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第六部「異なる岸の記録」 230 五人の夕食

朝と同じ五人が、夕食の卓へ着く。

料理も、席の距離も、少しずつ違う。

エリゼーは、交わされる声の間に気づく。

エリゼーとハインツが食堂へ入ったとき、ヘルマンたちは入口の近くにいた。

三人は一緒に来たようだった。

しかし、誰も話していなかった。


「ちょうど一緒になったわね」

エリゼーが言うと、ヘルマンは少し遅れて頷いた。

「うん。今、来たところ」


マレーナが挨拶し、ジュリアもこちらを見た。

朝より、三人の返事が丁寧に聞こえた。


五人で長卓へ向かった。

ハインツが端へ座り、エリゼーが隣へ入る。


向かいにジュリアが座ったあと、ヘルマンとマレーナが一瞬譲り合った。

結局ヘルマンがジュリアの隣、マレーナがその隣になった。


ただ座るだけなのに、わずかな間があった。

エリゼーはそれを見ていたが、何も言わなかった。


オットーが器を運んできた。

鶏肉と扁豆の煮込みは、昼の魚より柔らかな匂いがした。

根菜を包んで焼いたものを割ると、中から温かな湯気が上がった。

パンは朝と同じ黒麦だった。


「熱いので、気をつけて」

オットーが言った。


ヘルマンはすぐには匙を口へ運ばなかった。

ジュリアがその手元を見て、ほんの少し笑いかけた。


だが、彼が顔を向けると、彼女は自分の器へ目を戻した。


エリゼーは昼の二人の部屋を思い出した。

言葉が出ない時間には、何もないわけではない。

自分たちも、外から見ればこういう顔をしていたのかもしれない。


「根菜の甘さがいいですね」

マレーナが言った。

「ええ」

ジュリアが答えた。


朝なら、そこから味の好みの話が続いただろう。

今は、匙を動かす音がそのあとを埋めた。


ハインツがパンをちぎった。

一つを自分の器へ浸し、皿をエリゼーへ寄せる。

彼女が礼を言うと、彼は頷いた。

その目が、向かいの三人へ一度動いた。

彼も何かを感じているのだと分かった。


「昼は、外で食べたのね」

エリゼーはヘルマンへ尋ねた。


料理についてなら話せると思った。


「うん。魚は、すぐ冷めたけど、おいしかった」

「風がありましたから」

マレーナが続けた。


ジュリアは水を飲んだ。


ヘルマンが彼女へ顔を向ける。

「ジュリアも、あとから来たんだ」

「そうだったの」


エリゼーはそれ以上尋ねなかった。

三人がどこで何を話したのか知りたくないわけではない。


しかし、今ここで聞けば、誰かが説明する役を引き受けることになる。


ハインツが根菜の包み焼きを割った。

中の小さな欠片が皿へ転がる。

エリゼーはそれを指さし、彼は匙ですくって戻した。


二人の間には、言葉にしなくても済む動きがあった。

昼の焦れが解けたわけではないのに、こういう時間は自然に過ごせる。


向かいで、マレーナがパンの皿を持った。

ヘルマンも同時に手を伸ばし、指が近づいた。

二人とも手を止めた。


「どうぞ」

「ありがとうございます」


ジュリアがその皿を見ていた。

目を逸らすまでの短い間が、エリゼーには長く感じられた。


食事は温かく、よく煮えていた。

それなのに、卓の端から端まで湯気が届いていないようだった。


誰かが黙れば、別の誰かが料理の名を口にする。

話が少し続き、また匙の音へ戻る。


エリゼーは無理に明るい話題を作らなかった。

ハインツも、ニルスとの朝の会話を持ち出して皆を笑わせようとはしなかった。

二人は食べ、必要な皿を渡し、相手が話せば聞いた。


ヘルマンはいつもよりゆっくりパンを食べた。

ジュリアは器の底まで匙を動かした。

マレーナは食べ終えてから、膝の上で手を重ねていた。


最後にオットーが空いた器を受け取りに来た。


五人は順に礼を言った。

席を立つ前に、ハインツがエリゼーを見た。

彼女はほんの少し首を振った。

問いかけるのは、今ではないと思った。


三人の間に何があったのか、二人は確かめなかった。

食べ終えた卓には、パン屑と水の輪だけが残った。

朝と同じ五人でも、声の交わし方は変わっていました。

エリゼーとハインツは気づきながら、事情を尋ねませんでした。

夕食が終わっても、三人の間には言えないものが残っています。

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