4 帰還
澪空と碧翔は、最終便乗り場に向かって走る。
少しずつ碧翔が離れていく。
やっぱり若いっていいな…
そんなことを考えていると
ーメキ…
澪空の近くの建材が崩れ始めた。
「おい!大丈夫か!?」
碧翔はそう言って振り返り、澪空の手を掴み引っ張るように、また走り出した。
置いていってくれていいのに…
そう思いつつも、久しぶりの人の温もりになんとも言えない気持ちになった。
ーーーー
なんとか2人して、最終便に飛び乗れた。
「さっきは驚いたな。大丈夫だったか?」
心配そうに澪空を見つめる。
「うん。ほら、ちゃんとポケットに入れてたよ」
そう言って、ポケットの中の白い玉をチラッと見せた。
「いや、あんたの事だよ!怪我とか!というか、名前聞いてもいい?」
碧翔のその言葉に、名前も教えてなかったことに気がついた。
「怪我してない。名前は澪空。」
人に心配される事が久しぶり過ぎて、ついぶっきらぼうに答えてしまう。
「みそらか~。いい名前だね!改めてよろしくな!」
屈託のない笑顔で右手を差し出す。
「え?この手は何?」
戸惑う澪空の右手を碧翔が掴む。
「“あくしゅ”って言って、これからよろしくって時にするんだ!」
そう言って、また屈託のない笑顔で澪空を見つめる。
「あ、あくしゅね。よろしく。でも、何でそんなに色々知ってるの?」
そう言いながら、サッと手を離した。
距離感が近いのは苦手だなと再認識させられた。
「野球ボールとか握手のこと?俺、遺物や逆歴前の資料とかが好きなんだ!知らないことがいっぱいでさ!」
「へ~そうなんだ。さっき言ってた“遊び”っていうのも、資料にあるの?」
「んー、それは資料じゃないけど資料みたいなのに載ってて…」
《居住区に到着。一日お疲れ様でした。》
話しているうちに居住区に着いてしまった。
いつもならもっと長く感じる移動なのに不思議だった。
「あ、着いたな!明日会ったら話すよ!お疲れ様!また明日な!」
「う、うん」
澪空の返事を聞いているのかわからない勢いで、颯爽と帰っていた。
変な人。でも、いろんな事を知っていたな。“また明日”って、明日も会うってこと?
……なんか、考えるのも疲れたし私も早く帰ろう。




