表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/51

13話 冒険者ギルド

ついに私は冒険者になった。


ダンジョンのボスを口説いて眷属にしたのが先日。

ダダ洩れ魔力を「魔力の大きな人」程度には抑え、魔力を見る事が出来る人から一目置かれるよ。くらいにはなった。

強いて言えば湧き出る魔力は湧き続けるのでどこかで空気抜きならぬ魔力抜きが必要になるだろうという事か。


そしてヒレンに続いてクチナワを仲間に加え、クロスロードに帰還した。


おおむね順風満帆。


クロスロード城の中庭でお茶しながら、ネム陛下とマスカート卿と報告兼ねて今後の方針をうち合わせる。


私の希望はとにかく冒険者だ。私自身に戦闘力や探索の能力が無くても眷属二人が居ればなんとかなるハズ、と言うと


ニヤリと悪戯っ子の顔をしながらマスカート卿が言葉を返す。

「冒険者はランク分けされてるのは知ってるよな、まず最初のランクは、誰でも通るランクだから、ダンジョンの依頼は受けられない。誰でも出来る事しか出来ないんだよ」

流れる様な所作で紅茶を飲む。ああ、こういうのを見ると本当に貴族様なんだよな。


ネム陛下がさらに続ける

「大丈夫じゃ、どうせ最初は何も出来ん。安心して水路掃除なり土木工事なりを受けろ。後ろの二人なら子守もあるハズじゃ」

紅茶に砂糖を何杯か入れながら面白そうに笑う。うん、砂糖飽和してるんじゃないかな。


領主公爵、ペタン公まで参加してくる

「私も最初は子守でしたの、懐かしいですわ。」


魔力の制御が出来る様になってからやっとマトモに会話してくれてる気がする、まあ公爵様だし仕方ないが。


「妾と姉さまが居れば主様に危害は及ばぬ、大舟に乗ったつもりで安穏として居られればいいのじゃ」

クチナワが得意そうに言う、ヒレンを姉さまと呼ぶ事にしたらしい。


「お父様を背負う背負子あればいいですね、こう、縛り付けるベルト付きので」

ケーキをつついていたフォークで空を差しながらヒレンが言う。

柔らかいケーキなのにポリポリと音がしていると思ったら空を差してるフォーク、持ち手しか残ってない、食器ごと食べたな。

公爵家の食器だけあってミスリルが使われているらしい。それなら仕方ない。

あと、内容。チャイルドシートかよ。


勇者はアレからすぐ王都の方で用事があると緊急の魔法連絡があったとかでまた走って戻った。


公爵に挨拶したかったらしいが、結局一度も顔を合わせていないまま。残念がっていた。


「冒険者ギルドへ登録する時、この書類を出せ。下手な事いうと他国の王族にされるからな」

とマスカートがコレは親切で言ってんだぞ、と真面目な顔して言う。


貴族が保証する新人冒険者って何か凄い話だと思うが、他国の王族の件はよくわからない。



その日の午後には町の冒険者ギルドに向かった。


地方自治体の役所を思い出すカウンター。手前の待合は酒場になっている構造も、まさにテンプレ。

なんだろう、初見なのに理解出来る構造。


入った瞬間値踏みする様な視線が来るのもテンプレ。


まあ何かしてくる訳でもなく、完全に興味だけなのだろう視線を受けながらカウンターで新規登録の受付をする。二人が美人だし注目されるのは仕方ないだろう。


二人は少し年配なので熟練冒険者に見えるかもしれない。

熟練冒険者が引率して新人を連れて来た構図か。


マスカートから渡された書類を渡し、こちらに住所氏名を~と示された用紙を前にふと気づく、

言語理解は文字にも・・・有効だな。読める、読めるぞ。


後ろの二人も滞りなく記入している。


と思ったら古代魔法語でサインして魔法書になったとか、ヒレンが渡されたペンで机に穴開けたりひと悶着している。


特に問題なく、手続き自体は終了。特に問題は無かった、いいね?


その後、魔力登録があった。

なんでも魔力はすべての人に濃度の差こそあれ、その固有の波長はほぼ同じものは存在しないらしい。


指紋かDNAか。


それを登録する事で個人証明になる、と。


あとギルドには過去のエライヒトが開発した特殊なネットワーク魔法が存在し、登録した時点で他の都市のギルドにも共有されるとか。


冒険者全員となると膨大な数の登録情報になる。どんなデータベースになっているんだろう。


多分、作ったのは過去の異世界人なんだろうなと思いつつ、触ってくださいと言われた水晶の様な玉に触る。


水晶が光る。


無茶苦茶光る。酒場エリアの冒険者達が騒めく。


光の強さは魔力の強さ、光の種類でその人の身分がわかるらしい。


この場合の身分は魔力的な意味合いで、魔法を使う時、どの階層の魔法が使えるか、という奴らしいが、その辺は正直よくわかってないらしい。


適正という切り分けがソレである。


で、その光が白金色にそりゃもう直視出来ないレベルで光る。


なんでも階層はおそらく最上級、コレもしかしてこの世界に来た時に「存在」が言うところの身元保証ってコレか?だとすれば神様が直接保証してるからそりゃあ最上級だろう。


マスカート卿の言う「他国の王族にされる」もコレか、


この世界の王様、ただ権謀術数に長け、権力としての上位、だけでなく、神様が存在する世界ならではの「神様の承認」が必須らしい。


逆にコレがあるから貴族階級と平民、王族の垣根がなかなか超えられない、


逆に異世界からの転生者がその垣根を超えやすい理由でもある。


私も神様の委任状の印鑑もらった状態なのか。王にすらなれる器か。面白いが、なるほどここで野心持つとマスカート達が敵に回るのか。やめておこう。


ヒレンもクチナワも光の色はともかく、強さが私よりは下とは言え尋常じゃない光で登録は終了。


カウンターの奥に人が増えている。多分ギルドの偉い人が見物に出て来てると思うけど、滞りなく、登録終了。

滞りない。


マスカートの書類では、マスカート卿と同じ田舎から出て来た神官の血族という設定らしい。


クチナワが完全に巫女装束という奴を着こんでいるのでそうしたらしい。そもそもクチナワ本人の好きにさせた服がコレ。

麿眉だし。


ヒレンはメイド服を着ている。

こっちは何故?


私は、たぶん目立たないような普通の服装のハズ。

多少「いいとこのお坊ちゃん」感があるらしいが。

平凡な日本人の外見がこの世界ではあまり平凡じゃないくらいか。


ともかく、私は冒険者になった。異世界を満喫出来るスタートラインに立った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ