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40 近々、結婚するらしいよ
話題は、やがて職場のことになった。
ありがちな話題だし、チョットマは食料局内部のことに関心はない。
同じ職場のシルバックとジルにとっては、楽しい話なのだろう。
何しろ、新鮮だ。
数百年に渡って荒野を駆け巡る生き方をしてきた二人にとってのオフィス勤め、なのだ。
「あいつ、どうにかならないかな。邪魔でしようがないんだけど」
などと、愚痴が出るのも自然の成り行き。
「ねえ、チョットマ、トゥルワドゥルー、知ってるでしょ。あそこで飲んでる人」
聞き役ばかりだったチョットマに、ジルが話題を振ってくれた。
「もちろん。パリサイド軍のトップだった人でしょ」
「そう。今はうちの局長してるんだけど、変な噂がいろいろあるんだよね」
まだまだ、噂話の種は尽きないらしい。
「なんでも、近々イッジと結婚するらしいよ」
「へえ!」
愚にもつかない噂かと思いきや、楽しい話ではないか。
思わず身を乗り出した。
「いつ?」
「さあ。でも……」
ジルが口ごもった。
言い出しておいて、迷っている。
これから話を盛る手かもしれない。
「それがね」
ジルに代わって、シルバッは言ってしまう気だ。
「どんな噂?」
チョットマは聞いてみたいかも、という気になった。イッジとは知らない仲ではない。




