42 封印された場所
「部下達の中には早くも両局長に忠誠を誓うような素振りを見せる奴もいるんだよ」
「でも、次の選挙では、各局長職も選ばれることになってる。絶対に居座れるなんて、誰にも約束されてないはず」
「制度上はね。でも、職員を買収したら、どうなる?」
ユーペリオン市民わずか一万五千。
しかも、純粋な民間企業など、ほとんど育っていない。
極端に言えばイエロータドのバーと、スゥのよろず承り業のモットシークレット社など、数えるほどだ。
トゥルワドゥルーとイッジがその気になれば、かなりの票を得ることができるだろう。かつての部下もたくさんいるのだから。
「それにさ、トゥルワドゥルー、最近、おかしな動き、してるらしいのよ」
ジルも、うんうんと頷く。
「禁制品を狙ってるらしいって」
「ご禁制の品! それって何よ!」
「チョットマ、声が大きいって」
聞けば、禁制品とは違うようで、封印された場所から出てきたところを見かけた人がいるらしい。
「それ、どこよ」
「当ててみて」
シルバックが意地悪そうに唇を歪めた。
「さあ」
地上のニューキーツ政府建物内のどこか……。
汚染された大気の中にあっても、変わらず品質を保てる物はいくらでもあるだろう。
しかし、許可なく立ち入ることはできない。
あるいは、ユーペリオン最奥部、資材庫。こちらも警察官が守りを固めている。
「違うって。ニューキーツ政府建物はまだしも、資材庫は封印されてるわけじゃないでしょ。それに、食料局長がそこを訪れることに誰も文句はないでしょ」
「じゃあ……」
「わかった! ホトキンの間!」
「おっ、懐かしい場所だね」
「スゥの洞窟の、スゥの部屋!」
「そこも懐かしいわね。私たちにとって。でも、両方ともノー。そもそも、封印されてないじゃない。誰も行かないだけで」
「うむぅぅ」
「チョットマ、いい加減、思い出しなさいよ」
「思い出す? ふむぅぅ。あ、ライラおばあさんの部屋」
「は? どこよそれ」
「ニューキーツの私たちの詰め所」
「懐かしいね! いつもあそこで着替えてたね。でも、なんでそうなる? あんた、おかしいんじゃない? あの場所を思い出さないなんて」
「どこなのよぉ」




