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82 シャルタが荒らされるのを黙って見ていられないのでね
懐かしい道。
まだフライングアイの身だった頃、チョットマの肩にとまって、この水系沿いの道を走った。
サキュバスの庭を掠め、ライラの部屋の裏手を通り過ぎ、まもなく三叉路に差し掛かる。
小道を右に取ればサントノーレ市長の部屋を経てエリアREF中心部に至る。
左に取ればゴミ焼却場の下部を通ることになる。チョットマがプリブに愛を告白された鉄橋の下だ。
前を行く警察官は三叉路を左に曲がり、チラリと振り返った。
ちゃんとついてきているか、確かめるように。
レイチェルのシェルタ。
封印されている。
そこには武器弾薬が大量に保管されている。
市民がそれぞれに持ち出し、武装してしまっては、治安は守れない。立ち入り禁止は当然の措置だ。
ただ、物理的に封鎖されているわけではない。
シェルタの入り口で、ボニボニを始め警察官が数人、集まっていた。
「お、イコマさん。これはこれは!」
ボニボニは、こちらの姿を見るなり、そう言って微妙な笑みを作った。
「チョットマも」
そして、一人ひとりに目を走らせると、「何事ですかな」と聞いてきた。
「シャルタが荒らされるのを黙って見ていられないのでね」
「ふうむ」
ボニボニは少し考えて、「礼を言います」と軽く頭を下げた。
「状況を説明してください」




