21 境界の内側
ーーギィイ
ドアを開けると目の前は…
…壁だった。
正確にいうと、左右に延びている通路のようだった。横幅は3メートルぐらい。
天井を見上げると、かなりの高さがある。
かなり上の方から明かりが漏れているところがあるようで、ある程度の明るさはあった。
「碧翔…この通路って建造物の中にずっと続いてるのかな?」
「そうだな…どこまで続いているのか行けるだけ行ってみようか」
「そうだね…とりあえず、こっちに進んでみよっか」
少しだけ明るく感じた方の通路を指差した。
「うん。そうしよう」
碧翔の返事を確認し、2人は歩きだした。
ーーーー少し後。
黒いスーツの男が、2人が見つけたドアの前に立っていた。
ガガッ
「対象、重要監視地区を発見。侵入を確認したため、ただちに排除へ移行する」
『了解。0時までに完了せよ』
「了解」
通信機を切った男は、静かにドアを開けた。
ーーーー
澪空と碧翔は、通路を歩きながら、建造物内を観察していた。
「なんか、不思議な明るさだよね。マントルの赤さと少し違うように思わない?」
「言われてみれば…建造物の中だからかと思ったけど、部屋と比べても少し柔らかい明るさだね」
そんな話をしながら、2人は天井を見上げてみた。赤ではない、少しオレンジがかった光が入ってきている。
視線を下ろし、壁を見る。
通路の片側は見慣れている建造物の土のような素材。こちら側が、いつも見ている建造物なんだろうな。
そして、反対側の壁ーー
回収作業の際によく出てきていた、コンクリートのような素材でできていた。
「この壁もさ、こっち側って遺物の“コンクリート”じゃないの?」
「それ、俺も思った!」
「だよね。こんなにたくさん…。もし、持ち帰れたら、もう夜に困らないね」
「そうだな。一生夜には困らない生活ができそうだ!どこかに、“コンクリート”の欠片落ちてたらいいな!」
「こんなに長い通路なんだから、どこかに1つぐらい落ちてないかな」
そんな話をしながら、歩き続けた。
歩く。
歩く。
ひたすら、歩く。
ーーーー
かれこれ1時間は歩いた気がする。
「ちょっと休憩しない?」
「そうだな!さすがに疲れてきたし、まだまだ通路は続きそうだしな」
適当な床に、少し離れて向かい合って座った。
「けっこう歩いたね。でも、全然“コンクリート”落ちてないね。残念…」
「そうだなー。こんなに歩けば一つぐらい落ちててもいいのに。人がずっと使ってるように綺麗だよな…」
「ほんとにね。もうしばらく歩いて何もなかったら、一度戻ろっか。居住区へ帰るのが間に合わなくなりそう」
「うん。行けるところまで行ったら、印でもつけて戻ろう。また明日、どこまで来たかわかるように」
ここまで来た通路をまた戻るのか…
少し気が遠くなりそう。
そんなことを考えていたとき、遠くで物音がした気がした。
「碧翔、今なにか聞こえなかった?」
「え?」
碧翔が振り返ろうとした――
ーーパンッ




