23 その三人、今日、来るのかな
「その三人、今日、来るのかな」
「たぶん。案内状は出したから」
常連さんだという。
タァーレルにしろ、サスケイにしろ、ヴェルファーにしろ、数百年を生きてきた男。
相手は十七歳の女の子。再生経験はなく、まさに少女。
しかし、バランスが悪いということはない。
再生され続けてきた人間がほとんどの社会。見かけの年齢には無頓着。
しかも、社会全体として、すべてのことにおいて年齢による区別はない。
「あれ、サリ。こんなにゆっくりしてていいの? 遅刻じゃない?」
「大丈夫」
ユーペリオンでは、時間の観念が希薄になりがち。
陽が昇ることもなければ沈むこともない。
漆黒の闇にいることで余計に時間の流れを意識せざるを得なくなるはずだが、その流れ方が速いのか遅いのかは実感として沸かない。
だから、時計は手放せない。
チョットマは、ベータディメンジョンでのあの苦い経験もあって、時刻には人一倍神経を使う。
集合時刻に遅刻したばかりに、プリブは帰らぬ人となってしまった。
悔やんでも悔やみきれない失敗。
数分ごとにそのデジタルな数字をちらりと見ることが、私の譲れない習慣。
「本当? もう六時半だよ」
パーティーは午後七時開宴。
今日はバー・ヘルシードの一周年記念。常連五十人ばかりが招待されているという。
客の方は何時に行こうが構わないが、サリはそうはいかない。
ホステスがぎりぎりに飛び込むようでは、イエロータドに大目玉を食らうだろう。
「でも、少し急ごうかな」
と、サリは急に早足になった。




