14 赤い空の下で
澪空がページをめくる手を、碧翔が止める。
「ここ。字が違う。別の人が書いたのかな?」
指をさしながら言った。
「誰かが後から書いたのかな。碧翔の家族とか?」
「どうだろう?俺の両親とは字が違う気がする。とりあえず、続きを見てみよう」
『7月29日』
昨日のことが夢だったら…
そんな期待をしながら、起きたがやはり現実だった。
赤い空は夜が無いようで、少しでも暗い場所を探して眠ったが、あまり寝た気がしなかった。
通信機も繋がらない、知っている人もいない。お金があっても購入するものもない。
1日中歩いた。
もしかしたら、琴音が、家族が友達がいるかもしれない…
どれだけ歩いたのかわからなくなった頃、人が集まっている場所を見つけた。
ひとまず、その人たちと一緒に行動することにした。
お腹がすいた。
『7月30日…だとおもう日』
空が変わらず赤い。
1日の終わりがわからない。
とりあえず、起きていられなくなったら気絶するように寝ていた。
周りの人たちが怖い。
状況がわからない、食料もないなかずっと泣いている人や怒っている人、怪我をして動けない人、いろんな人がいる。
お腹をすかせて泣いている子どもを蹴っている男の人がいた。助けようと思った。でも、自分も立っているのがやっとだった。子どもはあの後どうなったんだろう。
いつまでこんな状態が続くんだろう……
『逆歴1年10日』
この人の集まり「コロニー」に、数日前から食料などが配給されるようになった。
食料といっても、ゼリーのような流動食。無いよりはいいが、もう少し味わいがある食事をとりたい。
そのときに聞いた。
《おはようございます!逆歴1年10日6時!天候は赤!今日から頑張りましょう!》
琴音と離れてこの状況になって10日がたっていたようだ。毎日琴音を探して歩いたが、どこにもいない。
もう会えないのだろうかーー
(ページはここで終わっていた。)




