石の身体
ん?俺、眠っていたのか?
……いや。
この感覚は――また転生か?
ゴゴゴ……。ゴゴゴ……。ゴゴゴ……。
ん?ゴゴゴ?動いている?
やっと動ける物に転生したのか!?
やったぜ、俺!今度こそ、自分で動けるのか!
……と思ったのも束の間。
「…………」
え?何だこれ?ちげーじゃねーか!
俺、動いてない!
どうやら何かに乗せられて運ばれているようだ。
四角い大きな石。
丸太の上に乗せられて、何人もの人に引っ張られている。
ゴゴゴ……。ゴゴゴ……。……。
なんだよー。期待させやがって……。
山から石になったのか。
それにしても――随分と小さくなったなぁ。
あれだけ大きな山だったのに、今では人間が運べるくらいの石だ。
まあ、山だった俺が石になったんだから、これも転生ってことなんだろう。
しかし――どこへ運ばれているんだ?
「ここに置くぞ!」
「おー! 気をつけろよ!」
「ゆっくり!」
ゴトン!
俺の身体が地面に置かれた。
……ふぅ。ようやく止まったか。
それにしても。こんな大きめの石を運んで、何のために置くんだ?
俺だけじゃない。
周囲には、同じくらいの大きさの石がいくつも置かれている。
そして――
「よしょ!」
「そこだ!」
別の石が運ばれてきた。
おっ!隣に置かれたぞ!
……ん?なんだ?
隣の石が――感じられる?
いや。正確には、隣の石と一体になったような感覚だ。
さっきより、少し視界が広がった気がする。
……。
もしかして。同じ物に触れていると、感覚が繋がるのか?
そういや、杭の時も板を打ちつけられたことがあった。
あの時も、板に書かれていた文字が読めた。
あれも、俺の身体の一部になったからなのか?
なるほど。
転生するたびに、身体の仕組みも少しずつ変わっていくんだな。
そんなことを考えていると、また石が運ばれてきた。
ゴトン。ゴトン。
一つ。また一つ。俺の周りに石が積み重なっていく。
……これは、もしかして――
石垣を作ってるのかな?
山から採った石を使って、建物か何かを囲むんだろうか。俺の身体も、その一部になるのか。
「…………」
まあ、いい。どうせ動けないんだ。
だったら――どんなものが完成するのか、楽しみにするとしよう。
山だった俺が、今度は石。
そして、その石が集まって、一つの大きなものになる。
俺自身が、何になるのかは分からない。
でも――完成するのが、ちょっと楽しみだな。




