲れ様!また明日な!」

「う、うん」

澪空の返事を聞いているのかわからない勢いで、颯爽と帰っていた。


変な人。でも、いろんな事を知っていたな。“また明日”って、明日も会うってこと?


……なんか、考えるのも疲れたし私も早く帰ろう。


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