92 ううん! 今から行きましょ!
えっ、ここ。
ニューキーツ。
ンドペキの部屋の前じゃない!
まさか!
と、扉が開いた!
ンドペキが出てくるとか……。
ああ。
やっぱり……。
懐かしいンドペキの真っ黒な装甲……。
でもなぜか、ヘッダーもマスクも被っていない。
目が合った。
そして、声がした。
チョットマ、さあ行こうか。
ンドペキの声……。
今日は、紅の谷に行こう。
おまえ、行きたがっていただろ。
そういえば、そんなことを言った記憶がある……。
結局、連れて行ってくれなかったけど……。
ンドペキが近づいてきた。
かなりきついぞ。二人で行くんだからな。
心して、ついて来いよ。
なぜか、私が応えていた。
大丈夫よ。危ないと思ったらすぐ逃げるから。
それより、なぜ今日なの?
不思議な感覚だった。
もう、穴の輪郭は消えていた。
少なくとも、意識の中にはなかった。
眼の前に、ニューキーツの街の朝とンドペキの笑顔があった。
まっすぐ、私を見つめている。
私がまた言った。
どうして二人で?
まさしく、自分の声だった。
でも、自分がそう言ったのだろうか。
そう思う一方で、確かに自分が言ったこと、とも感じた。
ンドペキの笑顔が大きくなった。
二人じゃ嫌なのか?
チョットマは頭を振った。
ううん。
じゃ、いいじゃないか。
でもさあ。
ンドペキが、ふふんと笑った。
またにするか?
サリも誘って。
チョットマは自分でもびっくりするくらいに、はっきり言った。
ううん! ンドペキ、今から行きましょ!
ありがとう!
よし!
と、ンドペキが武器を持ち直した。




