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【完結済み】異世界転生うさぎ  作者: Usabean
外伝 月で待っていた彼女――ミアの物語
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42/42

<約束、これからも>

ミア編(全4話です)

ミアが感じていたことのスピンオフです。

それだけで、胸がいっぱいになった。


私は祈った。


どうか。

思い出して。


でも。

思い出せなくてもいい。


それなら、それでもいい。


私は、あなたの一番の理解者でいたい。


あなたが苦しんでいるなら。

そばにいる。


あなたが迷っているなら。

一緒に歩く。


それが。

私にできることだから。


そして。

あの日。


メモリアルパークで。


彼は、倒れた。

私は怖かった。


どうして?

お願い。

目を開けて。


何度も呼びかけた。


「だいじょうぶ?」


返事がない。


「ねぇ、だいじょうぶ!?」


私は泣いていた。

彼の頭を膝に乗せる。


お願い。

帰ってきて。


もう一度。

私を見て。


しばらくして。

彼の瞼が動いた。


ゆっくりと目が開く。


「……」


私は息を止めた。


そして。

彼は私を見た。


「よかった…!」


涙が止まらなかった。

彼が言った。


「…ミアちゃん?」


その呼び方。

その声。

胸の奥が震えた。


そして。

彼は、自分が何者だったのかを思い出した。


人間だったこと。

宇宙船に乗ったこと。

事故に遭ったこと。


そして。

私との約束。


「約束…」


彼がそう呟いたとき。

私はもう、我慢できなかった。


「うん」


涙を流しながら笑った。


「うん。やっと、思い出してくれた……」


私は彼の手を取った。


小さな指を。

彼の指へ重ねる。


あの日と同じように。


「約束」


それだけで十分だった。


ねぇ。

私。

今、すごく嬉しい。


ずっと待っていた。

ずっと信じていた。


何度も不安になった。

もう会えないかもしれないと思ったこともあった。


それでも。

約束だけは忘れなかった。


あなたは帰ってきた。

人間だったあなたとは違う姿で。


違う声で。

違う人生を生きて。


それでも。


ちゃんと私を見つけてくれた。


だから。

今度は私も、あなたを離さない。


地球でできなかったこと。


一緒に見られなかった景色。

一緒に過ごせなかった時間。


全部。

これから取り戻していこう。


カフェで一緒にコーヒーを飲もう。

月の街を歩こう。

知らない場所へ行こう。


あなたが記事を書くなら。

私は隣で、その話を聞く。


あなたが疲れたら。

今度は私が慰める。


昔と同じように。


あなたが帰ってきたら。


「おかえり」と言う。


そして。


あなたが「ただいま」と言ってくれる。


それだけでいい。


だって。

私たちは、もう一度出会えたのだから。


私は、彼の手を握る。

小さな指を重ねる。


あの日の約束と同じように。


でも。

今度は違う。


これは、別れのための約束じゃない。

これからを一緒に生きるための約束。


「ねぇ…」


私は、心の中で彼に話しかける。


今度こそ。

ずっと一緒にいようね。


約束、守ってくれてありがとう。


そして。


――これからも、ずっと。


月世界の夜空には、青い地球が浮かんでいた。


私たちが出会った場所。

私たちが別れた場所。


そして。


もう一度、約束を結んだ場所。


私はその青い星を見上げながら、そっと笑った。


待っていてよかった。

本当に。

待っていてよかった。


だって。

あの日の小さな約束は。


何十年もの時を越えて。

ちゃんと、私のところへ帰ってきたのだから。



『ミア:今日、仕事が終わったらカフェに来る?』


『アルト:行くよ。待ってて』


うん、待ってる。

これにて、おしまいです。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。


次は月世界の女神様編、かもしれません。

全く別のシリーズ、かもしれません。


また、どこかで!


リアクションや感想などをいただければ、励みになります。


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