賑わう城
うむ。
あれから、商いがかなり活発になったのかな?
城への人の出入りが、引っ切り無しだ。
朝から商人がやってくる。
荷物が運び込まれる。
役人が忙しそうに動き回る。
そして、しばらくすると別の商人が出ていく。
「…………」
随分と賑やかになったなぁ。
これだけ人の出入りがあるってことは、それだけ経済も回っているってことなのかな?
砂金が採れる。
それを求めて商人が集まる。
商人が来れば、食料や道具も必要になる。
そうすれば、また別の商売が生まれる。
俺が山だった頃にできた小さな村も、今ではかなり活気があるみたいだ。
……こうやって、少しずつ町って大きくなっていくんだな。
そして、俺はその中心にある城の石垣。
もしかして――これも、ちゃんと人の役に立っているのかな?
城を支えて。城を守って。
商人たちが安心して取引できる場所を作っている。そう考えれば、俺も少しくらい役に立っていると言っていいよな?
「…………」
まあ、神力が貯まっているかは分からないけど。
焦っても仕方ない。
今回も――気長に待つしかないな。
俺には、人間より遥かに長い時間があるんだから。
あれから、どれくらい経ったか分からない。
相変わらず、俺は城の石垣としてここにいる。
ただ――ここ最近、やたらと慌ただしい。
「…………」
何だろう?
以前から商人や役人の出入りは多かった。
でも、最近は明らかに違う。
荷物が次々と運び込まれている。
一台。二台。三台……。
いや、そんな数じゃない。
引っ切り無しに荷車がやってくる。
しかも、運び込まれている荷物の量が半端じゃない。
「これは倉庫へ!」
「こっちは奥だ!」
「急げ!」
役人らしき人たちも、いつも以上に慌ただしく動き回っている。
商人たちも忙しそうだ。
何か大きな取引でも始まったのか?
それとも――何か問題が起きたのか?
「…………」
うーむ。
石垣の俺には、詳しいことまでは分からない。
ただ、普段とは明らかに違う。
何かが始まろうとしている。
そんな感じがする。
まあ、俺には急いでできることもない。
今回も、じっくり様子を見るとするか。




