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58/564

58 出血多量によるもの これは明白

 オップラーガーデンのグロット、フェアリーリングの中ほど。

 さっきと同じ場所で、ボニボニが待っていた。


 地下水系が激しく渦を巻き、途切れることのない轟音がグロットを満たしている。


 この街の命綱。地下水系。

 これがあるおかげで、ユーペリオンは氷点下になることはない。

 豊かな水量を有し、時として激流となって、幾度となく枝分かれては出会い、地上に姿を現すことなく、海へ注ぎ込んでいく。


 以前は、そのルートを通って、ニューキーツと海をパリサイドが行き来した。今は宇宙船スミヨシと結んでいる。

 上流は、かつてンドペキ達が立て籠もったスゥの洞窟にも繋がっている。



 ボニボニは警察署から持ち出したらしい椅子に座って、濡れた地面を見つめていた。

 少し離れた位置に公園の石製ベンチ。

 そこにはチョットマが腰かけていた。



「お呼びだてしてすみません」「いえ」といった言葉を交わし、チョットマの隣に腰掛けると、ボニボニが追加の簡単な説明をしてくれた。

 レイミの死体が発見されたのは、今日の午後八時十分前後。

 発見者であるカップルの証言である。

 ちなみにそのカップルに、怪しむべき点はないという。


「死因は出血多量によるもの。これは明白です」

「この場所で殺されたと」

「断定はできませんが、倒れていた場所、そこが犯行現場ではないかと考えています」

 と、自分の椅子の前の地面を指さした。


「先ほども申し上げましたが、死体はすでに警察署に運んであります。血が流れていましたが、川の水飛沫で地面が濡れているせいで、実際にはどこで刺されたのか、明確ではありません」



 ボニボニが、さて、と姿勢を正した。


「これからお聞きすることに、お気を悪くしないでください」

「もちろんです」

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