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逆さの世界で、初めて見た空と海  作者: でこぽん
第三章 失われた世界

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20/24

20 隠されていたもの

ーーーー

朝礼が始まる前に作業場につき、碧翔の姿を探す。


「あ、いた」

少し離れた場所に、自分と同じように人を探している碧翔を見つけた。

キョロキョロと自分を探している碧翔の様子がおかしくて、声をかけずに見ていた。



ーーパチッ

碧翔と目があった。

少し前までなら、こんなふうに誰かを探す日が来るなんて思ってもいなかった。


片手をあげながら、駆け寄ってくる碧翔。

「いたいた!気づいてたなら、声をかけてよ!」

「ごめんごめん。キョロキョロしている人なんて見ること無かったから、可笑しくて」

そんなことを話していると、朝礼が始まった。



「昨日、遺物を持ち帰った者は、この朝礼後に鑑定所へ向かうように」

朝礼の内容にドキッとして、横目で碧翔の様子を確認する。

まったく気にしていないような表情を浮かべる碧翔に、慣れを感じた。



「~以上。作業を開始してくれ。」



ーー「碧翔、昨日の遺物はどうするの?」

「え?部屋に置いてきたよ!似た物がまた出てきたら見比べられるように!」

「さっき、朝礼でもあったけど、大丈夫なの?」

「大丈夫!大丈夫!これまでも問題なかったし!じゃ、“旅行”。出発しよっか!」

「そうだね!行こっか!」

2人は昨日の“コロニー”らしき場所へ向かって歩きだした。



ーーカチャッ

その様子を少し離れた場所から黒い人影が見ていた。

右手には黒い金属を携えてーー




ーーーー

コロニー付近に到着した。

「今日はこの近くの建造物を発掘してみない?

ここがほんとに、樹の書いていたコロニーなら、建造物の向こうに琴音がいた場所があるってことになるからさ」

「なるほど、そうだな!」

碧翔はそう言うと腕のデバイスを確認する。


「ここから一番近い建造物は、ここか。あ、重力変動でついこないだまで、作業ができなかったところだ…

いま、地図に印をつけて澪空のデバイスにも送っておいたよ」

「助かる!ありがとう。じゃ、行こっか」

建造物の方角へ歩きだした。



ーーーー

「やっとついたね」

「意外と距離は離れてなかったな。

よし、じゃあ建造物に沿って発掘しますか!」

「ふふ、なんか楽しそうだね」

「え?澪空は、楽しくないの?」

「そうだね…わたしも、ちょっと楽しいかな」

そう答えながら、発掘作業を始める。

作業が楽しいって初めてだな…なぜか、その言葉は、口から出すのが恥ずかしく感じた。



掘る。


掘る。


掘る。


力がいるため、自然と無言で作業を進める。

2人でしばらく掘り進めていくと、建造物の壁の一部が、違う素材になっている場所を見つけた。


その場所を、しゃがんで触ってみる。

「碧翔、みて。ここだけ壁の素材が違う。この筋もなんだろう?」



碧翔が向かいにしゃがみ、同じように建造物を触る。

「ほんとだ。もっと見えるよう掘ってみよう」

無言で見つめあった後、頷き立ち上がった。


掘る。


掘る。


掘る。


2人で進めると、いつもの2倍どころかそれ以上に早く掘り進められているように感じた。

そうしているうちに、ドアノブのようなものが現れた。


「これ…開くかな」

「どうだろ…でも、ここまできたら開けるしかないよね」

そう言ったものの、開いた先にある未知の領域に不安が止まらない。

この扉の向こうに、樹たちが見ていた景色があるのかもしれない。

怖い。でも、それ以上に何があるか見てみたい。


「よし、じゃ、俺が開けるね。」

碧翔は、そう言うと、ゆっくりとドアノブを回した。



ーーギィイ


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