102 油断するな! 姿を変えているだけかもしれん!
「パリサイドじゃないぞ!」
「油断するな! 姿を変えているだけかもしれん!」
チョットマは、人垣から少し離れた場所で、そんなやり取りを聞いていた。
パパとンドペキの周りには隊員達がいる。金貨のことを話すのはお預けだ。
と、人垣がさっと割れた。
警官に取り囲まれて現れたのは、一組の男女。
豪勢な服装を纏っている。
大柄な男に群がるように警官がとりつき、行動を抑制している。
後に続く小柄な女性はうな垂れて、足元さえおぼつかない様子だ。
「署へ!」
照明灯の光を浴びて、男が眩しそうに手を上げようとした。
警官に引き戻されたその手には、手錠が三つも四つも掛けられてあった。
「おい! 眩しいぞ!」
男が叫んだ。
「この暗闇じゃ、光も武器になることを知らんのか!」
肩を怒らせ、警察官を振りほどこうと腕を振り回そうとしている。
「おとなしくしろ!」
警察官が銃口を向ける。
チョットマはひやりとした。
まさか撃つのでは。
男の顔が怒りで真っ赤になっている。
醜く肥え太り、目をぎらつかせている。
「さっさと歩け!」
警察官に突き上げられ、よろめいている。
女の方はかなりの美人で、小柄だがグラマラスな体形を維持している。
化粧さえしているが、残念ながら、大方剥げ落ちて斑な肌を見せている。
二人とも、三十を過ぎた見かけ年齢。
ボニボニが警官達に隊列を組むよう命じた。
「イコマさん。申し訳ないが、あなた方は最後尾を固めて、ついて来てくれませんか」
全員がシェルタを出たところで、扉を封鎖するという。
「スミソ! 点呼を取れ!」
ボニボニの指示にスジーウォンの指示。
「チョットマ、点呼を!」
「了解!」




