神力の仕組み
うーむ。
間違いなく、何か俺の中に入ってきた感じがしたぞ。
俺の身体……いや、今は標識だったな。
とにかく、何かが流れ込んできた。
これが神力ってやつか?
昨日までは何もなかった。
でも、今日は明らかに違う。
確かに人の役に立った。
猫人間の子供を助けたからか?
なるほど。
人の役に立つと、こうやって神力が貯まるのか。それなら――
「猫! よくやった!」
俺は心の中で猫を褒める。
「まさか、俺の声が聞こえたのか?」
「うにゃ?」
……。
うーむ。分からん!まあ、いい。
だが、よくやった!褒めてやる!
「ガリガリガリ」
……。
お前は本当に、俺の身体で爪を研ぐのが好きだな。
まあ――許す!
それよりも問題がある。
俺、斜めになっちまった。
昨日の手引き台車がぶつかったせいで、かなり傾いている。
この状態で、また何かが突っ込んできたら……。
間違いなく倒れる。
それじゃあ、人の役に立てなくなるぞ。
せっかく神力の貯め方が分かったのに。
いや、それ以前に――倒れたらどうなる?
俺は木の杭だ。地面から抜けたら……。
薪木にされて終わってしまうんじゃないか?
「…………」
薪かぁ。
薪になったら、俺はどうなるんだ?
燃やされる。灰になる。
……。
でも、薪なら薪で、人の役には立つのか?
お湯を沸かす。料理をする。冬に暖を取る。
そう考えれば、最後まで人の役に立てる。
……いやいや。
俺はまだ人間に戻るつもりだぞ!
薪になってたまるか!
そもそも、神力が貯まる前に燃やされたら意味がない。
なんとか、この状態をどうにかしたい。
でも、俺は動けない。
手もない。足もない。
自分で立て直すこともできない。
「…………」
これは困った。
今までで一番、切実な問題かもしれない。
どうする、俺?
杭として生き残るには――誰かに助けてもらうしかない。




