Feather soar in the sky1
東京は変った。
まともな奴なんて誰1人として残ってはいない。
いや、元々、何もかも狂っていたから、こんなことになっているのかも知れない。
人間が作りし国家、国家は人間だ。
人間の本質は変化はすれど、根本は全く変わることがない。
日本という国も生まれた時から、こうなっちまうことは初めから決まっていたのさ。
そういう私も人間の死を早める街で、昼間から薬やってテキーラを飲んでる。
国外に逃げて行った奴らからすると、まともではないんだろうな。
だけど、そんな狂った街だからこそ、私のような狂った奴しか生き残れないかもしれない。
どの道は私はそんなに生きられないらしい。
私の左腕は良く分かんねえ病気のせいで切断した。
まあ、あんまり気にはならねえけどな。
人間なんていつ死ぬか分からないだろ?
死ぬことに脅えて震えてやがる奴らの方が、頭おかしくなって死んじまうんだって。
私も余計なこと考えないで楽しくやってりゃ、80歳まで生きられるかもな。
外は良い天気だって言うのに、あちこちの原子力施設から相変わらず放射能が溢れだしている。
そんなこと知ってもどうにもできないんだから、黙っていてくれりゃ良いのに。
知らなきゃビーチにでも行って日光浴でもするんだけどな。
全くどうにもならない、愚痴の1つでも言いたくなるよ。
私はフェザーと呼ばれている。
大佐が名づけてくれた。
大佐は私の本名なんか知らない。
私がジェットブースターで飛び回ってるのを見て、鳥のように見えたんだってさ。
高校には行ったこともないが、高校生と同じ年齢だ。
大佐と出会ったのは半年くらい前。
偶然盗んだジェットブースターを使って、どうしようもない連中と喧嘩してたら大佐に見つかって怒られた。
だって、私の左手がないのを笑いやがったから仕方ねえだろ。
イライラするんだよ、ああいう群れてふざけてる奴ら。
全員殺してやりたい。
それ以来、私は大佐と一緒にこの街をうろついてる。
偶然騒ぎに出くわしたら揉め事を解決したり、何か頼まれれば出向いたりもする。
まあ、暴力で諸々捻じ伏せて、報酬をもらってくるってわけだ。