瞬発の燃焼
次の日、俺はまた冒険者ギルドを訪れた。
傍らのテーブルには、ガルドさんのパーティーが座って話していた。
「あっ、ハインくんだ!!」
「本当だ…!坊主!あのあと大丈夫だったか?!」
「あ、はい…なんとか…」
「何日も見えないから心配したよ…!」
「すみません…この間の負傷もあってちょっと休んでました…」
「本当にすまねぇ…!魔女はさすがに怖かった…」
「歯向かったら呪われるかも知れないし…」
エラのやつ、何して回ってたんだ…
「まあ…本当に何もなかったですって。ちょっと研究を手伝わされただけで…」
「研究?!お前さん、マジで大丈夫なのか??」
「今のところは…でも、俺にも役立つ研究で…協力する価値はあるんです」
「ハインくんに役立つ研究?」
「まあ…直接見せた方がいいですかね…」
「ガルドさん、腕相撲しませんか?魔法を使っても大丈夫なので…」
「まあ…いいが…坊主、まさか…!」
「…本気で行かせて貰うぜ」
「ちょっと、それはまずいんじゃ…」
「大丈夫です。全力でお願いします」
「よおい…」
ガルドさんは、魔法を繰り出し始めた。
ガルドさんの手が熱さを増していくのが感じられた。
純黒魔術の身体強化の強みは瞬発力…一瞬で終わらせる…!
「始め!」
俺は右腕に集中させた魔力を一気に燃やし、力に変えた。
「はああああっ」
「なにぃっ?!」
開始の合図と同時に、俺の右腕はガルドさんの右腕を倒し、テーブルに力強く打ち付けた。
「ハインくんが…ガルドさんに勝った…?」
「坊主…お前さん、やっぱり魔法を…!」
「魔女に魔法を教わったのかい?!」
「魔法とはちょっと違うんですけど…似たようなものです」
「あ、でもこれガルドさんの魔法とは違って力は出せるんですけど長持ちはしないんです…」
「そうなのか…」
「いや、場合によってはこっちの方が役立つかも知んねぇ…!」
「なあ、坊主、また俺たちと一緒に魔物討伐しねぇか?」
「そうだ!魔法が使える鈍器戦士が二人もいれば心強いよ!」
「もっと高何度の依頼も受けられるかもな…」
「ご提案嬉しいんですけど…今は遠慮させていただけませんか?」
「…そうか」
「はい、今はもうちょっと鍛練がしたいですので…」
「鍛練か…」
「俺に勝ったんだからもっと自信持て、とか言いたいところだが…わかった。お前さんもお前さんなりに考えがあるんだろ…」
「…ありがとうございます」
「まあ、命が何より大事だからな!慎重になって損はないだろ!」
「この間は下手したら死ぬところでしたしね…」
「…じゃあ、後でまた一緒に依頼受けような」
「…はい!」
「ところで…ハインくん、今日はこれで帰るの?」
「あ、違うんです。鍛練も兼ねて魔物討伐以外にもっと安全な依頼を受けようと思って…」
「安全な依頼?」
***
俺は、依頼の場所、工事現場についた。
現場では、人足たちが忙しなく動き回っていた。
「君がハインか」
「はい!」




