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黒衣の魔女

「本っ当にすまねぇ!!」


「ガルドさん、そんなに頭下げないでくださいよ…」


「いや、謝らせてほしい。俺たちが守りきれなかったばかりに、お前さんを死なせかけた」


「討伐依頼に出た時点で…危険は承知の上です。まあ…死ぬのは嫌ですけど…」


「坊主…」


「まあ…全員無事生還できたことですし、サージェントの討伐報酬も貰えたしでよしとしましょう!ほら…乾杯しましょう!俺はあのときの反動が残ってて酒はよくないってことでジュースですけど…ハハ…」


「…ああ、そうだな。飲もう。コボルトサージェント討伐を祝して!」


「「乾杯!!」」


「…そういえばさ、あのときのあれはなんだったんだ?」


「はい?」


「ほら、あのときハインくんの…」


「実は俺も気になってたんだよねー。ハインくん、確か魔法は使ったことないって…」


「…そうですね…俺、低適性症で魔法は使えないはずなんですけど…何故か体調が悪くなったこともないんです…多分それが関係してるんじゃないかって…」


「確かに妙だな…また使えそうか?」


「あのときは必死になってて偶然使えたって感じで…やってみないとわかりませんね…」


「…そうか。じゃあ身体が治ったらまた試すんだな」


「はい」


「よし、そんときは俺が感で覚えた身体強化の要領を叩き込んでやる!!」


「本当ですか?!是非お願いします!!」


そのとき、スイングドアの軋む音が響いた。


真っ黒のローブを身に纏った、小柄の女性。


ローブの色と対照的な白い髪が目立っていた。


フードに隠れて見えない顔が、神秘感を増していた。


「あれは…」


「…『黒衣の魔女』だな」


「…有名な人なんですか?」


「まあ…あの見た目だからな…なんか、よくわからん依頼も出してくるし…あれで一応冒険者らしい」


「…戦えそうにないのに…やっぱり魔法が使えるとか…?」


「まあ…そうかもな。詳しいことは知らん」


「依頼を出したい」


「は、はいっ!依頼の種類を教えていただけますか?」


「人を探してほしい。ハインという少年だ。最近このセクミンに来ているはずだ」


「ハイン…さんですか…?確か、最近登録された新人さんの中にいたような…」


「…本当か?」


「はっ、はい!!ちょうどあそこに…」


「…依頼は取り消す」


「おい、なんかこっちに来てるぞ?!」


「…お前がハインか」


「…はい?」


「メレルネ村から来たハインで間違いないな?」


「?!どうしてそれを…!」


「…やあっと見つけた」


「ちょっと借りるぞ」


「お、おい!!」


「黒衣の魔女」は、突然俺の腕を引っ張ってギルドの外に歩き出した。


?!なんだ?小柄なのに強い?!身体強化魔法か?!


「ちょ、ちょっと待ってください!!何がなんだか…」


「説明はあとだ」


魔女は、周りの視線なんて気にしていないように、俺を引っ張って町を歩いた。


魔女は、ボロい家の前で立ち止まった。


「入れ」


「…あのぉ…そろそろ説明して貰ってもいいですか?」


「中で話す」


「…」


「衛兵さ…うぅっ!!」


「黙って入ってこい!!」


魔女は俺の口を塞いで無理矢理家に引きずり込んだ。


「無駄に魔力を使わせないで貰えるか?」


「お前が無理矢理連れてきたのが悪いんだろうが!!」


「まあ、いい。ハイン、お前の魔力色…000000だな?」


「…なんで知ってるんだよ…」


「ああ…そうだよ…魔法適性が全部ゼロって言われたのに何故か身体強化魔法が使えた…俺も何がなんだか…」


「…お前は何か知ってるのか?」


「まず訂正しておきたい」


「お前が使ったのは…魔法じゃない。魔術だ」


「…魔術…?」


「ああ…そういうことでハイン、お前には私の実験台になって貰う」


「…は?」

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