守られた橋
小舟の奴らに向かって、門番たちが一斉に矢を放った。
ヒュン!ヒュン!
「ぐあっ!」
「くそっ!」
何人かに矢が当たったようだ。
流石、門番!
やるじゃねーか!
「逃げろ!」
「橋を燃やすんだ!」
小舟の奴らが慌てている。
いやいや。悪いが――燃やされてたまるか!
俺はまだ新築なんだぞ!
これから何人もの人を渡らせる予定なんだ。
こんなところで燃えてたまるか!
「もっとやれ!」
心の中で門番たちを応援する。
「どんどんやっつけろ!」
まあ、俺の声は当然届かないけどな。
それでも、門番たちは容赦なく小舟の連中を追い詰めていく。
やがて小舟は川下へ逃げていった。
「追うぞ!」
「橋の火を消せ!」
門番たちが慌ただしく動き始める。
燃えていた橋桁にも水が掛けられていく。
ボッ……。
ボッ……。
そして――やがて火が消えた。
「ふぅ~……」
俺も思わず安心する。
とりあえず――燃えずに済んだぜ!
……ん?
でも、身体を確認してみると。
「…………」
少し焦げた?
うっすら黒くなっているような気がする。
チキショー!新築の橋なのによー!
まだ完成して、それほど経ってないんだぞ!
新品同様だったのに、いきなり焦げ跡をつけられるとは……まあ、命……じゃないけど、橋として生き残れたんだから良しとするか。
それに――小舟の奴らには悪いが。
今回は、どう考えても小舟の奴らの方が悪い。
橋を燃やそうとしたんだからな。
俺だって、燃やされるわけにはいかない。
これからも、ここを通る人たちの役に立つんだ。
そのためにも――この橋は、まだまだ頑張らないとな。
数日後。
いつものように人々が橋を渡っていると、河原の方が妙に騒がしい。
何だ?
人だかりができている。
かなりの人数が集まっているようだ。
何かあったのか?
俺には河原の様子が見える。
すると――腕を後ろに縛られた人が、何人か連れてこられた。
……何だ?
あれは――
「…………」
見覚えがある。
小舟に乗っていた奴らだ。捕まったのか。
まあ、自業自得だ!
橋を燃やそうとしたんだからな。
でも、何で河原に連れてこられたんだ?
そのまま連れて行かれればいいものを。
……ん?
座らされた。しかも、正座?
何だ、この状況。
まさか……。
処刑されるのか?
連れてきた奴らの中に、偉そうな人がいる。
何やら紙を広げて読んでいる。
でも、橋の上までは声が聞こえない。
何を言っているんだ?
罪状でも読み上げているのか?
「…………」
嫌な予感がする。
すると――
うぅ……。
剣を抜いたぞ。
まさか、本当に……?
ザクッ。
「…………」
俺には何もできない。
ただ、その光景を見ていることしかできない。
橋を燃やそうとした奴らだから、当然の報いなのかもしれない。
でも――気分のいい物じゃねーな……。




