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でも、その夜の量を決めているのはーー
「誰かが決めてるって言いたいの?」
澪空が笑う。
「澪空さ、配給センターの食料って、どこで作ってるか知ってる?」
「知らない」
「俺も知らない」
「は?」
碧翔が話し始める。
「みんな毎日食べてるのに、作っているとこ見たことある?」
ーない。
「じゃあ材料は?」
ー見たことないどころか、何から作られているのかも知らない。
「だから?」
澪空は肩をすくめながら言った。
「回収作業員が持ち帰った遺物と同じで、私達の知らない場所から運ばれてきてるだけでしょ」
碧翔が少し笑う。
「じゃあ、その知らない場所はどこ?」
碧翔の突飛な発想に、言葉が出ない。
そんな澪空をよそに、さらに碧翔は続ける。
「じゃあ夜は?」
「夜は働けば貰えるでしょ?」
「誰から?」
ー知らない。
「でも、だからなんなの?
管理してる人がいるって言いたいの?」
「うん」
「そんな大勢を?」
「そう。それ」
碧翔は、資料の中から地図を取り出し広げた。
「もしさ、この居住区以外にも世界があるなら?」
澪空は、声を出して笑った。
「いやいや、無理無理!
だって、この地図の端全部建造物だよ」
「本当に?
じゃあ、どうしてこの先だけ誰も行ったことがないんだろうな」
碧翔の指が地図の端をなぞる。
「俺の両親は、行方不明になった日、この地図をもっと広げるって言って、仕事に行ったんだ」
部屋に沈黙が流れる。




