16 重なる印
自分の部屋に戻った澪空は、早々に机に向かい、腕のデバイスを起動した。
澪空が記録していた過去の遺物が見つかった場所と碧翔の両親が残した印の場所をひとつの地図のうえに重ねていく。
「やっぱり…」
現在の居住から印の場所までをたどるように、遺物が多く、また、重力変動も多かった。
なんでこんなことにも気づかなかったんだろう…
重力変動の記録を確認すると、重力変動後の立ち入り禁止期間が長かった。だから、みんな他の場所で作業して気がつかなかったのかな。
回収作業員になった時に配布された、過去の資料をもとに、重力変動のあった場所をひとつの地図に重ねていく。
「見つけた…」
ーープープープー
《おはようございます!只今、逆歴135年86日6時!天候は赤!今日も一日頑張りましょう!》
ーープープープー
左腕のデバイスを確認する
【夜残高:1時間】
短い夜だったが、昨晩のことが気になりほとんど眠れなかった。
今日、碧翔に会ったら話そう。
そう心に決めて、部屋を後にした。
ーーーー
食料を調達し、仕事場に移動した。
朝礼を聞き流しながら、碧翔を探す。
またやってしまった…
合流場所を決めておけばよかった。
昨日のことを後悔しつつ、白い玉を見つけた場所の方向へ歩き始める。
ーーーー「澪空!」
聞き慣れてきた声がした。
「碧翔…おはよう」
昨日、少し気まずい感じで別れたことを思い出し、ぎこちない返事をしてしまった。
「昨日は急に帰っちゃってごめんね。ちょっと気付いたことがあって、帰ってから調べ直してたの。ちょっと、今日は一緒に付いてきてくれない?」
「そんな気がしてたから、全然気にしてないよ!もちろん一緒に行くよ!」
明るく返事をしてくれた碧翔に、ほっとした。
「碧翔のデバイスをこっちに向けて」
そう言うと、昨晩まとめた地図のデータを碧翔のデバイスへ共有した。
「見て、ここ。重力変動も遺物の回収も多いよね。これを並べていくと、ここに集中しているの」
そう言って指差した先は、碧翔の両親が印をつけていた場所の直ぐ近くだった。
「今日はここへ行ってみようと思う」
「わかった」
地図の端に記された印を目指して、2人は歩きだした。




